レオパレス21の全体の売上と利益
直近3期の売上高と営業利益は以下のとおりです。
新型コロナウイルス感染症拡大による業績悪化により、2月12日に通期予想を修正しましたが、売上高はほぼ修正計画どおりとなり、営業利益は修正計画より54億円上積みされマイナス291億8,200万円となりました。
四半期ごとの売上高は3月に歴代1位の伸びとなり、修正計画を達成しました。懸念された施工不備問題については、募集再開戸数が計画を上回り影響はないと発表しています。
※参考文献
https://www.leopalace21.co.jp/ir/library/pdf/2021/4Q/kessan_ppt.pdf
レオパレス21のセグメントごとの売上
2021期よりセグメントを変更しており、2020期の実績にも反映されています。
主要事業が賃貸事業となり、入居率の向上がなにより重要なポイントになっています。
全国平均の入居率は77%とサブリースでは完全に逆ザヤとなっており、首都圏・近畿圏でも82%と苦しい経営がつづきそうです。
レオパレス21の短期的な戦略
2021期3Qにおいて572億1,500万円の支援を受けたことは既報のとおりです。
このうち300億円は新株予約権付きローンであり、引受先は1株142円で新株を購入することが可能になっています。しかし2021年5月21日現在株価は142円と低迷しており、当然ながら新株購入はまだ行われていません。
新株購入が行われると負債が減少する期待がありますが、株価の上昇が見込めないうちはむずかしいと言えます。
入居率を上昇させ黒字転換を図らなければ2023期末において、上場廃止という危険性もあると見られています。
※参考文献
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210521-OYT1T50013/
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2020/pdf/0930_02.pdf
レオパレス21の長期的な戦略
2021期は84億9,400万円の債務超過となりました。
2021年5月14日付けで「債務超過解消に向けた取り組みについて 」が発表され、次のような方針により2023年3月期において純利益の黒字化と債務超過の解消を目指すとしています。
2. 希望退職の実施と経営陣を含めた制度改革により人件費構造の見直し
3. 原価の抑制と店舗の統廃合や各種経費の見直し
4. 賃貸業務の電子化と仲介業者ネットワークの強化による入居率向上
入居率向上には改修工事未了物件の存在も大きな要素であり、2021年4月末現在、明らかな不備戸数は216,250戸となっており、改修完了戸数は45,523と発表しています。
現在約17万戸の未了物件があり、他にも調査の必要な物件がまだあるとされ、このような「優先調査対象物件」の入居率の低さが全体の入居率を低下させている原因となっています。
※参考文献
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2021/pdf/0514_05.pdf
https://www.leopalace21.co.jp/ir/library/pdf/2021/4Q/kessan_ppt.pdf
レオパレス21の最近のトピックス
2021年6月29日開催予定の定時株主総会にて、資本金812億8,235万9,829円を減資し1億円とし、約811億円余を資本剰余金に振り替えることを予定しています。しかし、この処理を行っても「自己資本」は変わらず、債務超過である状態は継続します。
上場廃止基準は新型コロナ感染症による影響の場合は猶予期間が2年間となり、同社にも適用される見込みのため2023年3月期に債務超過解消を目指す計画です。
※参考文献
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2021/pdf/0514_03.pdf