不動産会社の最適な人員配置とは?

2月中旬から3月にかけて、大手企業のみならず、中小企業の不動産会社でも4月以降の人事異動、店舗異動の検討などの打ち合わせが多くなる。

大手では経営戦略に基づいた検討に検討を重ねた人材配置が進められるが、なかなか中小企業では精査された人事戦略は立てられない。

とはいえ、この時期に少しでも検討しておかないと、あっという間に繁忙期が終わってしまい4月を迎える。
ここでは、不動産会社のなかでも「割と上手くいっていた」人材登用方法を紹介できればと思う。

ちなみに当然のことだが、会社の人材配置の理由は種々異なる。それぞれの会社にはそれぞれの課題があるので、下記の事例が全てに当てはまるわけではないことをご了承頂きたい。

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営業成績とマネジメントは、イコールではない

「名選手は、名監督にあらず」という言葉がある。

いくら現役時代の成績が良かったとしても、マネジメント能力はそれに比例するわけではない、という言葉だ。

不動産会社でも上記の言葉は、確かに当てはまる部分が多い。

しかし、「ある一定以上の成績」をだしていなければ、マネジメントは務まらない。不動産会社でのマネジメントでは個々の案件対応に対して、的確な指示を与える能力が大いに求められる。

クレームになりそうな案件や決済までの注意点など、局面での指示がマネージャーには必要だ。

当然、それなりの業務の知識が無ければ的確な指示が出せない。よくある例だが、他業界から不動産会社の「現場マネージャー」に登用されると、かなりの高確率で上手くいかない。

単純に、「指示が出せない」ことが多いのだ。

では、「名選手」であれば確実に「名監督」になり得るかと言うと、やはり決してそうではない。

あくまで相応の「業務知識」が必要であり、かつ相応の「マネジメント」能力が必要だ。

よく営業成績だけで現場の責任者に登用し、組織がガタガタになることがある。
これらは、「相当な知識」は持ちながらも、「マネジメント能力」が足りないケースだ。

いかに短いスパンで営業成績をトラッキングできるかがマネジメントとして重要

部署や現場、店舗の数値をどれだけ細かいスパンで追っていけるかがマネジメントでは重要になる。

たとえば、隔週で営業数値を確認するマネジメントだと、かなり打ち手に時間がかかってしまう。

できれば、日次で数値を追う習慣がマネージャーには求められる。

勿論、営業報告などは、会社で細かく規定されているかもしれないが、それでも、マネージャー自身の頭で「上手く言っているか」「問題点はどこか」を日次で細かく見ていく習慣があるのと無いのとでは大きく成績に差が生まれる。

細かく「数値を追えるかどうか」は、マネジメントではとても重要になる。

現場経験者からの集客(マーケティング)登用はとても効果が高い

最近は不動産業界も分業化が進んでいる。ひとつの例として、「集客領域」を専門で受け持つ部署を作る会社も増えてきたことがあげられる。
所謂、マーケティング部隊だ。この部署に、「現場経験者」がいるのと、いないのとでは大きく異なる。

たとえば、仲介業務における各媒体の掲載業務などがそうだ。
ある一定の掲載条件を会社側で定義して指示することで、こうした部分の担保はできそうだが、細かい一件一件の掲載の見え方、見せ方などは、実際、現場を経験しているか否かで、随分異なる。

なかには、営業成績があまりパッとしなくても集客だけは得意な現場社員などは、こうした部署などで力を発揮することが多い。
対面での営業が上手くはないが、反響の取りやすい物件を選ぶことができる能力や、掲載コメントや写真掲載などが上手い能力などは今はとても貴重な能力だ。そうしたメンバーには、彼らの輝ける場所を用意してあげることもひとつの方法かもしれない。

賃貸管理のPM領域は、「問題解決型メンバー」と「細かい事務作業と業務報告ができるメンバー」の2人がいれば強くなるケースが多い

仲介業務は、当然のことながら営業力が重視されるが、賃貸管理のPM領域は少し登用のポイントが異なる。

賃貸管理で重視しなければいけないのは、細かい集計業務と報告業務を滞りなく遂行できるかが重要になる。

特に、賃料送金やオーナーレポートなどの業務などは仲介業務の営業力とは対をなすものだ。

営業が苦手でも、細かい事務的な手続きと報告業務をしっかりと行えるメンバーがいると、こうした業務をお願いしてみても良いだろう。

また、事務系作業だけ得意なメンバーを賃貸管理部署に配置しても、それだけでは上手くいかない可能性がある。

局面でのオーナーからの無理な要望や、ハードな入居者のリクエストにも対応しなければいけない事案がある。

その際に、こちら側の主張や意見を、しっかりと先方に伝えることができるメンバーが部署にいるだけで、大きく部署の生産性は異なる。

オーナー対応は、ある程度、先方の意見を聞きながら、こちらの主張との落としどころを抑えることが重要だ。

たとえば、仲介営業メンバーのなかで、トラブルが発生した際の対応が上手いメンバー、またそもそもトラブルを発生させないメンバーを登用すると、いっきに花が開くケースが多いように感じる。

役職を「上げる」のは簡単、「下げる」のは、数倍大変

いずれにしても、不動産事業を運営し、マネジメントを継続していくのは、規模や事業領域が広がるにつれ、大変になってくる。たしかに少人数で成果を生みやすい業種かもしれないが、領域が多岐に渡り始めると必然的に人材を登用していくことが必要になってくる。

メンバーにチャンスを与えてチャレンジをさせてくいくのは素晴らしいことだが、一度役職を与えると、その後降格させることは難しい。

同じ会社内でマネージャーと現場スタッフを行き来するキャリアの人間は、不動産業界ではかなり珍しいだろう。
試しに昇格させてみると上手くいかない。

ならばもう一度、営業メンバーで。と提案しても、なかなか納得いかず、場合によっては退職してしまうことも少なくない。
改めて昇格の際、「現場の経験は豊富か」「数字を細かくチェックできるか」を確認しても良いかもしれない。

また営業成績がイマイチでも、他のスキルで発揮できるところも沢山ある。

これまでと異なり、不動産会社もデータ運用や事務処理能力、そして課題解決能力を求められることも増えてきた。

人は宝なり、という基本を思い出し、それぞれのメンバーの輝ける場所は何処かを考えてみても良いかもしれない。

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