これからの時代に必要な長期空室対策

前回も書いたが、都心部の賃貸ユーザーの動向は去年ほどではないがやはり鈍化傾向にある。

部屋探しをしているユーザーはそれなりに多いものの、なかなか即決で部屋を申し込みせずゆっくりと物件を検討しているユーザーが多い印象だ。

またこのような流れを汲んで都心では長期空室の物件が目立ち始めている。

勿論人気のある物件は相変わらずすぐに申込みが入る。

しかし、なかなか申込みが入らない物件は以前にも増して成約に結びつけることができない。

たとえば、数年前まで空室になってから申込まで30日程度を要していた物件が今は40日以上、60日以上、と長期空室の状態に変わってきているような印象だ。
おそらく今後も人気、不人気の物件の二極化は進んでいくだろう。

では、今後も懸念される長期空室の物件に対し、賃貸管理会社はどのような対応を行なっていけば良いのだろうか。

当然、一番手っ取り早い方法は賃料の値下げ、初期費用のカットである。

また、ペット可能にしたり、事務所使用を可能にする条件面の緩和などもそうだろう。
さらにいえば設備面での投資なども方法のひとつになる。

しかしながらこうした対策は「最終手段」である。

賃料値下げや条件の変更、設備投資にはそれなりのリスクも伴う。
何よりも不動産経営の賃料収入、またキャッシュフローに直接的なインパクトを与えてしまうことが懸念されるのだ。

不動産管理会社としてはこうした対策の前に、まず打たなければいけないいくつかの対策があることを忘れてはならない。

今回はこうした長期空室物件に対して、管理会社が取るべき対策について少し纏めてみた。

社内で長期空室期間の定義付けを行う

まず最初に「いつから」空室になっている物件に長期空室対策を打つべきなのか、社内で決定することが重要だ。

多くの管理会社は「長期空室の事実」に気付いてから初めてバタバタと対応する。

そうするとまるでモグラ叩きのようになり生産性が著しく低下する。

リーシングの会議で、上長が長期空室に対して叱咤する場面はよく見られる光景だ。
しかし、その場で長期空室対策を打ち出して実行しても、結局は新たな懸念物件が発生してしまい対応が後手に回ってしまう。

こうしたことを防ぐために、ベストは管理会社で空室のデッドラインの期限を決めることだ。
設定するのは40日〜60日程度が妥当だろう。

設定された空室日数が経過した際は、自動的に空室対策を実施するようにしておく。

こうしたルール付けがまず空室対策の第一歩だろう。

内見されない長期空室物件に対して

ここから具体的な対策を紹介していく。

まず、そもそも長期空室になっている物件は「業者間サイトで閲覧はされているが、内見に結びついていない」「業者間サイトで閲覧もされ、図面も仲介会社にダウンロードされているが、内見に結びついていない」「内見はされているが、申込みが獲得できない」と、ざっくりと3つに大別することができる。

まず閲覧がされていない、図面ダウンロードされていない物件に対しては、業者間サイトの徹底的な見直しが必要になる。

画像が漏れなく掲載されているかどうかの見直しを行い、セールスポイントのコメント等も全て見直す。

またこうした長期空室の物件の図面がサイトに添付されていないのは論外だ。
必ず図面もサイト上に掲載しておく。

実際に上記のような対策、つまり業者間サイト上の写真の件数増加や見直し、コメントの見直し、図面添付を変えることで内見に結びつきやすくなる事例はとても多くある。

現場では仲介会社は、管理会社の物件写真を見せながらユーザーに部屋紹介をする。
より良い情報の提供は空室対策の一旦を担うのだ。

また図面の見直しも同時に進めなければならない。

図面の見やすさ、図面に記載されているセールスポイントのコメント等を見直す。
実際、図面の質によってユーザーに与える印象が異なるのも現実である。

以上のような基礎的な見直しを行わず、賃貸の条件面をまず変えようとするのは時期尚早だ。

最初の対策として「その物件が仲介会社にどのように見られているのか」を徹底的に検証、改善することを忘れてはならない。

内見を発生するが、なかなか申込に至らないケース

内見が多く発生しているがなかなか申し込みにならない理由は、以下のようなことが考えられる。

「共有部が不潔」「単純に部屋が汚い」「図面、写真と実際の部屋の相違が激しい」「同エリアに競合物件が多い」などが主な理由だろう。

こうした理由のなかで、「物件の清掃や部屋内の確認」を管理会社が実施することで解消できる懸念点もいくつかある。

実際のところ、空室になり長い間管理会社自身が部屋の確認をしていないこともあるだろう。

居室内にゴキブリが死んでいたり、匂いが篭っていると申込の確度はいっきに下がる。

一度、長期空気にも関わらず内見が一定数発生している部屋は、物件の現地確認に行った方が良いだろう。

また、ただ確認、簡易清掃するだけではなく、現地でスリッパの用意、抗菌スプレーの設置、消臭剤の設置、メジャーの設置、図面の用意、などをしておくのも対策のひとつだ。

これにより物件の好感度を大きく上げることができる。
こちらも是非試してみてほしい。

今回紹介した空室対策を試してみても、なかなか申し込みまで至らない物件はあるだろう。

そのような時に初めてオーナーに対して条件面の交渉を行えば良い。
オーナーも諸々の対策をしてもリーシングの効果がない、と理解して始めて管理会社の提案に耳を傾けるようになる。

「長期空室の日数設定」→「業者間サイトの見直し」→「図面の見直し」→長期空室でありながらも、内見がそれなりに発生している場合は「現地確認、清掃、図面等の居室内設置」→「条件交渉」このステップが長期空室対策の基本だ。

思いもよらないところで申込に至っていないケースも多くある。

また、少しの改善で一気に申込が増加したという事例も現場では多く存在している。

是非、一度試してみてほしい。

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