これからの不動産会社は、「ブランディング」を重要戦略に。

最近、不動産会社の経営者のかたのご相談を受ける際、その相談内容が、以前より大きく変化したことを感じる。

これまでは、ポータルサイトの反響獲得方法や、またそこからの反響接客率をどのように向上させるか、という所謂、実務レベルの向上施策の相談が多かった。

また、それ以外にも社員のモチベーション向上方法、また営業スキルアップ等の従業員のレベルアップ方法などの人的スキルアップの相談も同時に多かった。

要は、今までは、社内の戦術的な部分に経営陣は頭を悩ませていた印象が強い。

しかし、ここ最近は、「どのように会社をアピールするか」、「どのように他社と違ったサービスを打ち出すか」、という相談の割合が圧倒的に多い。

これは、いよいよ多くの不動産会社自身も真剣に「ブランディング」を考え始めた象徴的な出来事のように感じる。

ブランディングはもう大手だけの戦略ではない

ご存知のように、YouTubeやInstagramで、以前とは異なり、今や不動産の投資ノウハウ情報や、不動産市場の情報は、いくらでも手に入ることができる。

特に投資系の不動産会社の社長などは、最近、YouTubeでセミナー内容をどんどん無料で配信し始めた。

また賃貸市場でも物件の内覧動画を公開することで、他社との違いを打ち出し始める不動産会社も増加してきた。

また、このようなSNS運用の一般化とは別の視点で、昨今は、ブランドマンションや独自のユーザーサービス、また独自のリノベーションブランドなどの成約率が向上しているという側面も見逃せない。

逆をかえせば、あまり特徴のない物件は、少し成約が難しいという印象が強い。

他社の物件との差別化を図れていないと、どうしても無数の不動産広告のなかで埋もれてしまっているのかもしれない。

ブランドエクイティという言葉がある。

つまり、ブランドの価値だ。

たとえば、そのブランド名(会社名でも)を聞けば、その会社のイメージを持つことができる。

たとえば、「高級感を感じる」、「オシャレに感じる」というようなイメージだ。

またこのようなイメージ喚起が多くのユーザーにもたらすことができるブランドは、全く同じ品質の製品よりも高値で売り出すことができる。

所謂、ブランドロイヤリティといわれる効果だ。

従来、不動産業界でも「マンションブランド」というブランディング戦略は多くの不動産会社でも実践してきた。

「三菱地所といえば、パークハウス」というようなイメージだ。

しかし、これからは大手のデベロッパー、または大型マンションだけではない、中小の不動産会社でも、ブランディング戦略を取り入れたほうがよいだろう。

ブランディング戦略を積極的に不動産会社に取り入れることで、今までとは異なった事業インパクトをもたらすことが可能となる。

何を、どのように、ブランド化していくか?

では、具体的にどのようにブランディングをしていけば良いのだろうか?

れには、不動産会社の「何に」、「どのように」ブランドを取り入れていくかが重要になる。

1.物件をブランド化する

一番、わかりやすいのが自社の物件をブランディングすることだ。

これは、旧来通りではあるが、非常に効果的なパターンだ。

デベロッパーでも積極的に活用している。

しかし中小の不動産会社では、これはなかなか難しいかもしれない。

物件名はコロコロと変えるわけにはいかないし、それに当然ではあるが、物件に統一感がなければ、逆効果となる。

2.サービスをブランド化する

物件自体をブランド化はできなくても、他の方法でブランディングを進めることは可能だ。

たとえば、リノベーションプランのサービスを統一化し、サービス名をブランディング化する。

また、オーナー向けの管理サービスをブランド化、不動産店舗自体をブランディング化することも可能である。

サービスブランドを作ることで、今までと全く違ったサービス展開を生み出すことができる。

そのサービス専用のLPを作成することもできるだろうし、また、そのサービスによっては、利用者向けのSNS広告を運用することで、多くの潜在ユーザーの獲得が可能になる。

3.会社をブランド化する

昨今、会社の「見える化」が叫ばれて久しい。

また、不動産という性質上、スタッフ対応などは、やはり軽視されるべきではない。

それを考えた時に、自分自身の会社をブランディング化することは、とても有効な打ち手である。

会社自身のブランディング化を推進することで、社内の人事制度も見直すこともできる可能性も生まれるし、何よりスタッフのモチベーションを上げることもできる。

企業によっては、社名変更を行い、コーポレートブックを発行することで、ステークホルダーの信頼性を高めた企業もある。

また、会社案内等を見直し、しっかりと会社実績を対外に打ち出すことで、銀行の信頼度が上がったケースもある。

4.社長をブランド化する

3.の会社をブランド化することに近いが、社長自身がYouTubeなどで、サービスを発信したり、ノウハウを伝える。

これにより、企業のサービスを広く周知し、多くのユーザーの訴求力を高める。

社長というのは、いわば社内一のスポークスマンである。

とある企業では、定期的な代表者のブログ発信で、多くの取引先を獲得することができる。

5.地域をブランド化する

地域密着の企業は、その地域にフォーカスを当てることも大きな効果を生み出す。

地域社会に参加し、空き家の再利用や、商店街活性化を主導することで、その不動産会社の存在をアピールすることができる。

ブランディング化の進め方

ブランディングを推進することは、ポータルサイトだけの集客ではない新たな顧客の獲得を促すことができる。

また、ゴリ押しの営業だけではない、新たな営業開拓のツールのひとつとなる。

勿論、ブランディング化は一朝一夕で出来るものではない。

少なくとも一年程度、長期運用を念頭に進めていかなければいけないだろう。

では、簡単ではあるが、ブランディング化の進め方を少し整理してみよう。

1.現在の企業の強みを見出す

ユーザーが特徴的なのか、サービスが他社と異なっているのか、社内制度が特徴的なのかを一旦整理してみる。

これにより、どこにブランド化の主眼を置くのかを決める。

もし強みが見出させない企業であれば、強み自体を蓄積するような経営戦略を打ち出さなければいけない。

2.ブランドを定義する

強みを見出した後に、ブランドが、「誰に」、「何を」、伝えるのかを定義する。

きちんと事業インパクトも視野においた定義にしなければいけない。

3.ブランディング戦略を策定する

定義したブランドを、「どのような方法」で発信していくのかを取り決める。

TwitterなのかInstagramなのか、YouTubeなのか、それともLPを作成し、広報していくのかを決める。

おそらくこのあたりになると、多少知見のあるマーケティング専門の人間のアドバイスも必要になるだろう。

4.実践、検証、運用を繰り返す

ブランディング戦略が失敗する理由は、「継続できない」ことが、大半の理由だ。

しっかりと検証を繰り返し、継続的に行える組織体制、もしくは協力体制(予算組みも含め)が重要になる。

また、認知度が上がっても、売上に直結しない時期も長く続く。

そこも織り込んで、我慢強く運用しなければならない。

まとめ

もし仮にポータルサイト等の反響獲得で悩んでいる企業、またオーナー獲得で壁にぶつかっている企業があれば、一度、ブランディング化を検討してみて欲しい。

足下には、大きな成長の種が転がっているかもしれない。

これからの不動産会社は、アピール力が大きく問われるようになるだろう。

【本記事執筆者解説】
賃貸仲介で圧倒的売上をたたき出す方法

案内しても中々成約に結びつかない、、
そんなお悩みをお持ちではないですか?

本動画ではあなたの案内成約率を大幅に向上させるスキルをお伝えします。
誰も教えてくれないあなただけの営業ノウハウを身に着けてください。

賃貸仲介における成約率を倍にする実践テクニック
  1. 成約率向上の6つのポイント
  2. 成約確度を高めるヒアリング
  3. 物件提案時のコツ
  4. 成約率を上げる内見方法
  5. ”決まる”クロージングのやり方
  6. キャンセル防止の注意点

詳細はこちら:賃貸仲介における成約率を倍にする実践テクニック

\無料配布中/

絶対集客に成功したい不動産会社必見のノウハウ本

Twitterでフォローしよう

売買
賃貸
工務店
集客・マーケ
業界NEWS