ある住宅メーカーの新卒研修が終わりました

4月初旬にある住宅会社(A社)の新卒社員研修が終わりました。

対象者は50人以上。

かなりの規模がある住宅会社です。

1年間を通じて色々関わるのですが、今回はその手始めとなる3日間集中の集合研修でした。

毎年複数の住宅会社からの依頼で、新卒の教育に携わりますが、20代の若者と接点を持つと色々な感想を持ったり気づきなどがあります。

読者の皆さんの会社は新卒採用をされたでしょうか。

一定規模以上でなければなかなか新卒を採用するということはないとは思いますが、今回のコラムは新卒研修を行ったA社で感じたことをお話できればと思っています。

皆さんの会社に入社した新卒や中途採用の営業マンと是非比べてみてください。

とにかく意欲が高い!

休憩時間も質問攻め

A社の新卒教育は昨年に引き続き2年目ですが、とにかく意欲が高いことに驚かされました。

私は1時間ほど研修を行うと必ず10分間の休憩を入れるのですが、その度に複数の新卒社員が私の元にやってきては質問を浴びせ掛けてきます。

昨年も同じ会社の新卒研修を実施しましたが、今年の方がこの度合いが激しいのです。

質問をしに来たある女性営業は、手元に研修用のテキストを持っていたのですが、手書きでびっちりとメモが取られ重要な箇所にはマーカーでアンダーラインが色とりどりに引かれていたのです。

「中学生や高校生時代にはこんなことを私もやっていたなあ」

と懐かしくなるようなテキストでした。

別の男性新卒営業は、会社のカタログを片手にやってきました。

「ここの表を見て欲しいんですけども、なんだか数字と表がおかしい気がします。ひょっとして間違っていませんか?」

そんなことはないだろうと私は覗きこんだのですが、じっくり見ると確かになんだか妙な感じがします。

まだ確認は取っていませんがおそらくは誤植でしょう。

新卒として会社に入ってまだ10日しか経っていないのですが、会社が作成したカタログの間違いを指摘したのです。

バラエティ豊かな出身大学

住宅営業の現場で社員同士が学歴によってマウントを取るようなケースは非常に少ないですし、実際にも私が積水ハウスに新入社員として入社したときも全く感じませんでした。

その当時、たくさんの同期社員が入ってきましたが、いわゆるトップクラスの大学の連中も大勢いましたし、その逆に知名度の低い大学の連中もこれまたたくさんいたのです。

学歴という点でいうとまさにピンからキリまで。

しかし、同期同士でそんなことを意識してる社員は全くいませんでしたね。

私と同じ支店に配属された同期の男は、専門学校に2年間通った後通信教育で2年勉強しました。

大卒ではないので積水ハウスの入社試験を受ける資格がなかったのです。

しかし、この男はいい根性を持っていて、当時の積水ハウス役員に対して「合計4年間勉強したのだから大学卒業と変わらないでしょう」とねじ込み、そのまま入社したのです。

住宅営業はキャリア官僚ではありません。

そもそも、キャリア官僚であれば、まずは東京大学を卒業しないと話になりませんし、財務省であれば法学部卒という縛りまでかかってしまいます。

一橋大学卒業のキャリア官僚が、財務省の事務次官に就任しましたが、これ自体は異例中の異例だそうですね。

しかし、住宅営業の世界ではこんなことは全く関係ありません。

A社の新卒の大学ランクも知名度もバラエティに富んでいました。

昨年も同じような感じでしたが、1年後の受注成績と出身大学とでは、当たり前ですが何の相関関係もありませんでした。

マナー研修の効果はひとまず出る

私は三日間の営業研修を担当しましたが、前日は他の講師によるマナー研修を実施しました。

マナー講師の担当者名を聞くと「どこかで聞いたことがあるな・・・」という女性。

自宅に帰ってネットで調べたら、やはりテレビなのでちょくちょく取り上げられる名物マナー講師でした。

このマナー講師は大変厳しいことで知られ、ニコニコ笑いながらいきなり怒鳴りあげることで知られています(笑)

テレビで拝見すると、とにかくちょっとしたことで怒鳴るというシーンばかりが目立ちます。

「テレビはさすがに誇張しているのだろう」

こう思っていたのですが、実際の研修シーンもテレビと全く変わりません。

新卒者の気が緩んだり挨拶なのに満足ができないと、凄まじい大声で叱咤激励が入ります。

一定の効果が出るのは確か

「マナー研修なんてやってもな・・・」

マナー研修に関する意見は人それぞれでしょう。

絶対にやるべきだという方もいれば、社会経験の中で会得していくべきであるという意見の方も大勢いるでしょう。

しかし、時間と余裕があるのであれば、マナー研修は行なった方が新卒者のためになると思います。

敬語や謙譲語の使い方、基本中の基本ですがお茶の出し方や、車内における上位の席はどこかなどは教えてもらわないと分からないはずです。

お辞儀の仕方や角度なども定番中の定番ですが、マナー研修を受ける前と受けた後では確かに様子が違っているのです。

ただ気をつけなくてはいけないのか「そんなマナー聞いたことがないぞ」という代物。

4月になるとネットで炎上したりしますが、まったく意味不明のマナーや、印鑑を押すときに上司に対してをお辞儀をしてるように傾けるなど、一部で行われている悪しき慣習を教えるということには賛成できません。

実際に昨年の新卒研修でも気になったことがありました。

女性の新卒者も多くいた研修だったんですが、研修が始まる前に号令をかけ挨拶をするのです。

挨拶自体には何の問題もないのですが、参加した女性営業全員が両手をおへその辺りで組んでお辞儀をするのです。

これは外国の作法であり、日本式ではありません。

明らかに間違ったお辞儀の仕方を教えてるケースでした。

地獄の合宿研修

こんな研修もありますね。

富士山の麓で一週間ほど合宿をして、外の世界との通信を一切遮断した集団生活を送ったり、駅前に一人で立って大声で社歌を歌うなどの研修です。

この手の研修は評価が真っ二つに割れます。

「いつまでこんな馬鹿なことやっているのか」
「人間関係が希薄になる中でこういうのも意味がある」

皆さんの意見はどうでしょうか。

しかし、面白い話があります。

ある大手ハウスメーカーの役員の方から聞いた話です。

「あの手の研修には毎年社員を行かせるんだ。研修効果は長続きしないけど(笑)」

こちらのハウスメーカーは毎年必ず地獄の研修として知られるコースに営業マンを送り込むのですが、この研修から帰ってくると挨拶を含めて一つ一つの動作もきびきびするなど人が変わったようになるそうです。

しかし、その効果も一週間。

「せいぜい一週間だね。その後はすべてが普通に戻っちゃうんだよ(笑)」

これでは意味がないじゃないか、と思ってしまったのですが真の目的は他にありました。

毎年期末に成績の悪い営業マンを合宿に送り込むんだよ。みんな嫌だからがんばって受注を取ることになる」

なるほどうまいこと考えたものです。

私が営業マンの立場になれば、この合宿に放り込まれたらかなわないと思うので、なんとしてでも頑張るでしょうね。

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積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。

コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。

今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

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