住宅系YouTuber。
こんな言葉が出てきたのは、この数年のことです。
YouTubeは誰もが気軽に使って楽しめる媒体として、完全に世界中で定着しています。
我々が関係している住宅の世界も然り。
大手ハウスメーカーから小規模工務店まで、YouTube の自社サイトを持ち様々な動画をあげています。
また、これから家を建てようとする人、すでに家を建てたお施主さんも積極的に発信しています。
そして、住宅系YouTuberと言われるカテゴリーも存在し、ここではこれから家を建てようとする人たちへ有益な情報を発信し続けています。
中には一本の動画が数十万回再生されるような敏腕ユーチューバーが存在するのです。
そして彼らの影響力は、大手ハウスメーカーであっても無視できないような存在になっているのです。
人気YouTuberの影響力はこんなところにも
年間3,000棟以上も施工している大きな住宅のグループがあります。
役員氏とZOOMで話を昨年末にしたのですが「むむむ!」という情報が。
私 「そういえばユーチューバーの〇〇さんが最新号で御社の断熱材を取り上げていましたよね」
役員氏「森先生も見ましたか?」
私 「相変わらず良くできているなと」
役員氏「あの映像がアップされた翌日にうちのメルマガ会員数が100人以上一気に増えたのですよ」
私 「1日で?」
役員氏「そうです。想像以上の影響力ですよ」
この話を聞いてさすがに私もびっくり。
話をさらに聞きこんでいくと、当初はこのユーチューバーの内容に警告をしようと考えていたとのこと。
映像内容の一部が事実と若干異なっていて、また少し攻撃的あるいは中傷的な内容があったとのこと。
しかし、うまく褒めているところも多分にあったので、結果的には「ギリのラインをうまくついているのだよね(笑)」となり抗議はしないことになったそうです。
そして、今回のように会員数の爆増に繋がるような事実があると、文句をいう所か逆に感謝しなくちゃいけないという結果につながっているのです。
彼らのYouTube再生数を見ると、少なくても数千回、多いものでは数十万回の再生数を誇っています。
ここまで来ると影響力は絶大なものに。
ハウスメーカーの中には、こういった彼らに目をつけていてる所も実際にあります。
おそらく水面下で打診していると思うのですが、あくまで中立な立場で行っているわけですから、どうなるのか大変興味深いところです。
こんな情報も先週仕入れました
YouTubeに関する面白い情報を入手しました。
Qホームとしておきますが、全国にまたがるグループで住宅業界の人であれば誰もが知っている名前です。
この会社の本部に勤務していた人が独立し、YouTuberをやっています。
私もその存在だけは知っていたのですが、先週別件のビジネスで打ち合わせをした方が、こんなこと教えてくれました。
Aさん「ユーチューバーの〇〇って知っていますか?」
森 「名前は知っていますよ」
A さん「私と同じQホームにいたのですが、独立してYouTuberをやっていて、今の年収は3,000万、4,000万いやもっとかもしれませんね」
森 「えっ!」
さすがにびっくりしましたね。
桁外れに稼ぐYouTuberよりは少ないですが、それにしても一般人から見れば驚愕の金額です。
彼がやっていることは、YouTubeを通じて間取りの注意点やポイントを解説しているのですが、軽妙な話のテンポで、面白い間取りに対する視点も加わり大人気を博しているようです。
程なくするとこのような視聴者が多く現れ始めた、とAさんは教えてくれました。
後はこの視聴者を工務店に紹介して稼いでいるのです。
私もお客さんから紹介依頼をされることはありますが、あっても年間に1件か2件の話。
このユーチューバーは年間に300件を優に超える数を工務店に紹介しているそうです。
設計士系YouTuber
プロである設計士が発信者となってYouTube作成に取り組んでいる事例もかなりあります。
私も勉強がてらいろんな方のYouTubeを見ていますが、チャンネル登録者数も多く、それに従って視聴回数も数万回に及ぶチャンネルも多数存在しています。
おそらくは視聴者から直接問い合わせが入り「私の家も設計してほしい」となっているはずです。
映像の作り込みは凝っている
ここまで話をすると、工務店の方や設計士の方も「私もやってみようかな」と多くの方が思うのではないでしょうか。
しかし、YouTubeで成功するには課題がたくさんあります。
①質の高さと企画力
私が指摘するまでもありませんが、YouTubeで発信する内容は視聴者を惹きつけるものでなくてはいけません。
あまりにも一般的な内容ではつまらないので、見ている人が「こんな視点があったんだ」と思うことが絶対条件です。
でも、設計士であれば様々な知識がありますし、現場の経験があるでしょう。
ネタはこの辺りから拾えば良いのですが、内容がいくら良くても上手くまとめ上げて企画しないと、視聴回数は上がりません。
②撮影機材や撮影の工夫
明らかに知識があり経験もあり鋭い視点を持っていたとしても、YouTubeで成功するには映像の作り込みというハードルが存在します。
いくら内容が濃くても、見ていてつまらない映像では誰も関心を示してくれません。
その大前提として、照明などにもしっかりとこだわり、撮影機材も一定のレベルをクリアした物を揃えたいところです。
③編集の重要性
学生時代のことですが 、NHKでアルバイトをしたことが私にはあります。
その当時全国で人気だった女性アナウンサーに、桜井洋子さんという方がいました。
桜井アナとの接点がアルバイトであったのですが「テレビの世界で一番大変なのは編集なのよ」と言われた事が今でも記憶に強く残っています。
NHKの編集室を覗くと、現場で撮影した映像などを専属のスタッフがかぶりつきで編集作業をしている光景をよく目にしました。
視聴者に対して飽きさせずにいかに映像をアピールするかというのは、編集にかかっているのだということをこの時理解したのです。
それでもチャレンジすることをお勧めします
社長や会社の様子がダイレクトに伝わる
凝った編集は要りません。
高価な機材もいりません。
ここまでお話ししてきたことと180度違うことをいきなり書いてしまいますが、最低限のレベルを担保していればYouTubeを活用する意味はあります。
例えばカメラを固定し、そこに向かって社長が会社案内をするのはその典型的な事例です。
画像的には面白くありませんし変化も無いでしょう。
ですから再生数が何千回も伸びるようなことは考えられません。
おそらくは1年経っても、100回から300回程度だと推測されます。
しかし、ホームページに掲載されている会社案内と比較すれば、社長の人柄が手に取るようにわかる会社案内なのです。
この動画によって「この会社にしてみよう!」となるのは考えにくいのですが、社長の人柄がYouTubeで伝われば「この会社に問い合わせをしてみようかな」程度の効果は十分にはあるのです。
これに経費がかかるのであれば考えてしまいますが、YouTubeは無料で発信できるのです。
無料でできるのであれば大きな問題はないとは思いませんか?
新規を狙うのではなく継続客へのアピールをする
完全な新規客をYouTubeで惹き付けようと思うと、撮影と編集に凝りまくり数万回の再生を目指さなくては無理です。
しかし、既に名簿化しているお客さんに対しての新たな情報提供としてYouTubeを使うのであれば、再生回数はある意味全く気にしなくても構いません。
私が今行なっているのはこんなやり方です。
YouTubeで撮影した動画をQRコード化します。
このQRコードを既存の名簿客に発送するDMに貼り付けます。
実際に行った従業員10名以下の小規模工務店でのことを話しましょう。
毎月定期的に送ってるDMに、新しく撮影したYouTubeの動画をQRコード化したものを貼り付けました。
QRコードは手持ちのスマホで簡単に読み取れるのですが、何人がこのQRコード読み取ったかは簡単に調査できます。
その結果、550人に対してダイレクトメールを送ったのですが、QRコードを読み込んでくれたお客さんが18人いました。
550人に対して18人というのは極めて大きな数字です。
しかも、繰り返しになりますがYouTubeの維持は無料です。
通常のダイレクトメールは読んでいるのかどうか分かりませんし、それどころか開封されたかどうかも全く判別ができません。
しかし18人がQRコードを読み込んだということは、開封率はこの数倍あると考えられるのです。
本記事執筆講師が動画にてわかりやすく解説
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