私はかなりひどいスギ花粉症です。
病院で調べてもらったのですが、数値が振り切れるぐらいの重症と診断されました。
年が明けてしばらくすると、もちろん薬を飲み始めます。
薬の効果によって症状はかなり抑えられるのですが、対応を怠ると酷い目にあいます。
「スギ花粉を完全に除去してくれるような家に住んでみたいな」と私はいつも思うので、重度の花粉症の人やハウスダストに敏感な人であれば同じ感想を抱くことでしょう。
住宅会社も花粉の季節を迎えると、この辺りを強くアピールする会社も色々あるようですが、室内の“空気環境を考えていますよ”アピールは住宅販売において非常に重要なことだと思います。
ところが、地震と同じように地域によって敏感に反応してくれる地域もあれば、期待したような反応がない地域もあるのです。
九州のビジネスホテルで見たNHKニュース
コロナ期間はめっきり減りましたが、私は頻繁に全国のビジネスホテルに宿泊します。
これは、北九州市で宿泊したホテルで見た6時のNHKニュースの最後に流れた映像ですが、この映像を視聴者に見せながら、明日のPM2.5情報を気象予報士がいろいろと説明していました。
しかし、このニュースを帯広に住んでいる方が見たらどう思うでしょうか。
おそらくは、かなりの違和感というか「こんな事いちいちテレビでやっているのだ」との感想を抱くでしょう。
九州北部ではPM2.5情報は大きな関心事
中国大陸からやってくる黄砂の影響が大きいのですが、九州、特に北部地域は黄砂やPM2.5の影響を大きく受けやすい場所です。
ですから、この地域に住んでいる方々は、PM2.5情報に対しては非常に敏感に反応します。
特に自分や子供がアレルギーを持っていると、通常以上にこの情報を気にして、翌日外出するかどうかの目安にするのです。
2月になると住宅会社はアピールを強める
このような地域なので、年が明けて2月ぐらいになると九州の住宅会社では「弊社はPM2.5対策も万全です」とのアピールが増えてくるのです。
これに対してPM2.5への関心がさほど高くない地域では、アピールする住宅会社はさほどありません。
あくまでも平均値の話ですが、このような形で地域差が発生するわけです。
九州の住宅会社でも温度差が激しい
“あくまでも平均値の話”と書いたように、福岡県の会社であってもPM2.5に対して敏感に反応する会社もあれば、PM2.5に微塵も触れない住宅会社も存在します。
福岡県に本社を置くP社は、普段から室内換気の重要性を訴えるとともに自社独自の換気システムをアピールしています。
このような会社ですから、PM2.5の時期になるとこんな会話が交わされます。
営業「いくら対策をしてもPM2.5などの細かい粒子は家の中に入り込みます。重要なのはこれらをいかにして除去するかなんですよね」
客 「確かにそうですよね。この時期になると我が家でも必ず話題になりますから」
営業「この問題に対処するのは家を建てるこのタイミングしかありません。弊社ではこの問題の重要性に前から気づいていて、平成の初期から空気環境の重要性を訴えているのですよ」
契約できる、できないの話は別として、この営業の問いかけに関心を抱かない人はかなり少ないと私は感じています。
前述したように福岡県では、NHKニュースの最後にPM2.5情報をガンガンと流して注意喚起を促すわけですから、それを見た九州の人たちはこの問題に関心を抱かざるを得なくなります。
ところが不思議なことに、PM2.5対策を徹底的にアピールする住宅会社がある反面、ほとんどそれに触れないような会社があるのもまた事実なのです。
その会社の建築工法がPM2.5対策をアピールするほどの内容でない場合ならわかります。
あえて触れてしまうと突っ込まれるわけですから、営業からはそこに言及することはしないでしょう。
しかし、PM2.5対策をそれなりに整えている会社なのに、営業マンがさほどお客さんに対してアピールをしない会社が結構あるのです。
福岡県内のある会社もそうなのですが、100万円を超えるオプションにはなるものの、花粉やPM2.5を徹底的に除去するシステムを展示場に備えています。
営業マンは接客する時にそれを当然アピールするものと考えますが、実際の接客を見るとさほど押していないというか、ヘタをするとその話を完全にスルーするのが常態化しています。
実に不思議な話なのですが、これは私が目の前で見た事実です。
私のように部外者から見ると「PM2.5対策となる設備を整えていて、しかも福岡県という地域であればもっとガンガンやればいいじゃないか」と思うわけですが、その地域にいると案外気づかないという現象が起きるのです。
これは地震についても言えることでしょう。
太平洋側の東北地方であれば、常に大きな地震の恐れがあるわけですから、住宅会社の営業マンは耐震性を殊更に訴えます。
ところが会社によっては、通り一遍の耐震性能を訴えることしかせず、私から見ると軽く流してるとしか見えないケースがあります。
宮城県においてはPM2.5問題の話については軽く流してもいいかもしれませんが、耐震性能に関してはこれでもかとやるべきなのです。
このような実態を皆さんはどう思われますか?
九州ではこんなトークがお客さんにウケる
洗濯物の話は鉄板ネタ
PM2.5問題は九州のお客さんが敏感に反応するのですが、この延長線上で次のようなトークもほぼ100%高い関心を得られます。
営業「今は洗濯物を乾燥機で乾かすか、もしくはベランダなどで天日干しにしているのですか?」
客 「今はベランダの物干し竿にかけていますね。家を建てたら乾燥機を買おうと思っていますが」
営業「福岡において乾燥機は絶対必要な存在です。やはりPM2.5の問題がありますので、外に干すとそれらをそのまま家の中に持ち込むことになりますから。この実験データを見てもらえますか・・・」
この会話は私の目の前で実際に営業が行なったものですが、この後彼が見せたものは、外に干した洗濯物にどれだけPM2.5などの汚れがついたかを特殊な機械を使って測ったデータだったのです。
九州大学かどこかの実験だったと記憶していますが、そのデータや写真を見ると誰もが「こんなに不純物がついちゃうんだ!」と驚かざるを得ない数字でした。
彼はこれを見せた後に、いかにPM2.5対策が大事かということを話すと同時に、家を建てたら乾燥機は必須ですと熱くアピールしていたのを私は覚えています。
営業は熱くアピールしたわけですが、これに対してお客さんも大きく頷き納得していたのもはっきりと記憶しています。
車好きな人にはこんなトークを切っていく
当然こうなるでしょう。
特殊な事例かもしれませんが、鹿児島県の営業はお客さんとほぼ必ずこのような話をするそうです。
私が指摘するまでもありませんが、鹿児島県の住宅営業マンは桜島の粉塵の話を商談の中で必ず織り込むのです。
鹿児島以外の住宅営業の方にはありえないトークなのですが、彼らにとっては避けては通れない折衝ネタになるのです。
本記事執筆講師が動画にてわかりやすく解説
工務店営業社員の育て方 「24年にわたって現場で営業育成をしてきたノウハウの一部をご紹介」
積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。
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