テレワーク意識した接客のポイント

皆さんが勤務する住宅展示場には、いわゆる書斎のスペースは存在するでしょうか。

コロナ時代になって書斎の存在意義が高まってきましたが、コロナ前であっても、書斎をプランニング した展示場は数多くありました。

テレワークを意識したプランニングではなかったものの、コロナによる生活変化を受け、期せずして脚光を浴びてしまった空間ともいえるでしょう。

これから建てる住宅展示場であれば、テレワークを意識したスペースを作ると考えられますが、コロナ前に建築した住宅展示場ではその多くが書斎コーナーと言われるスペースだったと思います。

いずれにしても、書斎、テレワークスペースは、接客のキーポイントになる可能性が高まっています。

テレワークのデータ(厚生労働省より)

これはテレワークに関して厚生労働省が集計した調査結果です。

私がご説明するまでもなく、コロナになってから急激にテレワークが増えたことは既成の事実です。

ところが、データを見るとわかるのですが、コロナ以前からテレワークが徐々に増えています。

コロナ以前の接客では営業社員がお客さんに対して「在宅ワークの可能性はありますか?」「テレワークをされていますか?」などという質問は全くなかったと思います。

そもそもテレワークなる言葉自体の知名度はほとんどなかったと言って良いのではないでしょうか。

ところが3年前から事情は大きく変わりました。

住宅展示場でお客さんを接客する際に「テレワークをされていますか?」もしくは「 今後テレワークをされる可能性はありますか?」などと言う質問を投げかける必要性が生じたのです。

大企業ほどテレワークの可能性が高い

データを見ると資本金が大きくなればなるほどテレワーク社員の比率が高いことが分かります。

このデータをそのまま受け取れば、接客時にお客さんが従業員3,000人の会社に勤務していることがわかれば、テレワークの可能性は高まると推測できます。

展示場入店時にアンケートを取得するケースが多いと思いますが、勤務先が大手企業であれば要注意だと言えます。

接客の早い段階でテレワークの可能性があるかどうかを確認すべきだと私は思います。

とにかく、展示場で接客する際には、全てのお客さんに対してテレワークに対するニーズがあるかどうかを必ず確認をする癖をつけてください。

コロナ以前に建築された展示場での接客

コロナ以前に建築された住宅展示場と、コロナ以降に建築された住宅展示場にはある明快な特徴があります。

いわゆる書斎になりますが、コロナ以前の建築では寝室の一部として設計されるケースが多く、単独の部屋として書斎を設けるという作りはほぼ皆無と言っていいでしょう。

これは当然の話で、お客さんのニーズに単独の仕事部屋を設けることはほぼなかったからです。

ですから、その呼び方も「書斎」ではなく「書斎コーナー」と言われる方が一般的です。

ところが、コロナ以後に建築された住宅展示場では、完全な独立部屋として書斎を設定するケースが極めて多いと私は感じています。

そのため、古い住宅展示場での接客を見ていると、寝室に付随した書斎コーナーでこんなやり取りが見られます。

営業「こちらが主寝室になりますが、左の奥に書斎コーナーを設けてあります。特にドアを設けてないので、光や音は漏れてしまいますけども・・・ところで、お客さんはテレワークとかはされますか?」
主人「うちの会社ではテレワークがメインになっているんですよ。出社は週に一回だけなので後は全て自宅ですね。ただしこのような作りだとダメなんで、完全に独立した仕事部屋を作りたいんですよ」

それはそうでしょう。

従来の書斎コーナーは寝る前のひとときを過ごす場所という認識で作られているので、その場所で仕事をすることを想定していないのです。

彼に奥さんが早めに寝たとしましょうか。

その横でご主人が夜中まで電気を煌々とつけて仕事をしていれば、奥さんとしてはたまったものではありません。

対応方法は二つ

①余ってる部屋があればテレワークスペースに改造する

小規模な展示場ではスペースがないかもしれませんが、打ち合わせルームというか瓦やクロスや何かしらの掲示物だけを展示しているような部屋はないでしょうか。

部屋としては見所が全くないので「この部屋には色々なサンプルが置いてあります・・・」と説明するだけでスルーしてしまうことが圧倒的に多い空間です。

このような部屋があれば、私は大急ぎでテレワークルームに改造することをお勧めします。

②従来の書斎コーナーの接客トークを変える

書斎コーナーがある住宅展示場に勤務する営業の方は、これまでどんな営業トークで接客をしてきたでしょうか。

大半のケースでは大した話をしていなかったでしょう。

しかし、コロナによって事情が変わりました。

お客さんが明快にテレワークをしていると話をした場合は、このスペースでは説明しにくいので、テレワーク用に作られた部屋の大きなパネル写真を展示してください。

こうすることによって、目の前にあるのは書斎コーナーなのですが、しっかりと仕切られた独立した部屋のパネルを貼ることによりお客さんとの会話が弾むはずです。

また、現状ではテレワークをしていないお客さんの場合には、こんなトークが想定されるでしょう。

営業「テレワークなどはありますか?」
主人「いいえ、うちの会社はテレワークは全くないんですけども、働き方改革の影響もあって自宅に仕事を持ち帰るケースは増えてきましたね」
営業「そう考えると完全独立のテレワークではもったいないかもしれませんよね。でも、書斎コーナーはこの機会に検討された方が良いと私は思います」

 

つまり、旧来型の書斎コーナーだけがある展示場で接客する場合でも、お客さんの現状をしっかりとヒアリングして、それに対応するような営業トークを切り出して欲しいのです。

書斎も書斎コーナーもない展示場に勤務していてる場合

全ての住宅展示場が、書斎や書斎コーナーを設計しているわけではありません。

当然ですがこの手のスペースを全く設定していない住宅展示場も数多くあります。

そんな展示場に勤務してる営業の方に注意点をアドバイスしたいのですが、自社展示場にこれらのものがないと、お客さんに対してテレワークのニーズがあるかどうかを聞くのをついつい忘れてしまうのです。

皆さんも自分の接客を振り返ってみてください。

お客さんからテレワークの話が出ればもちろん話を広げるわけですが、 相手から話が出なければ、営業からテレワークの話を微塵も振らないというケースがかなり多いと私は感じています。

働き方のスタイルが大きく変わっているのですから、展示場で接客をしたら「この人はテレワークをしているのかな?」という疑問を頭の中に浮かべて、ストレートに聞く習慣をつけてください。

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