コンサル先で出会った ユニークな4人の社長

24年間も住宅会社で営業コンサルタントをやっていると、行く先々でユニークな社長にもたくさんお会いします。

その出身も色々で、船乗り、自衛官、学校の教師、和菓子屋、ホストなどの社長もいらっしゃいましたね。

出身もバラバラなら性格もいろいろです。

基本的にはごく普通の方が多いのですが、突き抜けたような豪快な性格を持つ方もいれば、とにかく女性が大好きな社長も結構いらっしゃいました。

今日のコラムは、住宅営業の現場から少し離れて、私が出会った住宅会社社長のご紹介です。

ナンバーワンホストの経験もある社長

長身でイケメンのH社長。

私が初めて出会ったのはH社長が20代の頃でしたが、その頃の肩書きは営業部長で、今は社長となっています。

ホスト経験者と聞いてしまうと、軟派な雰囲気を想像されるかもしれませんが、豪快な性格で曲がったことが大嫌いという一直線の社長です。

ホストと書きましたが、実は学生時代のバイトとしてホストを経験していました。

大学時代は体育会一筋。

ある競技で日本一まで取ったスポーツマンで、4年生で引退したのちに卒業までの期間ホストをやったとのこと。

ホスト時代に経験したヤバい経験などもいろいろ聞きましたが、住宅会社の社長に着いてからは、ビジネスに傾注して会社を大きくしました。

今は関わっていませんが、ホームページをたまに覗くと、しっかりと地に足をつけて仕事をしていることがよく伝わってきます。

この社長の特徴は、とにかくつまらない仕事をしたくないをポリシーにしており、建物も極めて特徴がありました。

極端に奇をてらった建物ではありませんが、三階建ての屋上に必ずルーフバルコニーを作り、そこでの生活を楽しむようなコンセプトに特化して商品開発をしていました。

その当時は、それがかなり受け入れられ、土地を購入して分譲地を開発すると、あっという間に売れていったのです。

普通の社長であれば、建物コンセプトを極端に絞り込むことに慎重になるものですが、豪快なこの社長は「これだ!」と決めたら一直線に走る人だったのです。

「これで遊んできてくれないか」

こう公言してはばからない、これまた豪快な社長がいました。

一番印象に残っているのは、研修が終わった後、私の手に30万円を握らせて「これで若い営業マン連れて遊びに行ってくれないかい」 と言われたことです。

すごい話だと思いませんか(笑)

営業が6人いたので、私を入れると7人です。

一人当たり5万円弱ですので、高級焼肉店でガンガン食べた後にキャバクラに行って夜中まで遊びました。

しかし、社長は私に裏でしっかりと指示を出していました。

社長「この金であいつらと遊びに行って欲しいんだけど、森先生にちょっとお願いがあるのよ」
森 「こんな大金一晩で使っていいのですか? で、私へのお願いとは何でしょうか?」
社長「うちの若い営業がキャバクラの女の子達と何を話しているか聞いてほしいのよ。女の子たちを惹きつけるようなトークができるぐらいじゃないとな(笑)」

なかなか面白いでしょう。

もちろん行きましたよ。

まずは高級焼肉店で、高そうな肉を軒並み頼んでみんなで食べまくり、その後は若い営業に任せて、彼らご推薦のキャバクラに足を運びました。

客があまりいなかったこともあり、我々よりも多くの女の子たちがぎっしりと席を埋めて接客を始めたのですが、私は任務を背負っておりますので、お酒を飲んで女の子としゃべりながらも、耳を様々な方向へ向けながら「〇〇君はなんか必死になって女の子口説いてんな」「あいつはつまんなそうな話をしているし」などと気持ちは完全にそっちを向いていたのです。

翌日の午前中は研修だったのですが、終わった後に社長と昼飯を食べながらその報告をしました。

食事をしながら私は報告したわけですが、なんと社長はメモを取り出して私の報告を事細かに書留め始めたのです。

住宅営業のスキルとして、奥さんの心をしっかりつかむことはとても大事なこと。

キャバクラの女の子とわいわい話す事と、お客さんである奥さんとは全く対象が違いますが、この社長は「キャバクラの女の子の心を掴めない奴が奥さんの心を捉まえられるわけないだろうか」が口癖でした。

「うちの会社どう思う? 本音で言って」

商談,話す

こんな事を私に聞いてきた社長がいました。

うちの会社のことをどう思う?これ自体は別に不思議でも何でもありません。

社外のコンサルタントである私に自社がどう見えるか、と聞くのはある意味当然のことですが、この後こんな会話になったのです。

社長「うちの会社どう思う? 本音で言って」
私 「そうですね・・・正直言って・・・ちょっと異様な感じがしますけど・・・」
社長「うーん・・・やっぱりそうだよね(笑)」

何が異様なのかは口が裂けても言えませんが、驚くべきことに、この会社は上場企業です。

もどかしいのですが、ここでの会話を書いてしまったら大問題になりますからね。

ただし、このことは住宅のクオリティには何の関係もありません。

住宅とは全く関係ない部分で、ユニークな社風があるとお考えください。

どうしても営業歩合をつけたくない社長

こういう社長はたまにいると思うのですが、営業マンが住宅を販売する際に、一般的には付与する歩合給を頑なに拒否する社長がいました。

話の筋は通っています。

ニンジンをぶら下げれば馬が走るわけですが、住宅営業のみならず不動産営業一般において、高額な歩合給はごく普通のことでしょう。

しかし、この社長は高額な歩合給をつけると、営業マンがそれだけを目当てにして、粗い仕事をすることを非常に恐れていたのです。

それならば、高額でなく気持ち程度の歩合給を付ければいいような気もするのですが、それすらも一切拒否する方針を貫いていました。

実はその昔は歩合給をつけていたらしいのですが、営業が粗くなり、社内の雰囲気も殺伐としたらしく、そこから大英断ですべての歩合給を廃止する代わりに基本的なベースをあげたのです。

ただし、営業成績のいい営業マンには、ボーナスである程度その分をみることはしっかりと行っていました。

しかし、私たちの常識としては、住宅を一軒契約するとそれに対する高額な歩合給が翌月には手に入る、との認識が身についているでしょう。

私も営業当時のモチベーションは、やはり高額な歩合給でした。

歩合給を経験しなければそれなりに満足したのでしょうが、一度でもあれをもらってしまうと、なかなか意識転換を図れないのが現実でしょう。

まとめ

私がこれまでに出会ったユニークな社長を四人ご紹介しました。

永らくコンサルティングをやっていると、いろんな人がいますね。

誰もが知る全国区の有名賃貸アパートチェーンの社長の弟さんが社長を務める会社にも行った事がありますが、この方もとにかく話が面白く、いちいち笑いを取らないと気が済まないような性格でした。

今回は住宅営業とは全く関係ない話でしたが、まだまだ楽しい社長をたくさん知っていますので、機会がありましたらこのコラムでご紹介します。

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