テレビCMで認知度が一気に高まったシャワーヘッドをみなさんもご存じだと思います。
「ミラブル」が商品名になりますが、モデルの女性が石鹸などを使わずに顔や腕にシャワーをかけると、汚れが簡単に落ちていくなかなか優れもののシャワーヘッドです。
この商品そのものではないのですが、同じ仕組みを取り入れた商品を住宅に取り込む会社が現れています。
中には標準装備で搭載する住宅会社もあるほどですが、住宅業界全体に水をテーマとした家づくりに着目し始めている傾向があることについて今回のコラムは光を当てます。
住宅業界は常に新しいネタとテーマを探しているのですが、 少し前までは室内の空気環境を綺麗にしよう、がテーマになり話題の中心だったと思います。
今度は人間が生きる上で必要不可欠な水に住宅業界は目をつけたのです。
ミラブルとはそもそも何?
ミラブルをまったくご存知のない方へ簡単にご説明いたしましょう。
※ミラブル公式サイトより転載
この写真はミラブル公式サイトから転載させていただいたものですが、同じようなものを扱う会社が複数あることをご存知でしたでしょうか。
写真のCMが地上波でガンガン放映されているので、この商品が一般的には認識されていますが、実は複数社が似た構造の商品を扱っており、その性能もかなり違うのが実情です。
そうした会社の中の一社で、商品を取り仕切る責任者の方を私は知っていますが、直接話を聞くと「会社によって全然違うものだな~」と驚きました。
各社とも一長一短がありますのでどちらがいいと私からは言えませんが一例をあげてみましょう。
何も手を加えて無い水道水が本管から流れてくるのですが、それをこのコネクターに接続して水を通し、反対側から噴射させる構造になります。
ところが、入り口から入る水を100%特殊な泡に変えて反対側からたすのかと思いきや、そうなっていない会社の商品もあるようです。
詳細を書いてしまうと誹謗中傷になりかねないので控えますが、とにかく会社によって性能がかなり違うということだけ覚えておいてください。
シャワーだけではなくトイレもキッチンも全部変える
CMだけを見ると、シャワーを使う時だけこの特殊な泡の恩恵を受けられるイメージを持ちますが、住宅業界で密かに進行しているのは、水が家に入る前段階に特殊なコネクターを取り付け、家で使う水をすべてをこのような特殊な処理をして使うことです。
※クレバリーホームHPより転載
クレバリーホームも採用
写真をご覧ください。
住宅フランチャイズ大手であるクレバリーホームのホームページから転載しました。
ウルトラファインバブル発生装置「Be Life」が給水管と家の中に引きこまれる水道管の間に挟み込まれ、室内に入る水のすべてをウルトラファインバブルに変換します。
「これはオプションでしょ?」
ほとんどの方がこのような疑問を持つと思いますが、実はこの機械は標準採用となっています。
取締役の方から直接伺ったのですが、私も最初は「これはオプションですよね?」と聞いたほどです。
正直驚きました。
しかし、この動きを見ればわかるように、一戸建てを販売する時のキーポイントとして【水】に重点を置いていることは明らかでしょう。
全国に加盟店を張り巡らしている住宅FCが本腰を入れて水を前面に押し出しているのです。
住宅FCの中でも非常に知名度も高く、お客様満足度調査でも必ず上位にランクインする住宅FCが採用しているのです。
当然ですが競合他社もこの動きは見ていますし、既に大手ハウスメーカーでも採用の動きが広がっているのが実態です。
ウルトラファインブームが発生する
これは私の予測に過ぎませんが、身の回りで起きていることや様々な情報を組み合わせて考えると、ウルトラファインブームがやってくることはほぼ間違いないと考えています。
本来は人が住む住宅にブームや流行りなどがあってはいけないと思いますが、現実には洋服や車のように流行り廃りがあります。
① 耐震性
② 綺麗な空気
③ 湿気対策
④ 断熱性
⑤ テレワーク対応間取り
細かく挙げればキリはありませんが、①から⑤に関してもその時々によって流行り廃りがあります。
①の耐震性に関しては「耐震性に流行りはないだろ?」との声が聞こえそうな気がしますが、このような普遍的な問題に関しても、やはり注目されるときもあれば注目度が低下するときもあります。
阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震の直前と直後では、新築希望者の耐震性に対する注目度は大きく異なりました。
このように一見普遍的と思われる問題に関しても、その裏には社会的な事故や事件がその注目度に大きく関係するのです。
健康は大テーマの一つ
室内の空気環境と耐震性を比べれば、一義的には耐震性が重要なのは言うまでもありません。
大地震が起これば即命を落とすことになるからです。
しかし、長期的な視点に立てば、健康住宅とそうではない住宅では大きな差が出ることも私がご説明するまでもありません。
木造特有の冬の寒さによるヒートショックを撲滅するために、魔法瓶のように家を密閉したり、断熱性を高めるなどの技術が競い合われてきましたが、密閉することによる弊害もまたあるので、今度はそれに対してさまざまな方策が打たれてきました。
温度湿度も含めて室内の空気環境をいかによくするかが、大手ハウスメーカーを中心に研究されてきたのです。
無添加住宅なる言葉も耳にしたことがあるでしょうし、現在快調に受注実績を伸ばす一条工務店の高い性能数値はその代表格でしょう。
ひっくるめれば「健康住宅」となるわけですが、空気と並んで人間に必要不可欠な水については、これまで全くノーマークでした。
その分野に切り込んだのがファインバブルなのです。
テレビコマーシャルの影響で、その認知度はかなり高い商品となっている現状を認識して下さい。
シャワー式トイレが営業トークの急所
ウルトラファインバブルのメインターゲットは女性です。
テレビコマーシャルを見れば明らかですが、女性に対してこの商品を強く売り込んでいます。
お客さんに対して営業担当者が繰り出すトークも、おそらくは女性に対して向けられるはずですが、私があえて強く推したいのがシャワー式トイレです。
新築時にシャワー式トイレを入れない家庭はまずないといっていいのですが、粘膜に直接触れるシャワー式トイレを毎日使い続けていると問題があるのではないか、と警鐘を鳴らす人も一部にいるようです。
私は専門家ではないのでわかりませんが、たとえ知識がなくてもこのような話を聞けば「言われてみればそうかもしれない・・・」と誰しもが思うのではないでしょうか。
このように考えると、トイレで使う水もウルトラファインバブルにすることが健康を保つ上で大きなメリットになるのではないかと推測されます。
私が営業であれば、お客さんに対してこのことを強くアピールするでしょうね。
もちろん自社にウルトラファインバブルが標準装備されていればの話になりますので、現状ではほとんどの工務店の皆さんは使えない営業トークになります。
しかし、今年はこの流れが加速すると思っているので、工務店の皆さんがお客さんとの折衝中に「ウルトラファインバブルってご存知ですか?」といきなり質問を浴びせかけられる可能性があるわけです。
この時に右往左往しているようでは話になりませんので、涼しい顔で答えられるように、カウンタートークとそれを細く説明する資料を徹底的に調べて準備をしておきましょう。
まとめ
コラムの締めはウルトラファインバブルを標準装備する会社へのカウンタートークを勧めるような形になってしまいましたが、あなたの会社がこれを導入していなければとの話です。
世の中の流れはこちらへ駒を進めていると認識してください。
すぐに対応できないのは重々分っていますが、一気に標準化に動く可能性が充分に考えられるので、頭の片隅に常においておくべき事項だと思います。
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