「住宅展示場ってどんな仕組みになっているのかな?」地場工務店の皆さんが知りたいことをお話ししましょう

「大手のハウスメーカーや地元のビルダーは資金力があるから展示場なんか作って集客できるからいいよな」

小規模工務店の経営者や営業マンの皆さんの本音ではないですか?

たしかにあんな集客マシーンを堂々と建て、お金をかけてチラシを打ちまくればお客さんも来るわけです。

もちろん資本力では勝てませんし、従業員5人の工務店が住宅展示場を建てるのはリスクが高すぎます。

しかし、住宅展示場の仕組みや営業手法をある程度頭に入れれば、決して皆さんでもまねすることは難しくはありません。

そのためにも、彼らがどういった営業手法を取っているのかを知ることが大事になるわけです。

総合住宅展示場にはすぐに建てない人もたくさんやってくる

最初に急所ともいえるキーポイントをお話ししましょう

地元工務店事務所のドアを突然ノックして「家を建てることを検討しているのですが」と言いながらお客さんが訪ねてくることはありますか?

そんなことは普通考えられないでしょう。

しかし、インターネットの発達によって、ホームページやSNSで情報発信をできる時代になり、昔ほどの情報格差はなくなったのでホームページを見ての問い合わせは増えたはずです。

そうは言っても住宅展示場のハードルが低いのは事実。

すぐに建築したい人はもちろんですが、まだまだ先の人やそれこそ遊びに来ただけの人もたくさんいるのです。

ポイントは【遊びに来た人】と【まだまだ先の人】の存在。

まだまだ先の話という人のうち、1年後に調査をしたときすでに契約している人は何%程度いると思いますか?

もちろん地域によって相違はあるでしょうが、ざっくり言って20%程度は契約しているのです。

これが急所の一つですがお判りになりましたか?

つまり、ハウスメーカーなどが運営する住宅展示場には、見学当初は建築時期が未定だったもの、営業マンと接点ができたことにより話が具体化して契約に至るケースが発生するのです。

地場工務店にはこういう人はあまりこない

まだまだ先と言いながら工務店と接点を持つ人もいるでしょう。

しかし、その数は彼らと比較にならないのです。

これが総合住宅展示場の大きな魅力の一つ。

ハードルが低い分だけこのような現象が起きます。

地場工務店にこんな感じの人はあまり来ないでしょう。

問い合わせがあった人は遅かれ少なかれすぐにやるかせいぜい1年くらい先の人が圧倒的に多いのです。

「全く予定なし」の人と私は契約したことすらあります

私の経験談をお話ししましょう。

簡単な会話形式にしますので読んでみてください。

私「アンケートにご記入をお願いします」
客「アンケートですか・・・いや・・・全く予定がないのですが」
私「わかりました、では、予定なしに〇印を書いてください」

こんな経緯で展示場を案内し始めました。

20代中半の若い夫婦でしたから、家のことなど頭にないのも理解できましたので、私も楽しく気楽に接客をした記憶があります。

そんな私の様子を見て相手も安心したのでしょう。

単なる物見遊山的な雰囲気で「いいですね~」「わぁー素敵なキッチン!」と話しながら見学は進行していきました。

ところが、1階2階とすべて見学をし終えてもう帰ろうかというとき、私は何の気なしにこう言ったのです。

資金計画を実行したことで空気は一変

「せっかくですので将来のために資金計画をしてみませんか?」

最初は少し悩んでいましたが、すぐの建築意思がないことを私が理解していることをわかっていることもあり、心理的なハードルが下がったのでしょう。

私「簡単にできますので将来の参考に」
客「そうですね。全く考えたこともないので」

その当時は電卓を叩きながら手書きで書いていくスタイルだったのですが、結果を出したところでご主人の反応が変わりました。

「毎月5万円でいけるのですか?」

今の家賃やらが頭の中で駆け廻ったのでしょう。

親の土地がすでにあったことも大きいと思います。

上物だけで済むので資金計画の結果、毎月の支払いも大した金額にはなりません。

これがきっかけとなってプラン提出をし、あっけないほど簡単に契約が決まりました。

展示場マジック➡やる気がなかったのにその気になる

展示場マジック。

こうとしか言いようがありません。

来場したときは間違いなく建築予定などは微塵もなし。

ところが、目前で素晴らしい住宅を見せられれば、誰だって家が欲しくなるのは当然の帰結。

気分が盛り上がったところで資金計画をしたところ、まさかの家賃以下の返済金額となれば、だれでも「ちょっと待てよ・・・」となるでしょう。

この現象が展示場では起こるわけです。

この事例のように契約までそのまま行くのは稀だと思っていますが、来場時は全くやる気のなかった人が前向きになり、その1年後に契約する事例はもっと増えてくるのです。

こうしてみていくと、地場の工務店にはこの客層はほぼつかめないことがわかります。

だからといって展示場をすぐに建設するわけにはいかないので、これと同じような効果を狙う自社イベント実施がポイントとなります。

よくあるのが餅つき大会やら夏休みの夏祭りのようなイベント。

本来はこの手のものを作りこんで行うわけですが、私が小規模工務店の社長であれば、自社のYOUTUBEチャンネルを開設して細かく動画を上げていきます。

ここでじわじわと視聴者を増やしていけば、経費はほぼ掛からずに潜在顧客をつかむことができます。

小規模工務店はもちろんですが、地域の有力工務店であっても実行すべきことだと私は強く思っています。

総合住宅展示場で行うイベントの狙いはどこにある?

戦隊物やアニメキャラの人寄せなんて意味があるのか?

効果があるからやるのです。

もちろん外れる時もあれば、費用対効果が低かったりする事例も多いのは事実。

しかし、分母が多ければ分子も増えるという、ごく一般的な計算が成り立つから面白いのです。

もちろん来場者に対する熱意を持っているお客さんの比率は下がります。

アンパンマンショーを見に来たついでに涼みに来ただけの人も来場しますから。

でも、分母が増えればその比率など関係ありません。

重要なのは分子の絶対数。

この数字が増えれば契約できる可能性もその分に応じて高まっていきます。

5月9日に福岡県で開催されたイベントはどうだったのか?

最後に近畿圏で5月9日に行われた総合展示場イベントのお話をしましょう。

このイベントには私も立ち会ったので正真正銘のリアル生報告です。

わかりやすくするために数字を示しながら話を進めましょう。

この総合住宅展示場に入っているA社の1か月あたりの土日祝日限定の来場数は平均的に60組あります。

単純に計算すると1日当たり7組程度ですが、5月9日はなんと20組が来場して現場はてんてこ舞いに。

そしてこの20組のうち6組がそれなりに住宅考えているお客さんだったのです。

普段の平均は7組ですが、7組来場しても良さげなのは2組~4組くらいが平均値です。

こう考えるとこの数字がいかに大きいものかがわかります。

ただし、イベント費用や普段の展示場出展料は掛かっていますので、それらを計算したうえで総合評価をしなくてはいけません。

でも、ひとまずこの数字は魅力的ではありませんか?

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