営業センスの高いG君はなぜ会社を辞めることになったのか?

若干話をぼかします。

ある住宅会社に勤めていた営業マンのG君の話をさせてもらいます。

G君の営業センスは私から見てもかなり高く、新卒で入社してきた時からすでにセンスそのものをしっかり持っているな、というのが私の見立てでした。

そして、スーパー営業とまではいきませんでしたが、会社の損益分岐点は、楽にクリアする営業マンに成長したのです。

そんなG君を私は新卒から知っておりましたので、数年間に渡って、彼の営業を間近で観察してきたのです。

ところがつい最近のこと、彼はその会社を退社。

何か悪いことをしたわけではありません。

営業の受注が極端に落ち込んだというわけでもありません。

しかし、結果的に退社する事になってしまいました。

今回のコラムでは、なぜ彼がこういうことになってしまったのか、そして、これを読んでる皆さんにの会社ではG君のような社員が出ないようにしてほしいと心の底から願っています。

初対面は3年前の5月末

G君と初めて会ったのは、3年前の5月の末でした。

大学を出て新卒入社で入ったのですが、4月5月は会社の研修で営業部門以外のところを彼はまわっていました。

その後、5月末に営業部門に配属され私と初めて会ったのです。

強い印象は特になかったのですが、生真面目な感じで声も若干小さめ。

でも、身なりやパチっとしていて、一見して好青年風。

そんなG君とは毎月行う定例ミーティングで必ず会い、実際に絡んだお客さんの進捗状況など、私が面談していました。

実際の営業現場では店長がいますので、その店長が細かく面談をしたり、同行訪問などの面倒を見ていました。

9月には初契約

初契約もその年の9月の末に取り、2件目の契約も1ヶ月空けて11月の中旬に取りました。

一般的に考えても、一年生としてはそんなに悪い契約のサイクルではありません。

私の頭の中では「まあまあいけるんじゃないか?」くらいの感覚で見ていました。

信じられないことが11月に発生

11月に2件目の契約を取ったG君ですが、問題はその2件目のお客さんで発生しました。

発生したといっても、お客さんが何かに対して激怒したとか、誰から見ても明らかなようなトラブルが発生したわけではありません。

打合せに何の連絡もなく遅れたG君

このお客さんとの2回目の打ち合わせのことだったのですが、この日は彼と設計士が立ち会う打合せでした。

もちろん私はそこに立ち会うわけではなくて、この話は後日聞いたのですが。

常識から考えるとありえないようなことが起こったのです。

打ち合わせの場所は会社の本社、そして約束時間は午後の2時でした。

担当の設計士は15分前までにはすでに到着してスタンバイ。

そして5分前にはお客さんのご夫婦も到着しました。

あとは営業担当のG君を待つだけです。

30分の遅れで平然と到着したG君

ところが2時10分になっても、15分になっても彼はやってきません。

もちろん、設計士が彼の携帯電話に電話をします。

ところが、なぜか呼び出し音が鳴るだけで繋がらない。

留守電もあったので、留守電に2回ほど吹き込んだらしいのですが返信はなし。

何の返答もないまま30分が経過したらしいのですが、結局G君は30分遅れの2時半に本社に戻ってきました。

設計士はG君よりもずっと先輩でしたので。

2時半に遅れて来た彼に対し。

「どうしたんだよ?携帯電話に2回も電話したけど、留守電入れたけど聞いた?」と当然のように質問。

何の罪悪感も感じていないG君

これに対するG君の返事は「留守電は聞きましたよ」これで終わりです。

「留守電は聞いたんですけど〇〇な事情があってすぐ電話できなかったんですよ。本当に申し訳ございません!」と言うような返事をするのが普通でしょう。

ところがG君は、何事もなかったように「留守電を聞きましたけどね」と返事をするだけです。

また遅れて入ってきた時に一言だけ「遅れました」と小さな声で言うだけで終わり、そのまま打ち合わせに入って行ったそうです。

話を後日私は聞いたのですが、かなり驚きました。

社長にも話したのですが「そんなそんな馬鹿なことってある?Gは何かネジが1本飛んでるんじゃないか?」と社長もあきれ顔。

彼の上司にあたる人間にも色々聞いたのですが、驚いたことに似たような話が度々現場で起こっていたそうです。

今となっては、という話にはなりますが、お客さんとのトラブルがたった3年の間に頻発したG君には、そもそも常識というものが、大きく欠落していたといわざるを得なかったわけです。

G君はよくメモを取ったのですが・・・

皆さんの会社にもこういう人はいませんかね?

お客さんとの打ち合わせでも構いませんし、社内の営業会議でも構いません。

とにかく熱心にG君はメモを取るのです。

実にマメにメモを取り、お客さんの話す一言一句を逃さまいと、しっかり記録を取っていたとのこと。

それなのに、お客さんへの連絡をしない、設計に要望を伝えなかったり、といった社内の伝達ミスが毎回のように発生していたのです。

結論としてこういうこと。

メモはよくとるのですが、メモを取って終わりということです。

こういうパターンの人はたまにいますよね。

G君がまさにその人でした。

契約済み客に対する絶望的な対応の遅さ

さらにG君には致命的な欠陥がありました。

契約前の行動というのは素晴らしく早かったのですが、契約後の行動が今度はその反動で、ものすごくルーズになっていたのです。

例えばこういう感じです。

契約前の段階でお客さんから「こんなことを調べてくれますか?」と質問。

この場合、間違いなく彼は翌日には調べて電話、メール、もしくは手紙という方法で対応していました。

これに関しては直属の上長からも話を聞いたのですが「彼のこのあたりのスピードというのは、たいしたものだし、見ていて安心感があった。新卒のときからこうだったので、よくできたものだなとぐらいに思っていました。」

直属の上司はこう話していたのです。

ところが前述したように、G君の問題点は契約後の恐ろしいほどの行動の遅さにあったのです。

お客さんから会社に入ったクレームの話を聞きました。

契約後なのですが、彼がお客さんからあることを頼まれたそうです。

そしてそれに対する彼の返事は「明日ぐらいまでにはお知らせしますね」だったとのこと。

10日間平気で放置する図太い神経

ところが、この返事を10日間経ってもお客さんにはしなかったそうです。

しびれを切らせたお客さんは彼にメールをしました。

そして電話を入れました。

ところが、電話には全くでなかったそうです。

しかも留守電にもコメント入れているのですが、彼からお客さんへの返信もなし。

もちろんメールに対する応答もしていません。

こんな調子で10日も経てば、さすがに温厚なお客さんも怒って会社に電話を入れるわけです。

そのクレームの電話を受けた店長がG君に対して事の顛末を問いただしました。

G君は岩のごとく微動たりせず

これに対する彼の対応が異常。

店長が注意したわけですがこれに対して「あー、そうですね・・・また連絡しておきます。」で終わり。

これはおかしいと思った店長が彼の様子を見ていて、翌日にまた連絡をしたかどうかを問いただしたのですが、添えでもG君は「あっ、まだしてません・・・後からします」と再び全く悪びれない様子だったのです。

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