ライバルから学ぶ一括査定対応策②【机上査定・訪問査定編】

マンションリサーチ株式会社 利根川です。

ライバルから学ぶ一括査定対応策①では初期対応で効果的な戦術を紹介しながら解説していきました。

この記事では、一括査定から反響が入って一連の対応の中でも差が出やすいと言われている、初期対応・机上査定・訪問査定の3つ中から『机上査定・訪問査定』をピックアップして解説していきます。

机上査定・訪問査定は売主心理から考える

売主心理から査定書項目を考える

 

一括査定,対策

こちらは査定時の売主心理のマインドマップです。

丸で囲まれたピンク部分「売出し・提案金額・会社・ブランド力・担当者」が売主がひとまず回答を求めている箇所になります。

・結局いくらなの?
・どんな会社?
・どんな担当者なの?

といったところが重視されます。

その後、どういう根拠でこの金額なのかといった思考へと進み、ここから担当者の提案力が試されることになります。

この時の売主の気持ちとしては

・この会社は買主に対してどうやってアプローチしてくれるのか?
・この会社ならではの強みは何だろう?
・この付加価値があるから他社より高い値段で売れる可能性があるのでは?
といったものが挙げられます。

今使っている査定書はこれらの売主の気持ちに応えられているでしょうか。

具体的な査定書項目

みなさん、他社の査定書はご覧いただいたことはありますか?
大手の査定書は40~50ページ程の厚みがあるので、そのボリュームを目指しましょうとよく言われていたります。
その理由としては渡した時、届いた時に重みとして誠意が伝わる点が挙げられます。
ただ、その一方で見られている箇所は決まっていたりもします。
そのため無理な査定書のページ稼ぎでは意味がありません。
では、具体的にどのような項目が必要なのか項目ごとに意識する点も含めて挙げていきまたいと思います。
1.物件概要

2.担当者プロフィール
しっかり充実させ依頼者にファンになってもらえれば勝ち、出身地や趣味、略歴、などを記載。人は自分の弱みを見せる人を好きになる傾向があるのでその点も意識。

3.会社プロフィール
端的に1ページほどで作成する。ページ構成的には会社の要約を前半に、次に査定物件の詳細、後半に改めて会社の具体的な取り組みや強みを書くときれいな流れになります。

4.売出事例

5.成約事例 ※成約価格と販売日数の関係

4と5はマップから取引事例を紹介すると視覚的に分かりやすくなります。売出しから成約までの期間を入れると尚良いです。

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6.価格総論
売出価格、市場価格、チャレンジ価格の3つを伝えます。

年代・家族構成・世帯年収・勤務地イメージなど、ターゲットとなる買主のイメージもしっかりと伝えていきましょう。

査定訪問時のパフォーマンスとして、売出価格はあえて空白にしておき、物件をしっかりと見た上で最終的に価格をペンで記入する方法も有効です。

また、郵送で査定書を送った際は、「不動産の長所を価格に反映させたい方」「不安疑問を解消したい方」など訪問査定に誘導する一文を必ず入れるようにしましょう。

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7.販売活動に関して

 ※例:各ポータル掲載、HP公開、店頭パネル、ポスティング、新聞折り込み、レインズなど

売主側はレインズすら知らない方が大半のため、各媒体ごとに得られる反響の傾向をまとめてあげると丁寧です。また、買仲介に力を入れている会社で持ち客の独自ルートがあれば書いてアピールしていきましょう。

8.査定エリアのマーケット状況
これは交渉がスムーズになる項目のため、購入者の多い少ない、供給物件が多いのか少ないのかを一目でわかるマーケットの分類表をまとめると理解、納得してもらいやすくなります。

客観的なニーズと本人のズレ(無理な要望)を補正できるのはもちろん、投資物件にも融資の通りやすさと利回りなどに置き換えて同じように使うことができます。

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9.その他売却サポート提案

 ※例:リフォームプラン、ホームステージング、インスペクション、クリーニング、残置物処理など

重要です!高値売却に向けた会社の差別化を存分にPRでき、テンプレート化しやすくボリュームアップもしやすい項目となります。

10.周辺情報・統計・土地調査レポート
簡単にボリュームを出せますが、記載する会社が多いので被ることも多い項目です。

11.分譲時パンフからの間取り等
取得費用がかかるため、案件によっては記載するのも有効です。

12.居住中売却においての注意点
この項目はテンプレ化しておきましょう。

査定書に限らず、訪問面談時、特に奥様が同席の場合などに注意点を話しておくと喜ばれます。

例えば、内覧日はあらかじめカーテンを開けておき部屋を明るくしておく、水回りを綺麗に見せるといった一般的な内容から、「実は買主は物件に入って5秒で印象が決まります、なので玄関にディフューザーを置いておき入った瞬間の印象を良くしましょう」など助言することもできるので、物件をよく見せるポイントを事前にまとめておくと良いでしょう。

13.お客様の声や実績

14.媒介の種類の説明

15.売却までの流れ・売却時諸費用の案内・必要書類の案内

16.融資アレンジ・税務サポート

17.住替え検討者向けのご案内

13~17は大手の場合は手厚い別紙資料があります。ここで中小企業が信用力で負けてしまうのは非常に勿体無いのでしっかりと記載しましょう。

上記で述べた査定書項目をマインドマップに紐づけて見てみると・・・

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広くカバーできていることがわかりますね。これを基に自社がどこで勝負するのか今一度じっくり考えてみてください。

テンプレート化しておけば使いまわせる項目も多いですし、フォーマットがあれば新たに入ってくる社員の教育もスムーズになりますのでぜひ活用していただければと思います。

買仲介の現場で物件が大幅に高く売れることはありません。ですが売主は理解しつつもどこかで相場よりもっと高値で売ってくれる営業マンが現れるのではと期待を抱いてしまっています。

そのため不動産会社数社と会って査定をしてもらい、結局また同じ会社に戻ってくる売主も多いのが現状です。

売主としても時間ばかりかかってしまうため「どこで売主に夢を見せられるか」また、「今ここで決断することが売主にとって最善だ」と分かってもらうことが重要になります。

訪問査定で受託率が増えるテクニック

ここで訪問査定時に使える有効なテクニックを一つご紹介したいと思います。

よく上司と部下の二人で訪問する会社は非常に多いと思います。

2人で出向く点は変わりませんが、1人は営業担当として不動産をフルカバー、もう1人はPR担当として買主に響くワードを考えるなどポジションを棲み分けたところ、受託率が激増したという会社がありました。

役割を分けて売主に伝えることで、売主も売却に向けて同じチームで話を進めているという意識が高まり、グリップ力が格段に増し、付加価値を感じてもらいやすくなったと言えます。

中小不動産会社だからできるブランディング

中小企業にできて大手企業にできないことはなんだろうと考えていきましょう。

まずは大手に比べ中小は施策の仮説、検証のスピードが早いです。

また、中小ならば名物社長だったり担当者ベースで個人発信しやすく、実践できることが大手に比べ多い点などが挙げられます。

この半年間コロナの影響で不動産業界も激動の年となりました。この変わりゆく環境の中でピンチをチャンスに変えるために、今後大切な対策を4つお伝えしていきます。

✅オンライン面談の対策は万全である
✅お客様に向けたLPを作っている
✅MEO対策に力を入れている
✅動画配信に力を入れている

オンライン面談の対策は万全である

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オンライン面談を行なっている会社はかなり増えましたが、まだ今だに手探りな状態と言えます。
オンライン面談する上でのポイントは2つあり、空気で語りづらいため、機械的であったとしてもあらかじめスライドを作っておいて、基本的な話の流れを組み立ててしまった方が商談がスムーズで受け手の安心感も違います。
もう一つは、弊社はオンライン面談をやってます!と積極的にPRすることです、遠方の方にもアプローチできますし、お客さんに言われて対応するのではなく、こちら側からどんどん発信していく姿勢が大事です。

お客様に向けたLPを作っている

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LPとはランディングページの略です。

お問い合わせや面談など誘導する先のゴールを明確にして、その獲得に特化した縦長の細長いページのことを差します。

ジムやダイエットサプリなどのLPは目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし意外と不動産会社で導入しているところはまだまだ少ない状況です。売却に力を入れている会社ならば売却専用のLPを作って魅力を最大に伝えることができますし、追客でもメールを送る際にLPのURLを付けておけば会社の理解をより深めてもらうことができます。

LPのページ作成はマンションリサーチもサポートしていますので、興味のある方はぜひご相談ください。

MEO対策に力を入れている

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MEOとはGoogleマップ向けの地図検索エンジンです。こちらで最適化を図って会社を優先的に取り上げてもらおうという狙いです。

SEOやIT系の会社では言っていたことですが、今Googleマップの口コミが劇的に増えています。ここで評価があまりにも低いとかっこ悪いので、契約時や契約後に社員全員で口コミを取っていくというスタンスをとるのがおすすめです。

動画配信に力を入れている

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マンションリサーチとしても気軽に配信していけるように意識していることのひとつです。

ポイントとしては、内容であったり面白さ、コンテンツよりも本人の人柄が伝わることが重要です。

一括査定の媒介率が高い会社さんではすでに担当者の挨拶動画などをメールに添付していたりします。

また、動画配信と違いウェビナー(ウェブセミナー)などはライブ感を求めている積極的な方が多いのでマニアックな層へのアプローチができます。

自社の独自スキームがあるような投資系の会社さんなどは、全国的にPRができるので非常に効果的と言えるでしょう。

反響受信直後から最大2年間、ひたすら追客します。

繋がるまでしつこく、マルチチャネルで徹底追客

  1. 反響取得したらすぐTEL
  2. 繋がらなければSMSも送信
  3. 最大14コール(毎日2回×7日間)
  4. 120種のメールを2年間ステップ配信
  5. 最新の市況情報メルマガも月1配信
  6. メール開封状況に応じてTEL

低コスト・低リスクなアシスタントとしてご活用ください。

  • 採用・教育の手間なし
  • サボらない
  • 休まない(曜日や月末などの影響もなし)
  • いきなり辞めない

まとめ

机上査定については売主心理を理解し、売主の気持ちに応えられる査定書項目・内容を充実させ、その上で自社の強みをアピールできる査定書を作成していきましょう。

訪問査定は訪問する人間の担当を不動産担当、PR担当と棲み分けることでチーム意識を高め、売主にも付加価値を感じてもいやすくなり受託率増加に繋げることができます。

最後にお話しした中小不動産会社だからできるブランディングでは4つの対策をご紹介しましたが、実際のことろどの施策もまだやりきっている会社はとても少ないです。ですがいずれは各社対応し始めていくので、当たり前になってからではなく今から対応できることを始めていきましょう。

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