【活用できている?】国土交通省の土地総合情報システム

国土交通省がインターネット上で公開している「土地総合情報システム」の存在は、不動産業者であれば知らない方の方が少ないでしょう。
でも「活用できているか」と質問されたらいかがでしょうか?
実際に同業者の集まりで質問をしてみました。
すると、「存在は知っているけど、活用しているのかと言われると……」などと、言葉を濁す方が大半でした。
無料で利用することができる秀逸なシステムであり、またその存在を知っているのに活用できていないのは勿体ない話です。

ですが有償の査定システムを導入しているので利用する必要がない場合もあるでしょうし、また売却事例などの検索については、レインズの方が事例件数も多くあります。
そのような意味合いから利用頻度が少ないのかもしれません。
インターネットで検索をすると、システムの使用方法についての記事は数多く検索できましたが、あくまで一般向けユーザーを対象とした内容であり、不動産業者にたいして活用方法を提案している記事ではありません。

記事執筆時点である9月は、毎年、都道府県基準地価が公表され、日本各地の地方紙などでは都市部の価格変動率について風物詩のように記事を掲載しますが、私たちはプロの不動産業者です。
そのような新聞記事をみた顧客から「新聞で見たけど、ウチの近所も大分値上がりしているみたいだね」と言われて、「ええ、まあ……」と言葉を濁すようではいけません。
「ええ、○○様のお宅周辺は基準地-9付近だったと思いますが、過去3年ほど0.3%平均で基準地価も値を下げていましたが、今年は前年対比で0.8%、プラスに変動しましたね」などと言えば、顧客から尊敬の眼差しを向けられるでしょう。

このような返答も「土地総合情報システム」を活用していれば、さほど難しいものではありません。
そのような観点から、今回は「土地総合情報システム」の基本的な使用方法も含めて、不動産のプロならではの活用方法までを解説します。

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土地総合情報システムの基本的な使用方法

システムは、下記URLから利用できます。
https://www.land.mlit.go.jp/webland/

国土交通省,土地総合情報システム

出典:国土交通省不動産取引価格情報_以下コラム内の各図も同様
日頃から不動産検索システムなどを利用している皆さんなら感覚的に利用できると思いますが、ねんのため簡単に使用方法を解説しておきます。
システムで確認できるのは、公示価格と都道県地価調査(基準地価)のほか、国土交通省のアンケート回収結果による実勢価格です。
使用方法は簡単で、上記の「不動産取引価格(実勢価格)」か「地価公示_都道府県地価調査」のどちらか、検索したい情報を選択するだけです。

不動産取引価格(実勢価格)地図の活用

「不動産取引価格(実勢価格)」を選択すると下記の地図が開きます。

国土交通省,土地総合情報システム

ここから地域を選択すれば周辺地図が開きます。
例として、著者が活動拠点としている北海道札幌市を開いてみましょう。

国土交通省,土地総合情報システム左側にあるボックスで条件指定をすれば、知りたい情報に早くたどり着けますが、のんびりと地図を動かして目的地を探してもかまいません。
また宅地の検索や、土地建物・中古マンションや農地など条件を指定できます。

国土交通省,土地総合情報システム

地価公示_都道府県地価調査の活用

「地価公示_都道府県地価調査」を選択すれば下記の地図が開きます。

国土交通省,土地総合情報システム

不動産取引価格とことなり、地域指定をすると条件指定へと進みます。

国土交通省,土地総合情報システム
ここから、調査したい項目を指定すると該当する該当する基準地番号順に文字情報の並んだページへ進むことができます。

国土交通省,土地総合情報システム

基本的な情報は表示されているもので分かりますが、さらに詳細な情報を知りたい場合には、右上にある「詳細を開く」をクリックすれば確認できます。

国土交通省,土地総合情報システム
掲載情報は住所や地番も記載され、矢印の「地図で確認する」をクリックすれば、該当する地図が開きますので、場所の確認に便利です。

地図の活用方法

土地総合情報システムを使いこなすということは、地図が活用できていると言っても過言ではありません。
それだけ、この地図は秀逸に作られています。

国土交通省,土地総合情報システム表示されている地図上には●や▲など色違いの凡例マークが、数字とともに表示されています。

●印は公示価格の標準地点であることを示しており、指定すれば下記のようなボックスが開きます。詳細については、詳細表示をクリックすれば確認することができます。

国土交通省,土地総合情報システム

地図上の▲は都道府県地価調査の基準地を示しています。
公示価格と同様に、指定するとボックスが開き詳細情報などを確認することができます。

国土交通省,土地総合情報システム

また●や▲を除く任意の位置で左クリックすれば、地図上で赤く範囲指定され、その範囲内における調査期間内の取引情報件数や取引価格を確認することができます。

成約事例の情報件数はレインズに軍配があがりますが、このようなエリア範囲での成約事例はビジュアルで視認しやすく、顧客への提案資料などの作成時には大いに利用できるものです。

国土交通省,土地総合情報システム

プロとしての活用方法

ここから不動産業者ならではの活用方法を解説しますが、難しく考える必要はありません。
これまで解説したシステム使用方法を理解して応用するだけです。
基本的には、これまで解説した一定範囲内における成約事例をコピー&ペーストするだけでも査定書や提案資料もそれなりに体裁を整えることができます。
ただしそれだけでは多少、物足りませんから公的価格と実勢価格を比較して、価格変動率も勘案したうえで査定地周辺の開発状況などにより変動する動向予測なども盛り込めば、不動産のプロとして意見も盛り込んだ充実した内容になるでしょう。

検討したいのは比較対象分析や、物権変動率の推移です。
皆様ご存じのとおり公示価格や基準地価などの公的価格は土地収用、つまり国や都道府県が買い取る場合の目安となる価格ですが、実勢価格は様々な利害関係により常に変動しますから、当然として公的価格と実勢価格には隔たりが生じます。
公的価格と実勢価格の差については、一説で公的価格×1.1(もしくは1.2)が実勢相場だという意見もあれば「いやいや、公的価格は実勢価格の70~80%だ」という意見まで様々にあり、これといった決め手が存在していません。
地域格差による影響が非常に大きいからです。

そこで確認したいのが、地域ごとの公的価格の変動率です。
変動率は、正確に表現すると「地点変動率」と称します。
算出するには標準値周辺部の平均変動率として、算術平均(もしくは相加平均)や幾何平均(相乗平均)を用いて計算します。この計算方法は、統計学における標本空間の代表値の一つで、一群の数をひとつの数値で表すために用いる手法です。
計算方法を説明すると、むやみに長くなってしまいますので割愛しますが、あえて計算しなくても標準地点における変動率は、下記URLから確認することができます。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000432.html
*上記URLは令和三年地価公示に連動しています。年度ごとに異なりますのでご注意ください。

国土交通省,土地総合情報システム

PDFやエクセル表方式で、項目別に50種類以上(令和3年度は54項目)のデータ等を公開しています。
単純な変動率はもちろんのこと、商業や工業地帯の変動率のはか人口10万以上都市における住宅地の平均価格等など、興味深いデータを確認することができます。

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まとめ

世の中は便利なシステムが溢れています。
例えば査定システムなどは、求められる必要項目を指示に従って入力するだけで簡単に査定額が算出できます。
このようなシステムは原価法や取引事例比較法などを、一般公開されているデータと紐づけて算出するようにプログラムされており、そのようなシステムを利用している限りにおいては査定書を作成する際に、今回、解説している「土地総合情報システム」を利用する必要はありません。

システム提供会社により利用金額はことなりますが、たとえば公益財団法人_不動産流通推進センター:https://www.retpc.jp/chosa/satei-2/が提供している「既存住宅価格査定システム」であれば、初年度¥3,300円(税込/年)で利用でき、さらに継続利用すれば2年目以降¥2,200円(税込/年)で利用することができます。
非常にリーズナブルですが、このようなシステムで査定書などを作成すると、画一的に仕上がります。

筆者の個人的な意見で恐縮ではありますが、そのような査定書からはなんというか担当営業からの「熱意」が伝わってこないような気がしてなりません。
査定会社名が違うだけで、どれも同じような査定書です。
またシステムに依存しすぎると、原価法や取引事例比較法などの具体的な算出方法などを学ぶ機会がなくなるといった弊害もあります。
顧客から詳細な根拠の説明を求められても「システムに入力したらこの査定金額が得られたのであって……」などと口に出来るわけもありませんから、返答に困ります。

不動産のプロであれば他社とはことなる視点から、査定や提案書の作成をしたいものです。
安易なシステムを利用の前に、知識拡充も含め一つ一つの情報を収集して書類を作成していくことにより、それぞれの項目における知識が深まり、スキルが向上していくのではないでしょうか?

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