「工務店はホームページを作るべき?」「具体的にはどう集客すれば良い?」という疑問を抱いている方は多いでしょう。
結論として、集客の際は自社ホームページの制作を強くおすすめします。
ホームページがあれば競合他社との違いをアピールできますし、お客様に安心感を与えられるためです。
ホームページを作成後は、具体的な集客手段も考える必要があります。
集客方法はさまざまですが、大切なのは「リアル」と「オンライン」の組み合わせです。
今回は、集客に悩んでいる工務店経営者や営業担当の方に向けて、ホームページを作成するメリットや具体的な集客手段について解説します。
工務店にホームページが必要な3つの理由
工務店の集客にホームページが必要な理由はさまざまですが、特に重要なのは以下の3点です。
● 顧客に安心感を与えられる
● 自社の強みをアピールできる
● 集客コストを減らせる
それぞれ詳しく解説します。
顧客に安心感を与えられる
ホームページを作れば安心感を与えられます。
現在はインターネット集客が主流となり、規模の大きい企業はほとんどホームページを開設しています。
逆に言えば、ホームページのない会社は「怪しい会社なのではないか」「本当に信頼できるのか」と思われてしまうはず。
今の時代、ホームページがない = 儲かっていないと思われても無理はないのです。
特に、家を建てるには多額の資金が必要です。
お客様はより慎重に工務店を選びますし、ホームページを用意していないというだけで選択肢から外されてしまう可能性は高いでしょう。
自社の強みをアピールできる
ホームページなら、自社の強みをアピールできるのもポイントです。
多くの工務店のホームページには、実績や施工事例、自社のコンセプトなどが掲載されています。
きちんと作り込まれたホームページを見れば、どんな会社なのか、どんな強みがあるのかアピールできます。
お客様のニーズと合えば、そのままお問い合わせにつながる可能性があるでしょう。
インターネットが普及した現代、お客様はさまざまな工務店について検索できますから、他社との違いをしっかりアピールする必要があります。
集客コストを減らせる
ホームページを作れば、営業コストを削減できます。
ホームページを一度作成すれば、半永続的にネット上で集客し続けられるためです。
ホームページがあれば、インターネットから不特定多数のターゲットにリーチできるため、営業に行くための交通費や人件費などがかかりません。
上手く認知されれば、広告費をかけなくても検索からお客様が訪れるようになり、あなたの会社の存在を知ってもらうことも可能です。
確かに、ホームページ制作には費用が必要です。
しかし、運用方法次第では長期的にかなりの集客コストを削減できる可能性があります。
工務店集客には「リアル」と「オンライン」の組み合わせが最適
工務店の集客では、リアルとオンラインの組み合わせが重要です。
まずは集客方法の違いと、組み合わせる利点について見ていきましょう。
リアル集客とは
リアル集客とは、インターネットを使わない集客方法です。
オンライン集客より成果が出るのが早い反面、効率化が難しい傾向にあります。
リアル集客には、主に次のような方法があります。
● チラシ
● ポスティング
● イベント
それぞれ詳しく見ていきましょう。
チラシ
チラシは「プリントメディア」とも言われており、さまざまな方法で配布することにより問い合わせに繋げられます。
具体的には、以下のような配布方法があります。
● 折り込み広告
● 街頭やイベント会場での配布
● 各家庭に戸配
● DM等での郵送
配布方法に関しては、ターゲットによって最適な方法が異なります。
中高齢層を狙うなら新聞折り込み、若い層を狙うなら若者が集まるような場所で配布すると良いでしょう。
ポスティング
ポスティングは、各家庭のポストにチラシやハガキを配布する方法です。
ポストに投函すれば必ず見られるため、認知度を高めるのに役立ちます。
また、あまりコストがかからない割に、デザインやキャッチコピーを工夫すればしっかり目を通してもらえるのも利点です。
ただし、近年ではポスティングが禁止されている物件が増えている点に注意しましょう。
イベント
イベントを開催すれば、地域内のユーザーからの認知度を高められるだけでなく、地域に寄り添った会社だと伝えられるのも利点です。
工務店の場合、次のようなイベントが考えられます。
● 完成見学会
● モデルハウス見学会
● 家づくりに関するセミナー
家を建てたいと思っていても、工務店には相談しにくいと考えているお客様も少なくありません。
イベントなら相談のハードルが低くなり、問い合わせのきっかけを増やせます。
ただし、イベントの開催にはお金や時間がかかるため、チラシやポスティングなどでしっかり告知する必要があります。
オンライン集客とは
オンライン集客とは、インターネットを活用した集客方法です。
地域に関係なく幅広い顧客をターゲットにできる反面、成果が出るまでに時間がかかる傾向にあります。
オンライン集客には、主に次のような方法があります。
● SEO対策
● MEO対策
● Web広告
SEO対策
SEOとは「Search Engine Optimization」の略称です。
簡単に言うと、Googleの検索エンジンで自社のサイトを上位表示させ、閲覧してもらうための施策を指します。
例えば、ターゲットが「関西 工務店 おすすめ」というキーワードで検索して、自社サイトが真っ先に表示されれば問い合わせを増やせます。
ただし、本格的なメディア運営にはランニングコストがかかります。
さらに、検索結果に表示されるまでに少なくとも半年〜1年ほど時間がかかる点にも注意です。
SEOなら長期的かつ効率的な集客ができますが、実施するかどうかは予算も加味しつつ慎重に検討しなければなりません。
MEO対策
MEOとは「Map Engine Optimization」の略で、Googleマップでの検索で自社を上位表示させる施策のことです。
例えば、Googleマップで「工務店」と検索した場合、周辺の店舗が何件か表示されます。
マップ上で自社が真っ先に表示されれば、問い合わせを増やせます。
SEOとは違い、特定地域内のユーザーのみを対象にするため、競合が少なく上位表示させやすいのが利点です。
さらにSEOよりも運用コストも少ないため、地域密着型の工務店の場合は活かしやすいでしょう。
ただし、Googleマップ上で悪い口コミがつくと集客に悪影響が出るため、実店舗での接客態度やスタッフの教育には気を配る必要があります。
▼MEO対策についてもっと詳しく知りたい方はこちら
【工務店のMEO対策】「差別化しながら」地域集客向上する7つのメリット」
Web広告
Web広告とは、WebメディアやSNS、メールなどインターネットに掲載される広告全般のことです。
具体的には以下のような広告があります。
● リスティング広告
● ディスプレイ広告
● リターゲティング広告
● 記事広告
● SNS広告
● 動画広告
Web広告は非常に多彩なため、場面や目的に応じて使い分けが重要になります。
例えば、幅広いターゲットにリーチしたい場合はリスティング広告やSNS広告。
自社サイトのアクセスがある程度あり、一度訪れた顧客に再アプローチしたい場合はリターゲティング広告が有効です。
両者を組み合わせる効果
オンライン集客とリアル集客はどちらも単体で実施することは可能ですが、工務店集客の場合はどちらも取り組むとより効果的です。
まず、それぞれの特性を再確認しましょう。
集客方法 | メリット | デメリット |
リアル集客 | 結果が出るのが早い | 効率的な集客が難しい |
オンライン集客 | 効率的に集客できる | 結果が出るまで時間がかかる |
Web上には星の数ほどのサイトがあるため、自社メディアを認知してもらうには時間がかかる傾向にあります。
広告やチラシなどのリアル集客なら、オンラインよりも早く認知度を高められるでしょう。
一方、リアル集客だと集客できるターゲットの数や効率には限度があり、ずっと続けていくのは現実的ではありません。
SEOやMEOなどのオンライン集客を導入し、リアル集客の過程で得た実績をアピールすることで、さらに安定した集客が可能になります。
リアル集客の3つのポイント
チラシやポスティング等でリアル集客を行う際は、以下の点に注意しましょう。
● 問い合わせしやすくする
● すぐ内容がわかるようにする
● 信頼性をアピールする
問い合わせしやすくする
リアル集客では、スムーズに問い合わせできることが大切です。
ターゲットの熱量が最も高いのは、チラシや広告などを見た瞬間だからです。
連絡先がわからない、またはわかりにくい場合、お客様は問い合わせを後回しにしてしまいます。
チラシや看板、ポスティングには以下のような内容をわかりやすく記載しましょう。
● 電話番号
● ホームページのURLやQRコード
● 店舗の場所や地図
ただし、多くのお客様は家を建てたいと思っていても、工務店に問い合わせするのはハードルが高いと考えています。
このハードルを乗り越えて問い合わせしてもらうためにも、イベントやキャンペーンなど、顧客が今すぐ問い合わせする理由も必ず組み込みましょう。
すぐ内容がわかるようにする
すぐに内容を理解できることも大切です。
チラシや広告は一瞬しか見られないため、興味を惹けなければお客様はすぐ遠ざかってしまいます。
基本的に、チラシなどを見た人は3秒で捨てるかどうか判断していると言われています。
逆に言えば、集客の際は「3秒以内に内容を理解できるのか?」という問いにイエスと答えられることが重要です。
お客様に読んでもらえるチラシを作るには、5W1Hを意識しましょう。
● Who(誰が)
● When(いつ)
● What(何を)
● Where(どこで)
● Why(なぜ)
● How(どうやって)
リアル集客では、どんな人に何を伝えたいのか、具体的にどうやって伝えるのかしっかり考える必要があります。
信頼性をアピールする
信頼性も重要です。
魅力的なキャッチコピーや写真でお客様の目を引けたとしても「本当に信頼できる工務店なの?」と思われると問い合わせにはつながりません。
お客様目線で考えるとわかりやすいですが、いくら良さそうなお店でも、利用者の声がまったくないと不安になりますよね。
口コミやお客様の声、施工実績などがあればしっかりアピールして、信頼できる工務店だと伝えましょう。
予算的に可能なら、著名人に感想を述べてもらうことでより信頼性が高くなります。
オンライン集客の3つのポイント
SEOやWeb広告等でオンライン集客を行う際は、以下の点に注意しましょう。
● ターゲットを明確にする
● 顧客に価値提供する
● 分析・改善する
ターゲットを明確にする
集客の際は、自社のターゲットを明確にしましょう。
オンラインは幅広いターゲットにリーチできますが、とにかくたくさん人を集めればいいわけではありません。
オンラインには広告やWebメディアが溢れており、自分に関係がないと思われるとすぐに離脱されてしまうためです。
オンラインで集客する際は、自社の強みやお客様が得られるベネフィットを書き出し、そこからターゲットを絞り込むことが大切です。
顧客に価値提供する
オンライン集客では、まずこちらから価値提供を行う必要があります。
これは、何かをもらったらお返ししたいと考える「返報性の原理」に基づく施策です。
例えば、SNS上で人気のインフルエンサーは、例外なくフォロワーに役立つ情報や有益なコンテンツを提供しています。
工務店の場合、自社のノウハウを活かしてお客様の家作りに役立つ情報を提供すると良いでしょう。
例えば、SNSやYouTube等でノウハウなどを発信することで、見込み客からの信頼を得られます。
しっかり信頼性を高めてから自社商品をPRすることで、問い合わせにつながる確率が上がる上に、濃い見込み客が集まります。
分析・改善する
オンライン集客は分析・改善ができるのも強みです。
例えば、1日あたりのアクセス数やホームページに訪れたユーザーのアクションなど、見るべき点はさまざまです。
もし結果が出ていない場合は、問題点を洗い出してひとつずつ改善していく「ABテスト」を行うことで、より集客力を高められます。
「リアル」と「オンライン」で集客を成功させるためには自社ホームページが重要
リアルとオンラインを組み合わせた集客方法では、ホームページの存在がカギになります。
ここで自社ホームページの重要性についても理解しておきましょう。
● 問い合わせにつながりやすい
● ブランディングに役立つ
● 他社と差別化できる
理由1:問い合わせにつながりやすい
ホームページは集客において必須と言えます。
なぜなら、チラシやweb広告などで自社の存在をアピールしたとしても、ホームページがないとどんな会社なのか理解されにくいためです。
ホームページを作成し、自社の強みをしっかりアピールして理解してもらうことで、安心して問い合わせしてもらえます。
ホームページを用意すれば問い合わせのハードルが下がるだけでなく、より濃い見込み客が集まるのもポイントです。
理由2:ブランディングに役立つ
ホームページはブランディングにもつながります。ホームページでは自社の強みやコンセプト、ターゲットとなる顧客などを自由に記載できるためです。
不特定多数の人を集めるのではなく、企業イメージに合うお客様に絞って誘致することでブランドが確立され、一定の支持を得られるようになります。
また、ブランディングに成功すれば自社名で検索がかかるようになり、より濃い見込み客を集められるのも利点です。
理由3:他社と差別化できる
多くの工務店のホームページでは、施工実績やコンセプト、強みのある分野、ターゲットなどを打ち出しています。
ホームページで自社の強みを理解してもらえれば、競合他社との違いがわかり、より濃い見込み客を集められます。
特に、オンラインでは検索で他の工務店と比較されるため、競合他社との違いを明確にすることが大切です。
良いホームページの5つの特徴
ホームページ制作の前に、良いホームページの特徴について知っておきましょう。
● コンセプトが明確
● 写真が多くわかりやすい
● 問い合わせが簡単
● 常に更新されている
● お客様の声が記載されている
それぞれわかりやすく解説します。
コンセプトが明確
ホームページ制作の際は、まず自社のコンセプトを明確にしましょう。
ターゲットや目的を明確にしていないと、集客につながりません。
まずは自社の強みやペルソナ(読者像)などを設定し、ターゲットを意識した内容・デザインにする必要があります。
例えば、ファミリー層や女性などをターゲットにするなら、メインカラーやフォントなどを明るく親しみやすいデザインにすると良いでしょう。
導線がわかりやすい
わかりやすさも重要です。
Webではほしい情報がすぐに見つからなかったり、問い合わせ先がわかりにくかったりするとすぐに離脱されてしまいます。
ホームページにアクセスしたら、すぐに問い合わせ先がわかるようにしましょう。
また、ヘッダーに情報をまとめ、ユーザーが知りたい情報にすぐアクセスできることも重要です。
近年ではスマホでホームページを閲覧する人の方が多いため、スマホに対応したレスポンシブデザインも必須だと言えるでしょう。
ユーザーの疑問を解消している
ターゲットはホームページに来た段階では、様々な疑問を抱えています。
工務店の場合、自分の要望通りになるだろうか、金額はどのくらいかかるだろうかなどの疑問を持っている読者も多いはず。
読者の持っている不安を解消することで、問い合わせにつながりやすくなります。
ホームページ内には、よくある質問などのコーナーを設けておくと良いでしょう。
常に更新されている
ホームページやWebメディアではフレッシュネス、つまり情報が新しいかどうかも重要です。
もしお客様がホームページに訪れたとしても、最後の更新が1〜2年前だと信頼度が著しく低下してしまい、問い合わせへのモチベーションもなくなってしまうでしょう。
また、こまめに更新し続けることでGoogleの検索エンジンから評価され、検索流入からのアクセスを獲得しやすくなります。
イベントや情報は細かく更新し、自社のサービス内容に変更があった場合などはすぐホームページに反映させましょう。
お客様の声が記載されている
ホームページには口コミやお客様の声を載せましょう。
多くの人は、ネットショップ等で商品を選ぶ際、企業の信頼性や口コミの評価などを参考にしています。
同じように、工務店を選ぶお客様も口コミや評判が気になるはずです。
企業がどれだけ自社の強みをアピールしても、利用者からの声がなければ本当の意味での信頼は得られません。
お客様から頂いた口コミや意見はしっかりホームページに反映させ、企業としての信頼性の向上に努めましょう。
集客力のある工務店ホームページデザイン別成功参考事例
最後に、実際に集客に成功している事例をいくつか紹介します。
● USMORE
● OFFICE HANAKO
● 株式会社 家ZOU
● アーキ ホームライフ
それぞれのサイトの特徴や工夫、コンセプトなどに着目して見ていきましょう。
USMORE|写真が多い
USMOREは兵庫県を中心に展開する工務店。
「もっと明日をどんどん良くしていこう」をコンセプトに、無添加住宅を推奨しています。
USMOREのホームページは、モダンや北欧、インダストリアルなどのデザインごとにいくつもの写真が掲載されており、読んだ人がイメージしやすいのが特徴です。
トップには最新情報が記載されており、見学会などのイベントが一目でわかるのもポイントです。
USMOREのサイトはこちら
OFFICE HANAKO|ターゲットが明確
OFFICE HANAKOは女性スタッフがメインの工務店で、女性がメインターゲットです。
ホームページのデザイン上を見れば、ターゲットが一目でわかります。
全体の色やロゴ、フォントは女性らしく可愛らしいものになっています。
住宅のイメージも、写真ではなくイラストを用いており、大変温かみがあります。
トップにキャンペーン情報やカタログの案内があり、サイトを訪れた読者がすぐにアクションを起こせる点にも注目です。
OFFICE HANAKOのサイトはこちら
株式会社 家ZOU|自社の強みがすぐわかる
株式会社 家ZOUは、オリジナルデザインの注文住宅を手がけています。
特に、無垢材やアイアンを組み合わせた住宅を提供しているのが大きな特徴です。
サイトデザインもコンセプトが一目でわかるようになっており、アイアン素材をイメージさせる黒と、無垢材をイメージさせるブラウンをメインカラーにしています。
フォントや線が太く、男らしいデザインであるということがすぐにわかる秀逸なホームページだと言えるでしょう。
株式会社 家ZOUのサイトはこちら
アーキ ホームライフ|地域に密着している
アーキ ホームライフは、関西を中心に住宅を提供している会社。
地域に密着した会社であることをしっかりアピールしたホームページになっています。
例えば、SUUMO注文住宅工務店アクセスランキングでは「関西1位」を掲げており、さらに大阪や京都など地域ごとのイベントも紹介されています。
グローバルメニューに情報がわかりやすくまとまっており、カタログ請求や来場予約がすぐにできるのもユーザーに優しいポイントです。
アーキ ホームライフのサイトはこちら
まとめ
今回は、ホームページを利用した工務店の集客方法を紹介しました。
工務店の集客方法は、リアル集客とオンライン集客に分けられます。
リアル集客は成果につながるのが早い反面、労力やコストがかかるため、オンラインも活用するとより効果的です。
いずれの集客方法でも、ターゲットやコンセプトを明確にすることが重要です。
リアル集客とオンライン集客、そしてホームページを組み合わせて最適な集客方法を探っていきましょう。