【いつまで続く?】ウッドショックを乗り越えるためにすべきこと|工務店集客を伸ばすだけでなく粗利確保も実現する手法とは?

「ウッドショックはいつまで続くの?」
「ウッドショックへの対処法は?木材不足や受注件数増加で経営が苦しい…」

こんな疑問や悩みを抱えている工務店経営者の方は非常に多いと思います。

ウッドショックによって木材価格は高騰し、着工件数は減少しています。

ウッドショックの状況下では、国産材の導入や既存の工法の見直し、さらに集客方法の改善など重要な課題が山積みです。

そこで今回は、ウッドショックの原因や対処法について改めて深掘りし、工務店が活用できる融資制度やこの時期だからこそ新たな集客を考えるキッカケを詳しく解説します。

ウッドショックによる木材価格の高騰、ならびに木材不足や工期の遅延などを早期に解消できるように、しっかりと対策していきましょう。

工務店集客に多大な影響があるウッドショックとは

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近年、木材価格の高騰が工務店を悩ませているかと思います。

木材価格の高騰は、1970年代に発生したオイルショックになぞらえて「ウッドショック」と呼ばれており、2022年11月現在もその影響が続いています。

実は、ウッドショックは今回で3度目です。

1度目は1990年代に諸外国での天然林保護運動が発生、2度目は2000年代にインドネシアの伐採規制の強化により供給量が減少しました。

ウッドショックは住宅価格の高騰を招き、工務店の受注にも影響を与えます。

長くにわたって工務店を経営するなら、ウッドショックが起きた際の対応には気を配らなければなりません。

ウッドショックが発生した4つの原因

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今回のウッドショックのきっかけは、新型コロナウイルスの蔓延によって住宅需要が増加し、需要と供給のバランスが崩れたために発生したことです。

そこで、ウッドショックの詳しい原因について追求してみます。

原因①:住宅需要の増加

事の発端は、新型コロナウイルスの影響で住宅需要が増加したことです。

アメリカでは、リモートワークで自宅にこもる人が多くなり、郊外に新しく住宅を購入する人が増加。

元々虫害・山火事などで木材が不足していたアメリカは、一気に木材不足に陥りました。

追い討ちをかけるように、中国でもコロナ後の経済復興に向けて新築が増えて、木材不足になっています。

現在、アメリカや中国は各国から木材を集めており、世界的な木材不足になっています。

原因②:コンテナ不足

諸外国での木材価格高騰に加え、輸入コストも増加しています。

原因として、コロナ禍で輸送量が減少し、船舶関連の会社が自社のコンテナを売却してしまったためです。

また、2021年3月にはスエズ運河で大型コンテナ船が座礁したことでコンテナ不足が進み、さらに輸入コストが高まっています。

日本では木材の約7割を輸入に頼っており、輸入コストの増加が大きな痛手になっています。

2022年11月現在でも、木材の輸入価格は軒並み高騰を続けており、工務店関係者は厳しくなっている状態です。

参考:経済産業省

原因③:ロシアによる木材輸出禁止措置

2022年から始まった、ロシア・ウクライナ間の戦争も追い討ちをかけています。

ロシアは戦争下において、日本を含む「非友好国」への木材輸出を2022年末まで禁止すると発表しました。

日本はロシアからそこまで多くの木材を輸入しているわけではないですが、ロシアの輸出規制によって世界的な木材不足が拡大し、結果的に日本も影響を受ける可能性があります。

ロシア・ウクライナ間の戦争は半年以上にわたって続いており、2022年11月現在も終わりは見えません。

原因④:国産材を増やせない

日本は国産材を増やしにくい傾向にあります。

日本の木材自給率は、2020年時点で41.8%ほど。

自給率は以前よりは増えており、10年連続で増加しているものの、依然低いと言えるでしょう。

令和2年(2020年)の木材自給率は41.8%となりました。前年に比較すると4.0ポイント上昇しました。木材自給率は、平成23年から10年連続で上昇しています。

引用元:林野庁

ウッドショックにより輸入材の価格が高騰している今、国産材への切り替えが求められていますが、一筋縄ではいきません。

まず、国内の林業は労働力不足に陥っており、以前の輸入材のような低価格で同品質を維持することが困難です。

また、国産材は構造的な問題もあり、そう簡単に輸入材の代替品にはなりません。

また、元々国産材にこだわりをもって使用している工務店は輸入材に頼ることがないので、影響がないと思われがちですが、輸入材に頼っている大手ハウスメーカーやパワービルダーが国産材にシフトしてきていることにより、国産材の価格も高騰しているのも事実です。

家づくりを生業にしている企業全てが何かしらの影響を受けていることは間違いありません。

ウッドショックが工務店に与える4つの影響

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ウッドショックにより世界的な木材不足となっていますが、前項のように日本の工務店もかなり痛手を受けています。

具体的にどのような影響があるのか把握し、有効となる対策を考えておくことをおすすめします。

影響①:輸入材の価格高騰

ウッドショックによる最も大きな影響は、やはり輸入材の価格高騰です。

コロナ禍を発端に始まったウッドショックにより、2021年は輸入材の価格が軒並み高騰しています。

前年同月と比較すると、木材・木製品・林産物は73%上昇、集成材と製材はそれぞれ135%前後の大幅上昇となりました。

材種 上昇幅(前年同月比)
木材/木製品/林産物 73%
合板 67%
丸太 27%
集成材 135%
製材 132%

出典:経済産業省

2022年以降はピークが過ぎ去り、一部の材料は価格高騰が止まっているものの、以前と比べると高値であることは変わりません。

輸入材に頼らなくてもよい材料を準備するか、少々割高でも、品質の高い国産材にシフトするか選択を迫られている現状です。

影響②:着工件数の減少

今後は、ウッドショックによる着工件数の減少も予想されます。

輸入材の価格が軒並み高騰し、国産材では補填しきれない状況が続く今、当然ですが住宅の価格も同じく高騰しています。

物件価格が高騰すれば、当然お客様の購買意欲は低下してしまうでしょう。

事実、ウッドショックだけが原因ではありませんが、新設住宅着工件数は低下しています。

年度 新設住宅着工件数の予想
2020年 81万戸
2030年 65万戸
2040年 46万戸

出典:野村総合研究所

今後回復する可能性もありますが、木材不足によって物件価格が上がり、さらに工期も不安定になっているのでやや厳しい状況です。

政府では、今年の12月中旬よりこどもみらい住宅支援事業の後釜となる、「こどもエコ住まい支援事業」を発足することを発表しました。

ZEH住宅を建てることで補助金が出る施策となり、消極的な家づくり検討客も前向きに行動する起爆剤となることは間違いないでしょう。

今後の受注減の対策としては、「こどもエコ住まい支援事業」を検討しているお客様への正しい説明や誘導、自社の対応力が重要となります。

出典:国土交通省

影響③:粗利益率の低下

木材不足が続くと粗利利益率も下がってしまいます。

なぜなら、木材価格が上がって仕入原価が高騰しても、きっちり価格に反映させることはまずできないためです。

大手ハウスメーカーが値上げをすると、多くの顧客は住宅を買い控えます。

すると値引き合戦が始まってしまい、結局のところ、生産力の高い大手ハウスメーカーが一人勝ちする状況になってしまうのです。

また、仕入原価の高騰を外注業者に転嫁するにも限度があります。

工務店は、粗利確保のためウッドショックにどう立ち向かうか考えなければなりません。

影響④:職人不足

ウッドショック以外に、職人不足も大きな課題です。

建築業界は以前より「キツい、汚い、給料安い」の3Kというイメージを持たれてしまっています。

実際の労働環境は大きく改善しているものの、一度ついた悪いイメージはそう簡単に拭えません。

事実、現場では職人不足、職人の高齢化が続いています。

今は高齢の職人によって供給が保たれているものの、次の世代につながる若者が少なく、今後も職人不足の問題からは逃れられないでしょう。

職人不足になれば当然人件費が上がるため、ウッドショックの時と同じように原価が上がってしまうことが予想されます。

ウッドショックの今後の見通し

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ウッドショックは各工務店・ハウスメーカーに大きな影響を与えており、今後どうなるのか気になる方も多いでしょう。

次は、ウッドショックの見通しについて詳しく解説します。

輸入木材の価格は高騰

2022年現在、輸入材価格は依然高騰を続けています。

アメリカや中国で住宅着工件数が増え、さらにコンテナ不足で輸入価格も高騰しているため、厳しい状況が続きます。

材種 上昇幅(前年同月比)
木材/木製品/林産物 73%
合板 67%
丸太 27%
集成材 135%
製材 132%

出典:経済産業省

輸入材の価格高騰はすでにピークを迎えていますが、当面下がる見込みもありません。

今までのように輸入材に頼りきりは難しいため、なんとか輸入材から脱することが課題となります。

国産材の価格は落ち着いてきている

一方、国産材の価格は輸入材と比較すれば落ち着いてきています。

ウッドショックによる木材需要のひっ迫により、輸入材だけでなく国産材の価格も情報していたものの、一部木材は価格が下落しました。

まず、2020年末から2021年末にかけての各木材の物価推移を見ていきましょう。

材種 2020年末の物価 2021年末の物価
丸太 105.1 136.6
スギ 102.8 128.3
ヒノキ 111.8 177.7
マツ 105.6 118.6

出典:日本銀行

それぞれ価格は上がっていますが、ヒノキ以外は価格上昇が比較的ゆるやかです。

ウッドショックに対する政府の対応

国会議事堂,外観

ウッドショックは工務店やハウスメーカーにとって非常に深刻な問題で、国土交通省でもウッドショックへの対策について触れています。

いわゆる「ウッドショック」と言われているような輸入木材の製品価格については、アメリカにおける住宅着工戸数の急増、中国の木材需要増大、また、世界的なコンテナ不足による運送コストの増大等により、高騰しているということで、国産材の代替需要が発生しており、国産材の製品価格も大変上昇しています。

引用元:国土交通省

国土交通省の赤羽大臣は、ウッドショックが工務店に大きな影響を与えるとして、国産材の利用促進などの対策を要請しました。

しかし、即効性のある施策は未だにないため、政府に頼らず自分たちで工夫して乗り越えていく必要があるでしょう。

苦しい時期だからこそ考える!工務店が取り組むべき5つの集客施策

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ウッドショックは着工件数の減少、ならびに受注件数の低下にもつながります。

中小規模の工務店が新しく顧客を獲得するには、集客施策を徹底することも大切です。

地域に根ざした工務店では、以下のようにオンライン・オフラインを組み合わせた集客方法を検討しましょう。

施策①:自社ホームページのテコ入れ

2023年以降の最重要施策として、工務店の自社ホームページのテコ入れです。

ホームページがあれば日本人の9割近くが使用しているGoogle検索(Yahoo!検索も含む)からの流入を狙える上に、SNSやチラシなど、他の媒体から入ってきた人にも自社の特徴や魅力を伝えることができます。

自社ホームページを訪れる人が増える=問い合わせも増えることは相関関係があります。

ただし、ホームページ単体で幅広い人に認知してもらうのは困難です。

ホームページはあくまで集客の軸として捉え、WEB上の店舗やショールームとしての位置付けとしてしっかりと構築することが重要です。

また、他の媒体で認知度を高めることも同時並行で行うことをおすすめします。

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小さな工務店でもホームページで集客する5つの対策とコツ|地域で一番の工務店になるために

施策②:自社のオリジナル情報を伝えるオウンドメディアの構築

より効率的に集客したいなら、オウンドメディアが最適です。

オウンドメディアとは、自社で情報発信を行うメディアのことで、ブログのようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。

オウンドメディアはSEO(検索エンジン最適化)の対策を行い、Google検索から長期的に集客できます。

具体的には、お客様の悩みを解決しつつ、その解決策として自社への問い合わせに繋げるという形です。

メディア運営はコストがかかるため、自社で取り入れるのは難しいと考えている方も多いと思います。

しかし、あえて規模の小さいメディアを作り、大手の満たしていないニーズを捉えるという戦略もあります。

SEO対策は大手でも中小零細企業でも「唯一同じ土台で戦える場」です。

広告や展示場などは資金力が物を言いますが、SEO対策は平等に評価がされるので、正しい戦略で作り込むことにより、他に類をみないオリジナルの対策に仕立て上げることが可能です。

◆関連コラム
工務店集客のための「オウンドメディア戦略」とは?WEBサイト運用の課題と改善を徹底解説

施策③:感情に訴えかけるインスタグラム

無料で、かつ手軽に認知度を高めたいなら、Instagramがおすすめです。

Instagramは他のSNSと違い、写真・動画がメインなので、お客様に自社の魅力が伝わりやすいという特徴があります。

施工事例やデザイン画などを公開すれば、ターゲットの興味を惹けます。

また、Instagramには以下のような投稿機能があり、比較的自由度が高いのもメリットです。

投稿機能 特徴
フィード プロフィール画面で最初に表示される投稿

ハッシュタグをつけて投稿できるため、フォロー外のユーザーにもリーチできる

ストーリーズ 画像や動画を投稿できる機能

投稿した内容は基本的に24時間のみ表示され、後からアーカイブにストックすることも可能

ハイライト 投稿したストーリーを保存できる機能

動画やメッセージなど、ターゲットが気になるような内容だけを厳選してまとめられる

例えば、フィードのハッシュタグを活用すれば、特定キーワードで検索した人に対し、自社の投稿を表示させられます。

また、ハイライトで施工物件を見渡すような動画を保存しておけば、プロフィールを見た人の興味を惹けるでしょう。

◆関連コラム
【工務店集客】インスタ運用の悩みを解決!広告やハッシュタグの活用方法も

施策④:チラシやポスティング

都心ではなく郊外を主戦場にしているならば、チラシやポスティングも併用するのがおすすめです。

チラシやポスティングはオフライン集客の一種で、特定地域に絞って発信できます。

主に新聞や折込チラシを見る中高年層にリーチできるため、ターゲットによっては有効です。

特定地域でチラシやポスティングを実施してホームページに誘導し、自社の良さを知ってもらった上で問い合わせや見学会などにつなげるという流れも良いでしょう。

ただし、20〜30代で新聞を読んでいる人の割合は20%程度です。

現在ではネットニュースが主流になっており、LINEやTwitter等で情報を得る人も少なくないため、ターゲットは中高年層に絞られます。

参考:メディアに関する全国世論調査

若者も集客したいのであれば、SNSやネット広告など他の手段も検討しましょう。

◆関連コラム
工務店のポスティング・チラシ集客の現状と未来|コロナ禍で変わったリアルマーケティングとは?

施策⑤:イベントやセミナー

コロナが落ち着いてきたこの時期にオフライン集客の一環として、イベントやセミナーも開催しましょう。

チラシやネット広告などで集客しても、ほとんどの人は「すぐに行動すべき理由」がなければ動きません。

そこで、期間限定でイベントやセミナーを開催することで、後でいいやと考えていたターゲットに行動を促せます。

また、近年はコロナ禍でリモート化が進んでいることから、リアルな体験が貴重になっています。

オフラインでの触れ合いを大切にすることで、お客様から好印象を持ってもらい、結果的に成約につながるケースもあるでしょう。

コロナ禍でリアル体験が減っている今だからこそ、イベントやセミナーを積極的に開催してください。

工務店が集客以外でウッドショックを乗り越える5つの方法

森,木

では、具体的にウッドショックを乗り切るために、集客以外にも次のような対策をご紹介します。

国産材を利用する

ウッドショックの根本的原因は、輸入材への頼りすぎなので、国産木材へ回帰するのが最も重要な課題だと言えるでしょう。

従来よりも木材の調達価格は高くなってしまいますが、それでも輸入木材に比べれば安価であり、ウッドショックによる販売価格への転嫁を最小限に抑えることができます。

2021年6月には、国産材利用を促すための改正公共建築物等木材利用促進法(議員立法)が成立しました。

・目的の見直し
・対象となる建築物の拡大
・木材利用推進本部の設立
・木材利用促進の日などを制定

参考:林野庁

こうした流れを受けて、輸入材に頼りきっている現状を変える必要があります。

既存の構造を見直す

木材だけでなく、工法を見直すことも重要です。

国産材は輸入材とは強度などが異なるため、従来の工法のままでは国産材を活かすことは難しいでしょう。

例えば、国産材の採用において課題となるのは「梁」でした。

そこで、梁の架け方を工夫して必要な強度を確保できれば、強度不足のスギ材を利用してコストを抑えられます。

他にも、材積を減らして面積の小さい部材を利用し、コストを抑えるのも有効です。

具体的には、柱上の梁せいをサイズアップして床厚を小さく抑えることで、基準を満たしつつコストダウンできると報告されています。

今後は、その時々での木材の供給状況を視野に入れた、より緻密で精度の高い設計が求められます。

業務の効率を見直す

DX化で業務を効率化し、コスト削減するのも良いでしょう。

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、IT技術を駆使し、サービスやビジネスモデルを「変革」することを指します。

単なる効率化ではなく、消費者の生活をより良くするのが目的です。

特に近年では、新型コロナウイルスの影響でオンライン化が急速に進んでいます。

対面での会議や打ち合わせがなくなり、イベントやセミナーの開催も控えめになり、オンライン化を余儀なくされる企業も少なくありません。

オンラインに対応できていないと、急激に変化する顧客のニーズに応えられず、withコロナ時代に生き残ることができないことを意味します。

◆関連コラム
工務店のDX化のためのSFA(集客・商談管理)とは?|トップセールスマンの属人性から脱するために

施主からの合意を得る

ウッドショックを乗り切るには、施主様からの合意も必要です。

木材価格の高騰、ならびに供給の遅延により、予算を超えたり工期が伸びたりするケースは今後どんどん増えると予想されます。

したがって、事前に施主様に対する説明を行い、合意書を作成しましょう。

時には、樹種の変更を強いられるケースや工期を延長するケースもあるため、事前に合意を得ることが大切です。

合意のないまま工事が始まると、場合によっては工務店側の費用負担が大きくなってしまうでしょう。

資金繰り対策を行う

材料不足で着工や施工が遅れ、さらに受注件数も減って資金繰りに悩まされる工務店も多いでしょう。

まずは資金繰り表を作成し、どのくらい資金不足になるか把握することが大切です。

見積もりの結果、資金繰りがどうしても厳しいなら以下のような方法で資金調達してください。

・補助金を活用する
・日本政策金融公庫に相談する
・小規模企業共済の貸付を利用する

補助金を活用する

抽象工務店であれば、地域型住宅グリーン化事業の補助金を利用できます。

補助金の対象となるのは、次のような物件です。

対象となる物件 一戸あたりの補助金額
長期優良住宅 110万円
認定低炭素住宅、または性能向上計画認定住宅 70万円
ゼロ・エネルギー住宅 140万円
省エネ基準を満たす住宅 50万円
優良建築物型 1万円(㎡あたり)

こちらは貸付ではなく補助金なので、返済の必要はないため安心して資金繰りができます。

ウッドショックの煽りを受けているなら、ぜひ国土交通省のホームページで詳細を確認してみましょう。
参考:国土交通省

日本政策金融公庫に相談する

資金繰りが苦しいなら、日本政策金融公庫に相談を検討することもおすすめです。

日本政策金融公庫とは、個人事業主や法人をサポートするための独立行政法人で、シチュエーションに応じてさまざまな貸付を受けられます。

特に「経営環境変化対応資金」では、ウッドショックなどの外的要因により一時的に売上が減少しており、業績の回復が見込まれる場合に融資を受けられます。

具体的な条件は次の通りです。

・最近の決算期における売上高が前期または前々期に比し5%以上減少している方
・最近3ヵ月の売上高が前年同期または前々年同期に比し5%以上減少しており、かつ、今後も売上減少が見込まれる方
・最近の決算期における純利益額または売上高経常利益率が前期または前々期に比し悪化している方
・直近の取引条件が0.1ヵ月以上悪化
・社会的な要因による一時的な業況悪化
・税引前損益または経常損益で損失を生じている
・利益準備金・任意積立金等を上回る繰越欠損金を有している
・利益が増加したものの債務償還年数が15年以上である

参考:日本政策金融公庫

貸付額は最大4,800万円、返済期間は運転資金の場合8年以内(うち据置期間3年)です。

国土交通省では、業界団体に対して資金繰りに対応するように通知しており、日本金融公庫では資金繰りが難しくなった工務店などから相談を受け付けています。

国民生活事業の事業資金相談ダイヤル
TEL:0120-154-505

小規模企業共済の貸付を利用する

小規模企業共済に入っているなら、小規模共済の貸付を活用しましょう。

小規模共済では、積立金を担保に超低金利で融資を受けられます。

借入額は積立金の7〜9割程度で、最大1,000万円ほどです。

貸付の種類 対象となる人 金利(年率)
一般貸付 誰でも利用可能 1.5%
緊急経営安定貸付 経営環境が変化し、一時的に売上が減少している人 0.9%
傷病災害時貸付 病気や怪我による入院や、災害時に被害を受けた人 0.9%
創業転業時・新規事業展開等貸付 新規開業、または転業する人 0.9%
事業継承貸付 事業を継承する人 0.9%
廃業準備貸付 事業を廃業、または解散する人 0.9%
福祉対応貸付 経営者本人または親族の福祉向上をする人 0.9%

参考:中小機構

まとめ

今回は、ウッドショックの見通しや具体的な対策方法や集客施策についてご紹介しました。

ウッドショックにより世界中で木材不足になり、さらに輸入コストが増加したことで、輸入材の価格が高騰しています。

ウッドショックを乗り切るには、輸入材に頼り切りの現状を打破するため、国産材の切り替えや工法の見直しなどが重要になっています。

いざというときは補助金や貸付の利用も検討しつつ、自社の粗利確保のために集客方法も見直すキッカケとして参考にしてください。

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