不動産売買仲介営業の方で、売主から物件を預かる際、売主へ最低ラインの金額目線を伝えるために、まず買取業者に金額感を確認する営業の方は多いのではないでしょうか?
ただ、不慣れなエリアだったり、経験が浅い方だと、どんな会社に買取の打診をすればいいのか分かりません。
また、売主が買取希望だとしても、残債などの兼ね合いで買取金額がギリギリ合わず泣く泣く仲介手数料を値引いて調整したり、
案件がまとまらなかったりしたご経験もあると思います。
今回は、そんな方々のためにいい条件で買ってくれる買取業者の見つけ方をまとめました。
本記事は不動産仲介会社向けとなります。
【仲介営業向け】高買いしてくれる不動産買取業者の探し方
レインズから探す
買取業者を知らない場合、同僚や先輩から聞くことが多いと思います。多くは快く教えてくれますが、中にはライバルに易々と教えてくれない場合も。
(月末になるまで待って、営業所内分かれがOKになってから紹介し、片手分もらおうとする人もいます)
そういった場合はレインズから買取業者を探しましょう。
預かった物件のエリア・物件種別で検索をかけ、取引態様が「売主」の会社をピックアップし、リスト化します。(土地の買取業者を探す場合は、新築戸建の売主を探します)
リスト化する際、東日本レインズの方であればCSVでダウンロードすることができるので、ご活用ください。
※レインズの「売買検索条件入力」画面の一番上の右側に「CSVをダウンロードする」というボタンがあるのでそこを押してください。
※2021年1月よりレインズのCSV化が廃止となります。詳細は下記記事をご参照ください。
CSVの中には電話番号やメールアドレスもある(入力されてれば)ので、一瞬で営業リストの完成です。
名刺交換した買取業者の名刺はしっかりと保管
即効性はありませんが日ごろから名刺交換した買取業者の名刺はしっかりと保管しておきましょう。
それなりの規模の店舗になると、買取業者がひっきりなしに飛び込んできます。
仲介営業の方の中には邪険にする方も多いですが、販路が確立されていない方は見習ってはいけません。
積極的に名刺交換するようにしてください。
名刺交換時には得意分野や決算期を必ず聞いておく
名刺をもらう際には必ず得意分野を聞きましょう。
買取業者毎に強みがバラバラなので、将来紹介するときの為にしっかり情報収集してください。
最低ラインとして、得意なエリア・サイズ・築年は押さえてください。
渡されるチラシに書いてあることもありますが、大体「なんでも買います」しか書いていないので、ここでしっかりヒアリングしてください。
大体なんでも買えません。
また、土地の買取業者であれば、借地・底地・狭小地・再建不・但し書きが対応できるかも押さえてください。
いざというときに、こういった類(私はゲテモノと呼んでました)の案件を買える業者を知っているかどうかで、大きくスピードが変わります。
また、その買取会社の決算月を押さえるのもとても大事です。
決算月近くは、売上達成や節税のためにいつもより高く買う可能性があるからです。
聞き方としては、
このように聞けば大体教えてくれます。
特に飛び込みで来た買取営業から見ると、お願いしている立場なのでこの瞬間は立場が弱い状態です。
その為、この名刺交換時は色々話してくれるチャンスでもあるので、ここでしっかり押さえておきましょう。
※国交省の「建設業・宅建業者等企業情報検索システム」を利用することで、設立日が分かります。
凡そは設立日近くに決算月を設定しているので簡易的にはこちらで調べてください。
https://etsuran.mlit.go.jp/TAKKEN/takkenKensaku.do
ただ、決算期をあえてずらすケースもあるので、確認できるのであれば直接確認されるのをおすすめします。
必ずリスト化
また、名刺のまま保管するのではなく、ヒアリングできたことも含めExcelなどに必ずリスト化してください。
案件が入ってきたときに一覧ですぐ調べられるようにしておきましょう。
物件情報を仕入れたら一斉メールで金額打診
日ごろから名刺をしっかりリスト化しておき、足りない情報はレインズから引っ張ったりすると、良質な買取業者のリストが出来上がります。
いよいよ案件が入ってきたら、資料をPDF化し、一斉メールで金額打診をしましょう。
金額がでるまでのスピードと金額を必ず記載し次回の為にとっておく
一斉にメールを送りしばらくすると、続々と買取業者から連絡が入ります。
金額がでたり、質問があったり買取業者によってまちまちです。
この時に「金額がでるまでのスピード」と「金額」をリストに保存していってください。
この情報を持つことで、本当の得意物件が分かったり、月末で時間が無い時に頼れる会社か判断できるようになります。
その案件では直接的に意味はなさないですが、次回以降も見据えてしっかり情報を蓄積させましょう。
【注意点】抜き業者には気を付けよう
買取業者を探す際に気を付けていただきたいのは、抜き業者です。
中には、買取案件が入ってきたら、売主宅を訪問し「売却お考えであれば当社にもお任せください!」と抜き行為をする買取業者が存在します。
対策としてリスト作成の際に、
- HPを確認し仲介業務をやってないか確認する
- 同僚や先輩・上司に悪い噂を確認しておく
- 新興の会社(免許番号1など)は避ける
などがありますが、別会社に流しているケースもあるので、有効な手立てはありません…
ただ、最初は常にリスクをはらむので、売主側をしっかりグリップすることで対策をしましょう。
予め、「こういった会社が訪ねてきたら、宅建業法違反の会社なので話を聞かないでください」と伝えておきましょう。
まとめ
以上が、高買いしてくれる買取業者の見つけ方です。
即効性はありませんが、しっかり蓄積した情報はあなた自身の資産となります。
今だけでなく、将来を見据えて行動することで、この先の売上が大きく変わります。
是非、実践してみてください。