サンセイランディックの全体の売上と利益
直近3期の売上と営業利益は以下のとおりです。
2020期は3Qにて新型コロナの影響が大きく、通期売上予想を下方修正しました。
しかし決算を迎えた結果、売上高は計画を上回り前年比1.4減となりました。
営業利益は前年比マイナス54.5%の結果で終わりました。
四半期ごとの売上高はすべてのQで前年比マイナスとなり、営業利益も1Qを除き2Q以降は前年比マイナスと、新型コロナウィルスの影響を大きく受けました。
サンセイランディックのセグメントごとの売上
セグメントは以下の2つに区分されます。
2. 建築事業
建築事業は子会社の株式会社One's Lifeホームがおこなう戸建分譲事業です。
目標としていた2020期での黒字転換はならず、2021期に早期の黒字化を目差しています。
不動産販売事業内訳では、「底地」「居抜き」が前期比マイナスとなり「所有権」は33%のプラスとなりました。
サンセイランディックの短期的な戦略
新型コロナの影響があった2020期でしたが、2021期1Qも緊急事態宣言下となり業績の下振れが懸念されます。
とくに建築事業売上高は1Q20の4億6,800万円を超えられるか注目です。
また2021年7月1日には子会社である株式会社One's Lifeホームを吸収合併する予定であり、前日の6月30日貸付金7億3千万円の債権放棄を予定しています。
2021期予想は以下のとおりであり、堅い見通しとなっています。
・営業利益:9億1,900万円(2020期比8.5%)
※参考文献
https://www.sansei-l.co.jp/wpsansei-l/wp-content/uploads/2021/02/2effff0e90ed86aeef47c15a823748a4.pdf
https://www.sansei-l.co.jp/wpsansei-l/wp-content/uploads/2021/02/47ce4a732da65325577fb86172e4f7e3.pdf
サンセイランディックの長期的な戦略
2020期は2018期を始期とした中期経営計画の最終年度であり、以下のように大幅な計画未達となりました。
・経常利益はマイナス62.7%
・ROAは計画12.0%に対し実績は3.6%
前回リポートでも触れたように同社の事業特性上、新規事業開発が急がれており2021期は、そのための社員育成研修を実施する計画でいます。
また2021期をスタートする「新中期経営計画」の策定が、本来であれば2020期決算で発表されるものですが、新型コロナの影響により2021年半ば以降に開示予定とされています。
サンセイランディックは対面営業が主体となる営業形態であり、今後の事業運営に大きな課題が生まれてきたとも言えるでしょう。
サンセイランディックの最近のトピックス
同社は匿名契約方式によるクラウドファンディング事業を行う「Funds」を通して2019年11月から、底地事業向けの資金調達を開始しています。
ファンド名は「底地くんファンド」といい、過去のクラウドファンディング実績は第1回2019年12月に5千万円、第2回2020年5月に5千万円の調達を果たしました。
2020年11月にも1億円を調達し資金調達先の多様化を図っています。
また2021年2月12日取締役会にて、発行済株式の2.37%にあたる上限20万株の自己株式取得が決議されました。
株式取得総額は2億5千万円に及ぶとされますが、資金調達は保有物件の売却によりおこなわれたと発表しています。
自己株式取得は2021年5月14日までであり、予定通り進むと現在の自己株式2万9,942株(比率0.35%)から大幅に自己株式比率が上昇します。
自己株式取得はROEを改善させるといいますが、真の狙いはなんなのか注目されます。
※参考文献
https://www.sansei-l.co.jp/wpsansei-l/wp-content/uploads/2021/02/47ce4a732da65325577fb86172e4f7e3.pdf
https://www.sansei-l.co.jp/wpsansei-l/wp-content/uploads/2021/02/1e6790f2f0ea890045cbf01165072752.pdf