サンセイランディックの全体の売上と利益
直近3期の売上と営業利益は以下のとおりです。
売上高は新型コロナウイルス感染症の影響で計画を下回りましたが、営業利益・経常利益・純利益とも大幅に計画を上回りました。
各利益の増益は「不動産販売事業」によるものです。
営業利益:11億1,700万円(計画比121.5%)
四半期ごとでは1Qにおける好業績が2021通期に、大きく貢献したと言えそうです。
サンセイランディックのセグメントごとの売上
セグメントは以下のとおりです。
2. 建築事業
建築事業の損益はコストの上昇によるもので、原価管理が課題となっています。
利益を押し上げた不動産販売事業では、底地事業は売上高・利益とも計画を上回りましたが、居抜き事業の売上高は計画を下回りました。
サンセイランディックの短期的な戦略
前リポート(2021-3Q)で着目した仕入高の前年比マイナスの傾向は、2021期末においても変わらず前年比76.1%で終わりました。
ただし2022期の計画に対する仕入状況としては、とくに懸念はないと発表しています。
サンセイランディックの長期的な戦略
2022期~2024期の「新中期経営計画」を公表しました。
基本的な方針としては、2025年以降のプライム市場への上場を目指し、2024期までは質的強化を図るとしています。
そのため財務基盤の強化と先行投資を増加し、新規分野への進出を進めていく計画です。
数値計画としては利益目標を設定しており次のとおりです。
・経常利益:2022期11億4,200万円、2024期16億5,000万円
新規事業として具体的プロジェクトを公表しました。
【八幡平観光活性化PJ】
八幡平温泉郷にあるペンションの再生事業に取り組み、同温泉郷の観光活性化を目指し、100%出資する「八幡平観光活性化合同会社」を設立します。
ペンションオーナーへはリノベーション資金として家賃を前払いで提供、賃借したペンション客室を賃貸し運営する計画です。
このほか空き家利活用として2つのプロジェクトが浮上しています。
・近畿地方における登録文化財や商家空き家活用
サンセイランディックの最近のトピックス
2021-2Qで触れた「株式会社One's Lifeホーム」の吸収合併について、新中期経営計画」のなかで重ねて記載しています。
・ガバナンスの強化
以上についての取組みによりガバナンス体制が強化されるかどうかを検証し、改めて合併の是非を検討するとし、現時点では合併計画は流動的と判断できそうです。