成年年齢が変わる2022年は賃貸借契約の見直しが必要に

2022年4月1日からは成年年齢が変わります。これまで未成年が契約者となる賃貸借契約では、親の同意書が必要でしたが、成年年齢が18歳になることで同意書の必要な契約は稀になる可能性があります。

そのため、同意書を忘れてしまう契約が増えることが予想され、ときには取消しされる契約が生まれる可能性が生じてきます。

ここでは改めて未成年が賃貸借契約を締結するときの注意点を解説します。

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未成年の契約行為

未成年は契約行為を自身の判断でおこなうことはできません。必ず「法定代理人」の同意がなければなりません。

未成年者の法定代理人となるのは次の人になります。

・親権者(通常は父母の2名)
・未成年後見人(家庭裁判所が選任)

未成年者が締結した契約は法定代理人によって取り消すことができ、取り消した契約は最初から無効となることが、民法(第5条、第120条、第121条)で規定されています。

契約行為とは複数の人の合意により権利と義務が発生するもので、互いに権利と義務がある場合と、片方だけに権利や義務があるケースもあります。権利と義務は法的拘束力があり、単なる “約束” とは異なります。

したがって契約当事者は権利や義務の履行をできることが必要で、未成年の場合は履行能力がないとされ、法定代理人の同意がなければ契約行為はできないのです。

未成年の賃貸借契約

日本では小学校への入学は『満6歳の誕生日以後の最初の4月1日から』と規定されており、高等学校3年生の年齢は17歳と18歳になり、卒業する年の4月1日までにはすべてが満18歳になります。

高校を卒業し、就職や大学・短大・専門学校などへの入学に際し、親元を離れて一人暮らしする場合の賃貸借契約は一般的に3月中に契約します。

これまではほとんどが未成年でしたが、2022年4月1日からは成年年齢が18歳となり、賃貸借契約における賃借人の年齢について注意する必要がでてきます。

2022年の3月中の契約は、まだ成年年齢の変更施行前ですから、これまで同様20歳未満が未成年です。
しかし2022年4月1日以降は、18歳未満が未成年となるのでそれ以降の契約では、契約時に賃借人が未成年と成年の両方のケースが混在します。

未成年の場合であれば親権者の同意が必要であり、成年の場合は必要ありません。

賃貸借契約は期間の始期と終期があるので、契約始期に成年に達しているかどうかが、契約の有効性に影響してきます。

契約始期が満18歳になるかどうかを必ず確認しなければなりません。

賃貸借契約の親権者同意書

賃貸借契約における親権者の同意は、父と母がいる場合は二人ともの同意が原則です。ただし民法825条では『父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし、又は子がこれをすることに同意したとき』は他の親権者が反対であっても、法律行為は無効とはならないと規定しています。

このことは、未成年者名義の賃貸借契約において、片方の親権者の同意が父母共同での同意であるとの意思表示があれば、有効とみなせると解釈できます。

しかしながら実務においては、両親の同意を明示できるような方法が望ましく、次の2通りが考えられます。

1. 連名による同意書の作成
2. 共同代表として1名が同意書を作成する

さらに同意書を作成したうえで、賃貸借契約における連帯保証人になっていただくことが望ましいといえるでしょう。

賃貸借契約では賃貸保証を利用することが最近は多くなっています。賃貸保証会社との保証委託契約も同様に、未成年が契約者になる場合は親権者の同意が必要になります。

賃貸保証委託契約の場合は「同意書」が準備されていることがほとんどです。

同意書のない賃貸借契約

契約手続きが繁忙期におこなわれ、うっかり同意書なしで賃貸借契約が締結されることもあり得ます。そのとき管理会社はどのようにすべきでしょうか。

追認の催告

民法第20条では「制限行為能力者の相手方の催告権」を定めており、親権者に対して賃貸借契約を追認するかどうかを1ヵ月以上の期間をおいて催告できます。

具体的には契約をした当事者が「制限行為能力者」であったため、親権者は取消すことができますが取消しについての確認を通知し、親権者から期限内に取消しがなければ追認されたことになります。

追認の催告」は、賃借人が未成年のままのときであっても、成年になってからでも可能ですが、同意書がないと判明したときには速やかに追認してもらうことが必要でしょう。

万が一、親権者が取消すとなった場合、賃貸借契約は無効になってしまいます。
賃借人は居住する権利を失いますので、退去しなければなりません。一方、賃貸人はそれまで受領した家賃などは返還しなければなりません。

しかしこの場合、民法第121条においては『行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。』と定めており、居住していた期間の家賃は返還しなくてもよいとされています。

また原状回復義務に関わるような修繕箇所があれば、これも同様に請求が可能となります。

親権者の連帯保証

親権者が連帯保証人となっている場合は、同意書を忘れていた場合でも、賃貸人と連帯保証人との債務保証は有効とみなされます。

すこし複雑な話になりますが、連帯保証人との「保証契約」は主契約である「賃貸借契約」が無効になった場合は、保証契約も消滅します。しかし第449条には「取り消すことができる債務の保証」の定めにより『取消すことのできる債務を保証した者が、取消しできる原因を知っていたときは、独立した債務を負担したと推定』できるとされているからです。

未成年の入居者が滞納したとき、親権者の同意がない賃貸借契約であっても、連帯保証人に親権者がなっている場合は、連帯保証人としての義務を果たさなければなりません。仮に賃貸借契約が取消され無効となっても、滞納家賃については連帯保証人に支払いの義務があるのです。

上記のケースでは、連帯保証人が親権者ではない場合、親権者の取消しにより賃貸借契約が無効になると、連帯保証人との保証契約も同時に無効になる可能性が高くなります。

親権者が連帯保証人の場合は、契約締結時に賃借人が未成年者であることを、連帯保証人は当然知っていたと考えられます。しかし、親権者以外の連帯保証人の場合、賃借人が未成年であると知らなかったことが考えられるのです。

つまり「取消しできる原因」を知っていなかったと考えられ、民法449条の規定が適用できなくなるのです。

まとめ

成年年齢が引下げられることにより、未成年者との契約は非常に稀なことになるでしょう。そのため、うっかりミスなどにより未成年者との契約締結が、逆に増加する可能性が高くなります。

親の同意書なしで契約してしまった賃貸借契約は、のちに有効なものにする方法があります。また連帯保証人として親権者がなった場合には、保証債務の履行により契約を追認することにもなります。

未成年者との契約には「親の同意書」と「親の連帯保証」を忘れないようにしたいものです。

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