「工務店×マーケティング」における課題とは?

近年、集客が難しくなってきていると感じている工務店さんは多いのではないでしょうか?

世帯数の減少により、今後、着工数が減少していくことは必然的であり、情報化社会になったことより顧客が工務店へ来場する数も減少傾向にあるというのが現状です。

さらに、昨今の新型コロナウィルスの蔓延により、ますます集客に頭を抱えている工務店さんも多いことかと思います。

これからの時代、「ただなんとなく」の集客手段では、寡占化必至の市場で生き残ることはできません。

必要なのは、戦略的なマーケティングです。

工務店はマーケティング機能を持たないことが多い

工務店の集客が難しいとされる大きな要因は、そもそもマーケティング機能を持たない工務店が多いことにあります。

当然ながら、工務店の役割は家を建てることです。

実際に建てるのは、大工さん。そして仕事を取るのは、営業職の役割です。

そしてそれを束ねる社長さんがいると。

極論でいえば、この3つの役割を果たす人さえいえれば営業できるのが工務店です。

そのため、広報やマーケティングのための人材を確保する順番が最後になりがちなんですね。

広報活動しているとはいえ、広報・マーケティング専門の担当者がいないという工務店さんも多いのではないでしょうか。

「自社集客」が発展していない

注文住宅建設のトップランナーである大手ハウスメーカーでさえも、集客のメインは住宅総合展示場であり、長年、「自社集客」に力を入れてきませんでした。

中小の工務店さんも、これまでは不動産会社からの紹介や地道なチラシ配布などで「なんとかなっていた」というところが実情なのではないでしょうか。

しかし、世帯数が減少し、ますます情報化社会になっていくこれからの時代では、広報に力をいれなければ集客は難しくなると言わざるを得ません。

実は工務店集客は一番マーケティングが必要な領域

これまで「自社集客」が発展してこなかった工務店ですが、実は、不動産業界の中でもとくにマーケティングが必要な領域だといえます。

その理由は、「3P(プロダクト・プレイス・プライス)」が決まっていないから。商品・場所・費用が決まっていない家づくりにおいて、顧客はなにで選ぶのかというと「会社」です。

不動産仲介会社も商品を持たないとはいえ、中古住宅という目に見えるもので品定めができます。

賃貸住宅も、建売・新築マンションも現物や決まったプランが見られますよね。唯一「家づくり」だけが、会社で選んでもらうしかないのです。

よって工務店こそ、会社のイメージが、集客力が、売り込む力が大切になってきます。

「工務店×マーケティング」の課題

現状の「工務店×マーケティング」の課題は、自社内に広報専門の担当者がいないこと。

そして、その結果、“複数社”に広報活動を外注していることにあります。

コミュニケーションコストがかかる

マーケティングを外注する上で最も苦労するのは、「コミュニケーションコスト」でしょう。

マーケティングといっても、施策は1つではありません。

・ホームページ制作をA社に
・チラシ制作をB社に
・セミナーはC社

このように、業務ごとに別々の会社に依頼している場合には、コミュケーションコストが2倍にも3倍にもなります。自社の情報や現状、目指すところを複数社と共有しなければならず、依頼「前」も依頼「中」も、コミュニケーションにかける労力が大きな負担となっているはずです。

少数陣営で、広報担当者がいない工務店さんでは、その負担を担っているのは社長さんや営業さんでしょう。

「ブランディング」がぶれる

工務店の広報において重視すべきことの1つに、「ブランディング」が挙げられます。

先述の通り、工務店は「会社」で選んでもらうしかありません。

顧客への“見せ方”を良くするのはもちろんのこと、そこには「一貫性」も必要です。

広報活動を複数社に依頼するとなると、ブランディングがぶれてしまう可能性があります。

やはり広報を請け負う各社には、それぞれ別の意向があり、こちらの意向を把握してくれる能力も異なるもの。

「A社は100点満点のバックアップをしてくれるけど、B社は正直60点くらい。」
「とはいえ他の業者も知らないし、変更するのも大変……」

このような状況では、一貫性のあるブランディングができません。

コストがかかる

広報活動における各々の業務を各々の業者に依頼すると、コストもかかります。

「コミュニケーションコスト」は、自社にあるのはもちろん相手側の各社にも生じるものですので、1社に依頼するより費用は増します。

“連携”が難しい

広報活動は、あらゆる戦略を同時に、あるいは段階的にやっていくものです。

たとえば「セミナー準備はA社」で「その周知活動はB社」となっている場合、A社とB社の連携は不可欠となります。

そこには新たにコミュニケーションコストが生じ、さらに進捗状況の共有や相互の確認作業など別の業務が発生します。

まとめ:工務店がすべきなのはマーケティング戦略の一本化

皆さん、集客に四苦八苦されていることと思いますが、工務店領域のマーケティングはまだまだブルーオーシャンで、「やれば伸びる」余地が大いにあります。

マーケティングが強い工務店は、むしろコロナ禍で業績が伸びているのも事実。

ここまでお話してきた課題を突破し、「工務店×マーケティング」を成功させる秘訣は、まず広報・マーケティング戦略を一本化することにあるでしょう。

これは自社内であっても、外注先でもいいのですが、とにかく目標に向けて筋の通った戦略をプランニングし、実施する体制づくりが不可欠です。

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