不動産登記受付帳から相続物件の物上げ戦術 看板力ゼロの1人社長でも反響が獲れる3ステップ

前回までの記事では、ある程度の経験値が必要になる「任意売却案件」の物上げを行う方法について公開してきた。

今回は、物件買取で仕入れる場合や売仲介の物元になるために、無名な不動産業者でも反響を狙える「不動産登記受付帳から相続物件へアプローチする方法」について。

>>>不動産登記受付帳の取得方法はこちら

まずは、上記リンク先の解説を参考に不動産登記受付帳を取得(開示請求)してみよう。
その請求の際、行政文書開示請求書の請求する文書の名称欄に「不動産登記受付帳 ○○支局 令和○年○月受付分(所有権移転相続のみ)」と記入すればOKだ。

所有権移転相続のみと書いても、現在の法務局のシステムでは、相続登記が掲載されている欄が含まれたリスト(頁)をピックアップして出てくるので、そのリストには他の登記原因分もいくつか紛れ込んでいる。

不動産登記受付帳から相続案件をチェックしていると登記原因のひとつである「所有権移転遺贈」が気になることもあるだろう。しかし、所有権移転遺贈は遺産分割対策による贈与や福祉施設への贈与、私道を市へ寄付したものなどが多く、登記情報を取得する費用と手間が無駄になりやすいため手を出さないほうがよい。

余談ではあるが、不動産登記受付帳を取得してみるとひと月あたりにとても多くの人が亡くなり相続登記されていることが分かる。一般社団法人相続診断協会によると日本全体では、1年間に約50兆円規模の遺産が相続されていく大相続時代に突入しているという。

では、物上げ反響を獲る為の3ステップについて見ていこう。

ステップ1・需要のある地域でリストアップ

不動産登記受付帳は、市区町村単位ではなく法務局の各支局が管轄するエリア単位で取得するため1ヶ月あたり数百件になることもあり、すべての登記情報を取得しようとすれば経費負担がかなり大きくなってしまう。

そこで、リスト化する時は下記のような自分なりの基準で絞り込むことをおすすめしたい。

・需要のある地区
・自社から車で30分圏内のエリア
・競合が少ない地区
・ハザードマップ内

ステップ2・所有者住所と異なる物件に絞る

相続登記はとても件数が多いので、ここでは登記情報を全部事項ではなく、所有者名と所有者住所の情報しか分からない所有者事項で調べた場合のやり方である。

所有者事項を取得したら、物件所在地(地番)と所有者住所を見比べて、所有者がその物件に住んでいるもの(つまり、自宅と思われるもの)を除外し、所有者が住んでいない(空家・貸家・親族居住中)であろう物件を自社の見込み客リストに入力していく。

住居表示実施エリアにある物件の場合、所有者が住んでいる自宅であっても、物件地番と所有者住所は完全一致しないので見分けにくい。しかし、○丁目まで同じなら、そいつは残念ながらビンゴだろう。そんな残念な情報は、眺めている時間の方が勿体ないので潔く捨てて次にいこう。

ちなみに、私が活動している大阪のある地域での相続登記の場合、自宅以外の物件である比率は約50%前後なので、200件調査すると100件程度をリスト化できることになる。

まだまだ無名な私の場合で、100件に対するDMの平均反響率は1%程度。
この数字が良いほうなのかは、自分のことを暴露してくれる同業者がいないため不明。

つまり、1反響のコストを単純計算すると、

受付帳リスト200件×所有者事項144円=28,800円
そのうち、約50%をリスト化するので、
見込みリスト100件×DM代100円=10,000円
登記調査・DM発送等の人件費20,000円

となり、1発目の反響コストは約6万円程度となっている。

もちろん、反響が取れても天秤に掛けられる競合が最低2社、多い時で8社ほどいており、媒介獲得単価としては最低でも10万円以上になる。(調子が悪いと30万円の時もある!)

一度作ったリストに2回目のアプローチをして更に反響が出た場合の反響コストは、
DM代と発送手間のみの約2万円程度、媒介獲得単価も5万円程度になる。
つまり、数件の反響が出たら1件あたりのコストは更に安くなる・・・
こんな思惑から不動産登記受付帳の相続登記を狙う同業者は少なくない。

ステップ3・所有者に2つの提案をする

登記情報は所有者事項で調べているので、物件の内容については全く分からない。
物件の内容が分からないので、所有者のニーズやウォンツは予測不可能。

ここでは、ターゲットの状況が不明なので、あなたが獲得したい理想の顧客が興味を持つ提案をダイレクトメールで伝えよう。

例えば、封筒の表に記載するティーザーコピーや手紙のヘッドライン(タイトル)を

・プロだけがやっている!相場よりも高く売る為の3大原則
・どんな物件でもお金を掛けずに最小のリスクで活用し不労所得を得る方法

にしてみるといった具合だ。

このキャッチコピーだと、売りたい人売りたくない人のどちらにも興味が湧くはずだ。
(もちろん、売りたい人だけに向けたキャッチコピーでも構わない)

相続登記を狙う時、次のことは念頭においておこう。

相続登記案件の所有者はお金に困ってない人が多い

少なくとも私の経験上からいえば「相続登記」の所有者の多くは「処分の制限登記」と違い、お金には困ってない。

お金に困っている所有者(相続人)の場合、相続登記と同時に売却していることが多く、そんな時は登記受付帳で「(連先)所有権移転相続」の直下に「(連続)所有権移転売買」となっている。

もちろん、そんな売却済の登記情報を取得してアプローチしても、徒労に終わる確率が非常に高いので登記受付帳の相続登記で(連続)となっている場合は注意して見るようにしたい。

DMでの物上げは効果測定と常に改善が必要

もし、あなたが期待を込めて送った1回目のDM(ダイレクトメール)で、電話が鳴らなかった場合は、DMに込めるものを期待ではなく相手の圧倒的なメリットに入れ替えて2週間後に再送してみよう。

今ここで、あなたも考えてみてほしい。

あなたがDMを受け取ったとしても、仕事が忙しくて見る暇もなくベットルームのサイドテーブルで他の郵便物に紛れているかも知れないし、読んだとしてもその日は新型ウィルスによる閉塞感から苛立ち、些細なことで愛する妻と口喧嘩になり、電話をかけようという気分じゃないかも知れない。

つまり、DMでの物上げは2週間後に2回目、更に1ヶ月後に3回目・・・と、
少なくとも3回はアプローチを続けた方が良い。

あなたがまだ、不動産登記受付帳から相続登記に物上げ(仕入れ)アプローチをしたことがないなら、ここでお話したことが今後の売上改善に役立つことを願ってやまない。

まとめ

最後に、これを言うと元も子もないかも知れないが、DM反響があっても多くの場合、媒介獲得までに他社と比較されてしまう。あなたがもし、個人事業主や1人社長で業務に忙殺され、見込み客を長期間フォローするよりも早く売上を上げたい時は、一括査定を活用する方が集客する手間が不要になるため大幅な時短になり、社長がやるべき仕事であるマーケティングに集中できるようになると付け加えておきたい。

<次回は、一括査定で反響に即レスできなかったけど媒介獲得率20%について>
なぜ、競合からもアプローチを受けているはずの所有者さんは、ほぼ一人でやっている看板力ゼロの不動産屋である私に任せてくれたのか?その手法や理由についてお話しします。

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