第1回は「渋谷エリア」、第2回「中目黒エリア(代官山・中目黒・祐天寺)」に続きまして、第3回は東急東横線の学芸大学・自由が丘エリアです。
※可読性を重視し各社の呼称には敬称を用いず表記させていただきます。
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第1回、第2回といずれもやはり首位には東急が君臨していましたが、ランキング上位勢の独占率は年々下落傾向にあり中堅層以下の存在感が増しているという状況でした。
渋谷から徐々に距離が離れてくると勢力図はどのように変わっていくのか、さっそく見ていきましょう。
売出件数ランキングについて
- 集計期間:2021/1/1~2023/12/31の間に売出を開始した案件
- エリア:東横線(学芸大学駅~田園調布駅)
- 単位:各社法人単位ではなく支店ごとに計上
エリアについて
今回は一気に2エリア「学芸大学」と「自由が丘」を取り扱います。
学芸大学エリアについては1駅だけで相当の取引数があるため単独で集計をしていますが、自由が丘エリアは、各社の取扱件数や駅ごとのランキングの顔ぶれを加味して、都立大学駅・自由が丘駅・田園調布駅の3駅をまとめて「自由が丘エリア」として集計を行いました。
学芸大学エリア
自由が丘エリア
紆余曲折はあるものの着地をみれば・・・東急1強!!
学芸大学エリアでは2022年まで三井のリハウスが1位でしたが、2023年に東急リバブルが一気に追い越し、大差をつけての1位奪取となりました。
リバブル学芸大学の数字はあまりに変化が大きいので、このタイミングで何かしらのテコ入れがあったのかもしれません。
勝手ながら「沿線では1位をとるべし」という気迫を感じます。
漠然と「電鉄系企業は自社沿線においては強いだろう」とは思っていましたが、立場的に有利という単純な話ではなく企業努力があってこそ守られるものなのだと思い直しました。
ちなみに、次回以降はお隣の東急線「田園都市線」を取り上げる予定ですが、今回集計対象とした渋谷周辺の東急沿線エリアにおいて独占率20%超を達成しているのはリバブル学芸大学の1店舗のみです。
この1年間に何があったのか、実施された広告施策や営業手法など知りたいことが山のようにあります。
近隣で知り得る立場にある方がいらっしゃいましたら、きっと何かしらのヒントがあるはずですのでぜひお調べ頂き「取り入れられる部分は取り入れる」「対策すべき点を洗い出しておく」などの動きは必須になるでしょう。
このエリアで順位を伸ばすのであれば「東急の数字をいかに崩すか」という話題からは逃れられないように思います。
番外編
最後にランキングにのった各社が、直近3年間(2021~2023年)に売出開始および掲載終了した案件について、平均の値下率と売出期間を集計したデータを以下に示します。
全ての売主様には個別事情がありますので、本データのみから読み取れることは非常に少ないですが参考までにご参照ください。
「平均値下率」
・売出開始時点の価格と掲載終了時点の価格の変動率
・売出価格2億以上は集計対象外(極端な価格変動事例を除外するため)
「平均売出期間」
・売出開始日を起点に掲載終了日までの日数
・売止、媒介業者の切り替え等による掲載終了等も含む