家賃値下げ交渉でオーナーから了承してもらうためのコツ

春先は管理物件の入退去が一番多い時期です。

また更新月にあたっている入居者も多くいて、入居者も「更新しようか?引っ越ししようか?」と迷われている人が多いようです。

ここで問題となるのが「家賃」です。

新しい入居者また更新する入居者から家賃交渉されたらどのように対処するべきか・・

管理会社としては、入居させたい・退去を食い止めたいという思いがありますが、オーナーが値下げを了承しなければどうにもできません。

そこで今回は家賃交渉でオーナーから値下げを了承してもらうための交渉のコツを現場の経験をもとにお伝えします。

家賃の値下げ交渉は

  1. 新入居者
  2. 契約更新する入居者

2パターン想定されます。それぞれ家賃交渉のコツが若干異なりますので、わけてご紹介いたします。

1.新入居者からの値下げ交渉について

空室になり入居者募集をかけ、何度も内覧に付き合いやっと契約一歩手前までこぎつけたと思ったら、内覧した入居希望者から「もう少し家賃下がりませんか?」の一言。不動産会社の営業としては、悩ましいところでしょう。

新入居者からの値下げ交渉は以下3つの例を参考にしてください。

  1. 交渉する部屋の空室期間が長い
  2. 時期外れでありなかなか入居希望者が集まらないことを訴求
  3. 物件の条件が悪く値下げをしないと今後入居希望者が集まらない

① 交渉する部屋の空室期間が長い

「この部屋はもう半年も空いています、60,000円の家賃が半年分の入金がないことは360,000円の損失になっています。
実際には原状回復工事もしているのでかけた費用もあるでしょう。多少値下げしても入居してもらってはいかがでしょうか?」

などと説得してみるのも方法です。

3カ月以上空室が続くとオーナーも多少焦りがでます。

入居したら入るはずであった家賃金額を提示して交渉してみましょう。

②時期外れでありなかなか入居希望者が集まらないことを訴求

人の出入りの多くは年末から春先、そして法人なら転勤がある7月と8月がメインです。

この時期を外すと次の移動時期までは全く動かないことがほとんどです。

むしろ時期外れで入居希望者がいることの方がまれです。

この場合も「この人を逃すと次の異動期まで何か月も空室のままです」ということをアピールしましょう。

③物件の条件が悪く値下げをしないと今後入居希望者が集まらない

オーナーは自分の物件のことはよく知っていますが、すぐ近くに住んでいても他の物件の内容や設備については知らない人が多いです。

他の物件の情報を持っている不動産会社としてはこの点をついてオーナーを説得するべきでしょう。

例えば

「近くの物件ではカメラドアホンやインターネット無料が当たり前になっています。
オーナーの物件で同じことをしようとすると設備投資がかかります。
競合するなら多少家賃を下げるのもありと思いますがいかがでしょうか?」

新規入居者への家賃値下げ交渉のポイントは「この入居者を逃さない」という事が重要です。

この人を逃すと損だということをオーナーに認識してもらえば十分家賃交渉の余地はあります。

2.更新する入居者からの値下げ交渉について

何年か住んでいる人から更新前の家賃値下げ交渉。

新規入居者よりも、すでに住んでいる方の方がむしろオーナーへは交渉しやすいでしょう。なぜなら、ほんとにこの部屋を出たいと思っているなら交渉せずに退去の連絡が来るはずです。

値下げ交渉が始まるということは、転勤や転職がなく今後もこの生活圏で暮らし続けることがわかります。

また現在の部屋をある程度気に入っており、条件が折り合えばそのまま住み続けたいのです。引越は入居者にとっても手間も費用もかかるものです。

多少安くなればこのタイプの入居者は長期契約者となる可能性が高いでしょう。

  1. 何年か住んでいて家賃滞納やトラブルのない優良な入居者である
  2. 家賃値下げしてもらいたい事情を伝える
  3. 経年した部屋から入居者が出ると原状回復にお金がかかる

①何年か住んでいて家賃滞納やトラブルのない優良な入居者である

これが一番アピールポイントとしては、ベストだと思います。

よい入居者が長く住んでいてくれればオーナーとしても嬉しい限りです。

「Aさんは部屋を気に入っているようですが、多少安くしてもらえば助かると仰っておられます。
いままでトラブルも家賃滞納も1度もない方なので多少交渉に応じられてはどうですか?」

このように伝えればオーナーも受け入れしやすいでしょう。

②家賃値下げしてもらいたい事情を伝える

家賃値下げしてもらいたい事情を伝えることも非常に大切です。

Aさん2人目のお子さんができて、奥さんがしばらく働けなくなった」と正直に伝えてみましょう。

オーナーの性格や考え方にもよりますが、入居者の事情をまったく考慮してくれない大家さんなど聞いたことがありません。

アパートやマンション経営者でしかも地元の人は評判を気にする方も多いです。

ぜひ臆せず値下げ交渉をしてみることをおすすめします

経年した部屋から入居者が出ると原状回復にお金がかかる

経験上値下げ交渉として一番効果があるのが「経年した部屋から入居者が出ると原状回復にお金がかかる」と伝えることです。

オーナーにとって一番痛いのが「現在住んでいる人が退去する」です。

退去だけならともかく、また部屋をある程度お金も手間もかけて修繕し再度募集をかけて、入居まで早くて1か月から2か月、時期をはずせば何か月も空室のままです。

優良な入居者でトラブルを起こさない人なら、オーナーは多少の減額に応じてくれるものです。

「この方はこの部屋を気に入っているようです、出て行かれるより多少家賃を下げても長く入居してもらったほうが得ですよ」
こんな感じでオーナーに伝えてみましょう。

まとめ

オーナーに対する家賃値下げ交渉について、新入居者と更新入居者に分けてお伝えしてまいりました。

相手に対して金銭的な負荷をかけることはかなり言い出しづらいことですが、長い目でみれば入居者を早く・長く引き付けることはオーナーにとっても良いことなのです。

入居者とオーナー双方にとってよい契約になるように頑張ってみましょう。

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