自分の得意な価格帯に合わせて新規開拓の営業を行う「営業マン本位のプライスゾーン戦略」について前回、詳しく解説しました。
>>>「営業マン本位のプライスゾーン戦略!自分の得意な価格帯の不動産を売ろう」
営業マンそれぞれが持っている金銭感覚や、理想の将来像などを頼りに得意なプライスゾーン見つけ出し、アプローチするべき顧客を決めるという不動産の営業戦略です。
心から欲しいと思える不動産を、自分が将来なりたいと思える人物に対して営業することは、不動産営業を楽しいものに変えてくれます。
しかし、いざプライスゾーン戦略を実行しようと思っても「自分のプライスゾーンが見つからない」あるいは「プライスゾーンが狭くて顧客が見つからない」などと言った問題にぶつかる新人営業マンも少なくありません。
今回は「営業マン本位のプライスゾーン戦略」の実践編として、さらに詳しくプライスゾーンの見つけ方、そして広げ方について解説させていただきます。
投資用不動産や個別株式など特定の金融商品にこだわらず、幅広い投資に関する記事を執筆。
外資系金融機関の日本進出をサポートするなど、金融業界のマーケティング戦略パートナーとしての業務も行う。
プライスゾーンは知識量によって広がる
営業マンのプライゾーンを知るためには、物件を購入するための金額を稼ぐための労力と、その物件を手にしたことによる満足度や収益を掛け合わせて検討する必要があります。
具体的な物件資料を見ながら、将来の自分が購入したいと思える物件であるかどうかを真剣に精査します。
このステップで重要となるのは、不動産に関する知識量です。
不動産には様々なタイプの需要や購入動機があります。
単純に儲かれば良いとだけ考えて購入されるほど不動産の売買はシンプルなものではありません。
このため、プライスゾーンを探るためには、不動産の購入によるメリットについて多くの知識を持っておくことが大切になります。
もしも「自分に合ったプライスゾーンが見つからない」という方がいれば、それは不動産に対する勉強不足だと言わざるを得ません。
また、「自分のプライスゾーンが狭すぎる」と感じる方は、不動産が持つ様々な魅力のうちの大半を見落としてしまっている可能性が高いです。
不動産に関する知識を深めることで、しっかりとプライスゾーンを捉え、そして広げていくように努めてください。
顧客の悩みからプライスゾーンを広げる
営業成績が振るわず、将来の自分が不動産を買えるとは思えないという自信のないタイプの営業マンも数多くいます。
現在の月収や年収、不動産の販売によって得られる報酬などを想像しようにも、今のままでは購入できるのが30年後や50年後などと遥か未来の話になってしまうケースもあるでしょう。
不動産購入について具体的なイメージを持つことができない方は、新規開拓営業で出会った見込み客から不動産購入によって解決したい悩みについて、じっくりとヒアリングをしてみましょう。
不動産に期待されているメリットについて理解を深めることができるだけでなく、「随分と真剣に自分の悩みを聞いてくれるな」と顧客は喜んでくれるでしょうから一石二鳥です。
売れない時期が続くと営業マンは気持ちが落ち込んでいくものですが、このような姿勢で営業に臨めば、毎回の顧客訪問が楽しいものとなるでしょう。
節税メリットを徹底的に深堀りする
毎年の税法改正によって少しずつ優位性が失われていますが、不動産に対して節税効果を期待する顧客は依然として多いです。
稼いでいない状態で勉強することは難しく、稼いでから勉強しては遅いのが税金なのですが、営業をするからには不動産の節税メリットについては十分な知識を持つようにしましょう。
例えば、年間で総額10億円の不動産を売った場合に得られる報酬と、それに対して支払わなければならない税金について計算してみてください。
いったい誰のために働いているのだろうとサラリーマン人生に疑問を感じるほどに、多額の税金を支払わなければならないことが分かります。
そこで不動産の出番です。
収入に見合った最適な価格の不動産を購入することによって、支払うべき税金が大幅に減少し、十分な節税メリットがあることを認識できるでしょう。
また別の機会に詳しく解説しますが、不動産とは「物件」「税金」「融資」の三位一体で成り立っているものです。
不動産の営業を続けていくためには、税金の知識は避けては通れないものです。
早い段階から勉強を始め、徹底的に税の知識を深掘りするようにしてください。
ワンランク上のもうひとつのプライスゾーン
プライスゾーン戦略を実践していくと、多くの営業マンが自分のなかに2つのプライスゾーンを持っていることに気づきます。
例えば、1,500万円近辺をプライスゾーンだと感じていた営業マンが、1億円弱の価格帯にも魅力を感じます。
ふたつめのプライスゾーンは最初に見つけたものの3倍から5倍程度の価格帯になるケースが多いですが、人それぞれ違いがありますので、改めて自分のプライスゾーンを見つけるために物件に向き合ってみてください。
ワンランク上の物件を、ワンランク上の顧客に対して営業できるようになりますので、さらに不動産営業が楽しいものになることは想像に難くありません。
上下のふたつのプライスゾーンでの販売実績を作ることができると、その間にある価格帯の物件についても「得意ではないけど売れるかもしれない」という気分になってきます。
こうして営業マンとして顧客に勧めることができるプライスゾーンの幅が飛躍的に広がります。
不動産営業マンのためのプライスゾーン拡大戦略まとめ
自分の得意とするプライスゾーンを広げ、対象とする顧客の幅を広げるための方法について解説を行いました。
ボールペンやパソコンなどの営業とは異なり、不動産営業では自分が実際に使っているアイテムを売るというようなオススメの手法が使えません。
だからこそ、将来の話にはなりますが自分が購入することを真剣にイメージして、その物件の価値について考えることが大切なのです。
また新人の頃に思い描いていたプライスゾーンが、営業での経験を積むことによって変化していくことがあります。
以前は絶対に手に入れたいと考えていた価格帯の物件に魅力を感じなくなったときには、営業マンとして成長しているのだと認識するようにしてください。
過去のプライスゾーンに思い描いていた感覚は残りますから、自分の内面とは裏腹に売り続けることは可能です。
様々なプライスゾーンをストックしていくような感覚でしょうか。
こうして圧倒的に広いプライスゾーンを手に入れたとき、不動産の営業を心から楽しいものだと感じられるようになります。
勉強ばかりの毎日が続きますが、楽しい未来のために頑張りましょう。