センチュリー21・ジャパン全体の売上と利益
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けた2021期ですが、上期(4月~9月)の実績と前年通期に対する進捗率・前年同期比は以下のような結果です。
金額(百万円) | 進捗率(%) | 前年比(%) | |
営業収益 | 1,816 | 44.2 | 86.7 |
営業利益 | 483 | 43.7 | 81.9 |
2018期からの推移を、通期と四半期ごとの実績で確認すると以下のとおりとなります。
前年同期比は以下の四半期ごとの営業収益と営業利益で確認できます。
2Qでは持ち直した様子が見えますが、下表のとおり前年同期を下回っており新型コロナの影響はまだつづいていると判断できそうです。
*下表は2021期の1Q、2Qの四半期ごと実績を前年同期と比較した結果です。
1Q21 | 2Q21 | |
営業収益 | 82.2% | 91.4% |
営業利益 | 68.7% | 97.3% |
センチュリー21の営業収益は、ほとんどが加盟店の売買取引額に左右されます。
コロナ禍の減収もデータとして加盟店取扱高を確認すると状況がみえてきます。
全国加盟店の増加と加盟店の取扱い総額を確認してみましょう。
店舗数は2021期上期現在で2020期末よりも減少(978→974)しています。
さらに1店舗あたりの取扱高の月平均値を見ると、これも減少傾向がみられます。
2018期は月平均7,037万円の取扱高が、2021上期には月平均6,047万円と約14%ダウンしており、店舗数の減少傾向と平均取扱高の低下は今後の業績への懸念となり、注視しなければならないデータのひとつです。
「センチュリー21・ジャパン」セグメントごとの売上
セグメントは次の4つになります。
2. ITサービス収入
3. 加盟金収入
4. その他
セグメントをみていくと各事業シェアは、あまり変化なく推移しています。
メインのサービスフィー収入は、加盟店の取扱高に応じて支払われるロイヤリティーであり、加盟店の業績により左右されます。
前期比進捗率は50%を超えていますが、2018期との比較では進捗率が50%を割込んでおり、加盟店取扱高の低下は否めません。
今後増加を見込んでいるITサービス収入は、前期比進捗率が50%を超えており、非対面接客の浸透により2019期の水準までの成績が期待できそうです。
センチュリー21・ジャパンの短期的な戦略
2021期は998店舗を目標としていますが、新型コロナの影響で新規店舗の商談機会が失われ、上期末時点では減少傾向がみられます。
2020年4月に支店昇格した北海道では、6月末より1店舗減少し下期の加盟店増加を図りたいところですが、11月に入り北海道とくに札幌市は感染拡大第3波ともいえる状況になりました。
エリア別累積店舗数の推移は以下のとおりであり、伸び悩みの傾向がみられることは否定できない状況です。
冬季を迎え新型コロナウィルス感染症の影響は予断を許さないと言え、短期的には2021年5月頃まで要注意期間がつづくように思えます。
*参考文献
https://www.century21japan.co.jp/ir/dis_info/pdf/20201106.pdf
センチュリー21・ジャパンの長期的な戦略
長期的な戦略として、2021期に入り立てつづけに業務提携による、加盟店支援策を導入しました。
1. 2020年7月よりAR株式会社との業務提携により、VR作成アプリ「VRROOM」を加盟店が利用できるようにし、専任媒介契約の受託率向上を図ることとしました。
2. 2020年7月よりリビングポイント株式会社(日本リビング保証株式会社100%子会社)との業務提携により、新築住宅瑕疵保険の10年保証を20年間に延長するサービス「建物20 年保証バックアップサービス」を、加盟店が購入客に提供できるようにしました。
3. 2020年10月よりイタンジ株式会社(株式会社GA technologiesグループ会社)と業務提携し、賃貸不動産管理システム「ITANDI BB」を加盟店に導入することになりました。
これらの業務提携は、加盟店の増加と専任媒介受託件数を増加させる営業圏内でのシェア強化策であり、効果を確認するにはある程度の期間が必要となるでしょう。
*参考文献
https://www.century21japan.co.jp/news/pdf/20200713AR_VRROOM.pdf
https://www.century21japan.co.jp/news/pdf/20200715LivingPoint.pdf
https://www.century21japan.co.jp/news/pdf/20201001Itandi.pdf