私の所属する朝日リビングは、一都三県に11営業所があり正社員は約120名、パートタイマーなど含めると300名規模の会社です。
私は2007年から管理職となり、年間の営業所成績1位を6度に渡り経験いたしました。
そして現在は、11営業所を任される「統括指導者」という立場になっております。
7回目である今回は、管理職で成功した5年目から行った『4つのモチベーションコントロール術』を紹介します。
※前回の記事はこちら
①心のバランスは50%
営業職でもそうですが、自分の力量を120%出すと反動が必ず来ます。
それは心のバランスにも同じことが言えており、愛社心100%というのは、私は違うと考えます。
心というのは、とても繊細であり恋愛なども同じことが言えるのですが、想いが強くなるにつれて人はその想いに対し、100%の情熱を注ぎます。
しかし現実は残酷なもので、人はおのずとその想いに対し「見返り」を期待してしまうのです。
その「見返り」が自分の想いに相応しくないと思えば、逆に不信感などの「負」の感情が芽生えてくるのです。
恋愛などで好きが暴走し、ストーカーなどになるのは、こういった傾向でもあるのです。
我々、社会人としても、会社に対する想いが強い人ほど、成績が良く、よくある話ですが優秀な社員ほど独立してしまうなどの傾向が出ているものと思います。
私自身も会社を辞めようと思ったことは100回を超えます。
そこで、会社に対しての「想い」をコントロールする事に努めました。
考え方は、
自分のスキルアップなど会社を利用している「想い」を50%
と考えるようになりました。
元々、新卒社員は初めての会社で、会社に対する「愛社心」が非常に高い状態です。
会社の為にと思えば思うほど、その見返りとして注視されるのが「評価」「給与」になります。
現実、会社側からすると業績の良い社員に対し、満足させられる評価と給与はどの会社もなかなか与えられないのが実情です。
世の中には「社畜」と言う言葉がある通り、サラリーマンで定年まで迎えたら会社を去っていく時は「虚しさ」だけが残る結果なるのが目に見えております。
自分のスキルアップが会社を利用して得られるという気持ちを50%にして「利用されている」「利用している」をバランスよく50%に保つことが長続きする秘訣、というのが私の持論です。
よく人から成功する秘訣は?と言われると私は
と答えます。
長くやることはそこで培った知識や経験が生かせるので、成功への近道だと思います。
長くやるには、この心のバランスを保っておかれる事をお勧めします。
②自分の力量にあったおごり
プロ野球で有名な野村克也監督の書いた著書で、
と書かれておりました。
私自身も、かつての上司は羽振りが良かったのもあり、自分自身も管理職についたらよく部下へおごっておりました。
しかし、部下が10数人までなると、一回の飲みやカラオケなどでは多い時では数十万円吹っ飛びます。
私自身は家庭も持っている普通のサラリーマンですから、給与の半分ぐらい吹き飛ぶことがざらにあり、営業時代稼いでいた貯金をすり減らす毎日を送っておりました。
そこで、部下から反抗的な態度であったり、さぼっていたりとしていた時に、自分の気持ちが抑えられなくなってしまい、「お前らにいくらつぎ込んだと思っているんだ・・・」と心の中で思うようになりました。
そんな気持ちを振り返るたびに「なんて器が小さいんだ」と自分に落胆したものです。
そんなときに読んだ稲盛和夫さんの著書の中で、上司の部下に対するおごりの話が出ており、気付きました。
自分の器量にあったおごり方をすれば良いのだと。
私は、そこから例えばお会計で5万円だったら、3万円は払ってあとは自分たちで払ってねという感じに切り替えました。
管理職として「皆が頑張って働いているおかげで自分の給与が支払われているんだから」という気持ちになり、部下に対しての気持ちのコントロールが正常化されて行きました。
自分の「器」にあったおごりを心がけましょう。
ただし、「ケチ」にならない程度がいいと思います。
③ストレス発散はお酒に走らない
お酒は一時的に、ストレスの発散になりますが、非常に良くないと考えます。
社会とはストレスが蔓延しており、それぞれストレスの解消法があると思うのですが、管理職として、この「お酒」に走るのは十中八九良い話を聞きません。
社内の人間でお酒を飲みながら話をするのは、とても良いことなのですが、部下からみて上司の嫌な事は上司からの「説教」や「武勇談」です。
上司の中にはお酒が入らないと「マネジメント」できない人もいて上司はお酒を飲んで、部下へ良い話が出来たと満足してしまいがちです。
部下とお酒を交わす時の正解
お酒を飲んで部下との正しい付き合い方は、部下が普段言えずに溜めている事をお酒の力で言わせるのが正解です。
その不満や意見などを如何にくみ取るかという事であり、決して飲んで教育など思わないことです。
ただ、社外の人間とお酒を酌み交わす事は大賛成です。
もしストレスを発散したいならば、同じ立場の人か自分より上の立場の人がとても刺激になると思います。
お酒は医学的にも基本的には体に良くないので、ストレス発散は
「声を発する」→カラオケに行く、車で移動中に大声で歌う
「笑う」→漫才など見る、YOUTUBEなどもお勧めです。
「寝る」→睡眠をきっちりとる。7時間以上
管理職は上と下に挟まれ、数字の責任感などもあり、とてもストレスが重くかかってくる立場になります。
ストレスから解放されるにはそれも「仕事」として向き合ってください。
管理職がストレスで精神を削られると、自分自身もダメージですが、部下への影響も大きくなり、会社全体にも響いてきます。
ストレス発散を身に着ける事は管理職として最重要ポイントかもしれません。
責任感が強いのも管理職として重荷になるので、私は「半分責任感」という考え方です。
「半分は自分を管理職として任命した会社の責任」
と考え、割り切っていきましょう。
最悪だめなら会社が責任をとるのだから、という都合の良い時だけ「だってそれがサラリーマンじゃない」と考えれば楽になるはずです。
④夢や目標を持つ事が大事
管理職には、会社から「業績目標」「部下への教育」と、2つの課題が与えられていると思います。
管理職として、成果を上げたい・部下へのマネジメントで成長させたい、などということを中心に日々仕事をしていると思うのですが、本当の夢や目標を見失いがちになります。
どうしても目先の事柄ばかり気になりがちなのが、この管理職という職種なのです。
前回、部下に「夢や目標」を指示してあげるのが上司の役目という話をしました。
自分自身も管理職でありながら、その会社から与えられた業績目標以外の「夢や目標」を見つけないと、上で書いた「社畜」なってしまいます。
私は「将来、不動産コンサルタントになりたい、実績のない人の話は説得力がないから、それにはずっとトップラインで実績を積み上げて、全国の不動産業者へ成功への近道を教えて回りたい」という目標がございました。
その大いなる目標に向けて、くじけそうな時も「将来コンサルになるからこんな時も経験として話せる」と自分に言い聞かせながら自分自身を鼓舞しておりました。
今は、その夢も取り掛かっており、将来は不動産営業は一つの学問として成り立たないのか?学問として確立させたいという壮大な夢を描いております。
管理職として、将来会社の未来のために「部長や役員を目指す」でもいいし、独立したいという夢もいいし、かならず今ある目標以外に「夢」を持つことで、自身のモチベーションをコントロールできると思います。
以上管理職としてのモチベーションコントロールでしたが、結構管理職で「自殺」してしまう人も多いと言います。
東京大学大学院医学系研究科の小林廉毅教授らの研究チームで「日本韓国では管理職・専門職男性の死亡率が高い~日本・韓国・欧州 8 カ国を対象とした国際共同研究で明らかに」という論文が2年前に発表されておりました。
この文章を読んで、少しでも管理職の考え方の緩和に繋がればいいなと思っています。