選ばれるリノベーション会社になるための必須条件

新築よりも築古物件をリノベーションするニーズが増えています。

リノベーションは工事範囲も広く規模も大きく金額は高額になります。

そのためリノベーションを計画する住宅ユーザーは、より慎重にリフォーム業者を選択しようとします。

住宅ユーザーはどのような基準で選択をするのでしょうか?

あるリフォーム事業者がおこなったアンケート調査の結果がリリースされ、そのリポートからユーザーが重視するポイントが明らかになっています。

この記事では工務店が営業戦略を考えるうえで重要となる、ユーザーが選択基準として捉えているポイントについて解説します。

リノベーション会社がおこなったアンケート調査

リノベーションを検討する住宅ユーザーはどのようにリフォーム会社を選び、どのようなメディアを参考にしているのかランキングは以下のとおりです。

リフォーム会社

選びのポイント

ランキング リフォーム会社選びで

参考にするメディア

料金体系のわかりやすさ 1 検討している会社のWebサイト
施工技術の安心感 2 複数の会社をまとめて紹介するWebサイト
デザイン性の高さ 3 Google評価などの口コミ
アフターフォローの手厚さ 4 知人の口コミ
自由度の高さ 5 その他
会社の雰囲気と信頼感 6
担当者の雰囲気と信頼感 7
希望工事内容の専門性 8
その他 9

出典:PR TIMES「リノベ会社の選定基準はデザイン面よりも透明性や安心感。東京都在住30〜40代の既婚男女を対象に、リノベーション会社選びで重視するポイントを調査。」

リフォーム会社選びのポイントでは、どの項目も妥当な判断軸でありランクはついていますが、外せない項目と言えるでしょう。

「料金体系のわかりやすさ」が1位にランキングされることは、リノベーションだからこその一面もありそうです。

リノベーションは工事範囲が広く、さらに新築と比べて「既存解体」や「既存部分を残す」などの、新築にはない作業内容・工程があります。

工事費の内訳はリフォーム会社によって、内訳の表示方法が大きく異なります。たとえば一括リフォームの大手上場企業は「一式定額制」をアピールポイントにし、追加工事なしの安心性を強調しています。

定額制のため内訳の表示はありませんが、定額に含まれる工事内容とプラスアルファ要素を明確に提示することにより、一式見積りでありながら「わかりやすさ」が強みになっているのです。

一方こまかな工事明細書を添付して、より透明性とわかりやすさに徹するリフォーム会社もあります。

工事見積の透明性

「複数社からの見積り」がネット上でも勧められており、今や見積りは「相見積りが常識」になっています。

そのため「料金体系のわかりやすさ」はもっとも重要な判断軸であり、施工技術の安心感18.4%を大きく離して23%と1位にランキングされる所以と言えるでしょう。

また新築需要が減少し相対的にリフォーム市場が大きくなっている今日、リフォーム業界に新規参入する事業者が多く、事業者の質は玉石混淆となっています。

そして事業者とのトラブルで多いのが「工事代金」に係るものであり、リフォーム詐欺や追加工事の不当請求など悪質な事例もあります。

トラブルが起きやすいのは訪問販売などに代表されるような、1社だけとの商談であった場合が多く、複数社見積りによる比較検討が必要であると言えるでしょう。

したがって複数社による相見積もりを前提として、他社との差別化をどのように図るかが重要なことになるでしょう。

施工方法を公開する

インターネットの普及により多くの一般消費者は、現在の建築技術や住宅リフォームの技術的な点について、たいへん詳しく知ることが可能になっています。

工務店なども自社の技術的なポイントや専門職人の紹介など、Webサイトを活用して情報発信するようになりました。

このような動きはリフォーム・リノベーション技術の共有化をすすめ、リフォーム業界そのものの技術レベル向上に役立っています。

このような技術レベルの向上と情報公開は、リノベーション工事の発注者が検討している会社の技術レベルを判断することに役立っており、安心感を与える結果になっていると考えられます。

逆に情報発信のすくないリノベーション事業者に対しては、その評価は低くなることが予想され、事業者間の差別化を図る要素にもなっていると言えるでしょう。

デザイン力の向上

リノベーション計画に建築家やデザイナーが係わる事例が多く、たいへん質の高い “作品” とも呼べる実施例もあります。

デザイン力の向上もやはりインターネットによる、情報量の豊富さが寄与していると言えるでしょう。

多くの実例が公開されることにより、建築家やデザイナーにとってはデザインコンセプトを、より洗練されたものにする刺激となっています。

リノベーションは単なるリフォームと異なり、間取りの変更を含めた大がかりなものが多く、既存の住宅のイメージを一新させる空間構成が可能です。

リノベーション発注者にとっても住空間が新しくなり、オリジナリティあふれるデザインの魅力は、リノベーション最大の目的とも言えます。

自社Webサイトの充実

会社選びで参考にするメディアとしては、検討している会社のサイトが1位の32.2%になっています。

2位は27.3%で「まとめサイト」がランキングされました。

自社サイトの重要性は非常に高く、コンテンツの質やボリュームそして更新頻度を高め、情報発信が適切におこなわれているか検証しなくてはなりません。

アクセス解析や反響率などのWeb分析も必須であり、スタッフ教育の面ではデータリテラシーの向上も欠かせないポイントです。

WebサイトだけではなくSNSの活用により、双方向の情報伝達やコミュニケーションが可能です。

Web上での「リフォーム・リノベーションの無料相談」などは、新規客の獲得や顧客を育成するツールとしても有効です。

また「まとめサイト」が2位になっていますが、まとめサイトから自社サイトへの流入が期待できるため自社サイトの充実は欠かせません。

ほかにも自社サイトへのアクセス数を増やすにはSEO対策に加え、Web広告の活用も検討する必要がでてくるでしょう。

まとめ

リノベーション会社を選択する重要ポイントとして3つの要素と、選択するにあたって参考にするメディアについて解説しました。

メディア戦略はインターネットの活用が必須であり、企業ブランディングの中心に据えなければなりません。

設計図面・仕様書・見積書といったプレゼンテーションツールも、わかりやすさ “伝える力” が必要です。

これまでの方法でよいのか、改善点はないのかなど検証の必要性も考えることになるでしょう。

リノベーションは今後ますます増加すると予想されます。

リフォーム業界が健全に発展成長し、住宅ユーザーにとっても安心してリノベーションを実施できる業界構築が求められます。

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