前回で反響来店率のおおまかな指標をまとめてみた。(前回の記事「賃貸仲介業における反響来店率の平均値はどれぐらいなのか?」)
今回はそれを踏まえたうえで反響来店率向上のポイントを紹介したい。
ひとえに反響来店率の向上といっても、これは意外と奥が深いものだ。
反響来店率向上を徹底的に突き詰めていくと店舗のマネジメントも強化されるし、会社のブランディング強化にも繋がる。
いろいろなインパクトがあるので、是非これを機に「反響来店率」に注意を向けてみても良いかもしれない。
【賃貸仲介】反響成約率向上ポイントまとめ
来店、接客をしてもらえるだけの充分な店舗情報を事前にユーザーと共有できているか。
まず反響が来た時の対策以前に、ユーザーが「問い合わせした不動産会社の情報を手に入れらているか」という前提条件が重要になる。
わかりやすく言えば、「その不動産会社に来店したいか否か」というごく基本的な課題を整備することが、反響来店率向上のまず最初の一歩だということだ。
まず、自社のホームページがきちんと更新されているか、また店舗内の写真は多く掲載されているか、また店舗の雰囲気などがわかりやすく伝えられているか、さらには担当者の写真(イラストでも)やプロフィールが掲載されているか、などを注視する必要がある。
ちなみに、とある会社では以前、反響来店率、成約率がいずれも課題だった。
この不動産会社では、反響返信の対応スピードや返信の内容に何も問題はなかった。
しかし残念ながら、会社のホームページには全く力を入れていなかった。
いかにもあり合わせで作ったようなもので、ほとんど更新もなく、ユーザーの返信メールにもホームページのリンクを添付していなかった。
そこで反響返信の応対の対策よりも先に、これまでのホームページの見せ方を見直し全てを作り変えた。
ホームページには、会社のビジョンや思いを伝えるようにし、店舗の写真をふんだんに使いスタッフのプロフィールや写真をわかりやすく目に留まるように工夫した。
これにより、苦戦していた反響来店率は大幅に向上した。
元々、しっかりと反響対応フローは整えていた会社である。
まさに鬼に金棒である。
反響来店率に悩んでいる企業はまず対策前に、ユーザーから自社がどのように見えているか、を検証することが先決である。
返信率のスピードの担保をどのように行うのか
上記のような前提をクリアしたら、いよいよ反響対応からの対策である。
まずなによりも反響返信のスピードである。
返信が早ければ早いほど、より確実に反響来店率は向上する。
また自動返信などの対応を標準装備で入れていても、結局はスタッフの直接メッセージが必要になることが多い。
重要なのは、リアルな対応方法である。
とある会社では反響が来た段階でメール通知音を鳴らすような対策をして対応していた。
またとある会社で、始業から終業までかなり細かく反響対応の当番を決めていた。
当然、いずれの会社も反響来店率は大幅に向上した。
また、とある会社では業務委託のスタッフを使い、朝7時半から夜23時までへ対応時間を大幅に広げた。
実際のところ、反響が多い時間帯は夜20時〜23時あたりである。
この時間に即レスでアポイント調整をすることは、他社と大きく差をつけるポイントになる。
営業時間を延ばすわけではなく、上手くバイトやシフトの調整をしながら、反響対応時間を延ばして見ても良いのではないだろうか。
ちなみにこの対応時間を延ばした不動産会社の反響来店率は、私が知っている限りどの会社よりも高い数値をキープしている。
チャットは、会話のテンポを重視。メールは、返信内容の濃さを重視
チャット対応とメール対応は、返信率を上げる方法がそれぞれ異なる。
まずチャット対応に関しては、なんといってもテンポである。
文章が長くなり過ぎないように、シンプルで短い文章で返信していく。
もし仮に、返信文が長くなりそうな場合は何回かに分けてチャットを送る。
また、質問を軽くしながら会話を続けていくのがチャットのコツだ。
このような取り組みはどうしても業務になると冷たい対応になりやすい。
また、ユーザーとの距離感もなかなか計りづらい。
本当に対応が上手いスタッフは、このあたりの押し引きがかなり絶妙である。
スタッフの対応を見直し、成功事例をきちんと共有していくとこが重要だろう。
また、メール対応に関しては、チャットとは真逆でなるべく少ないやり取りで完結させるようにすることがコツだ。
物件の情報や店舗の情報などをわかりやすく纏め、アポイントを促す。
メールの応対は、現在はなかなかユーザーも億劫になっている。
どれだけ少ない応対でアポイントに繋げるかに心血を注いだ方が良い。
WEB反響に対し、電話連絡をしたほうがよいか
WEB反響には、ユーザーの電話番号が記載されていているものがある。
昔はこうした反響に対しては、何の抵抗もなく電話をしていた不動産会社が多かったが、今は時代が異なる。
かなり電話に抵抗感のあるユーザーが増えている。
なるべく不動産会社としては、電話のアポ時間の調整をした方が良いだろう。
「お電話でご挨拶、ご希望条件ヒアリングしたいのですが、〇〇日、〇〇日でお話し可能なお時間ございますでしょうか?」というように事前に電話アポイントを打診した方が良い。
こうした気遣いも、反響来店率を向上させるポイントになる。
前日連絡は必ず必要
アポイントの前日には必ず担当者からユーザーに連絡するようにルール化しておく。
これは、多くの仲介会社で実践しているがやはりかなり効果的だ。
悲しいかな、現実的に内見アポイントのキャンセルは多い。
こうしたアポキャンを防ぐための前日連絡は、まだ導入していない不動産会社は必ず導入した方が良い。
もし電話で前日連絡を実施する場合は、詳細をヒアリングできるので成約率を向上させることもできる。
まとめ
以上のように、ひとえに反響来店率を向上させるといってもそこには様々な施策がある。
冒頭に述べたように本気で来店率を上げようと検討すると、社内のマネジメント体制やオペレーション体制の強化、さらにはブランディングの強化も打っていかなければいけない。
逆説的になるが、このような体制強化を図るために反響来店率を上げるための施策を打っていくのもひとつかもしれない。
また昨今はオンラインでの商談、内見も増えてきた。
しかしながら、やるべき取り組みの基本はあまり変わらない。
今回紹介した諸々の取り組みをアレンジしながら様々な対策を打ってみてほしい。
反響来店率向上の取り組みは、会社の変革の第一歩になり得るのだ。
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