不動産仲介会社のお手伝いをしていると、必ず現場から言われる指標として「反響成約率」や「反響接客率」があげられる。
ご承知のかたも多いと思うが、獲得した反響からどれだけの数のユーザーを成約できたのか(反響成約率)、また獲得した反響数からどれだけの数のユーザーを接客できたのか(反響接客率)、などの指標である。
これらの指標数値は、以前も寄稿させて頂いたように不動産会社によって大きく異なってくる。
たとえば反響接客率は平均的には30%ぐらいかと推測されるが、とある会社だと15%にも満たないこともあるし、他の会社では40%を超えることもある。
この違いはなんだろうか?
多くの不動産会社様の反響対応を見てきた経験上、自社の努力である程度までは接客率などの数値を上げることができる。
しかし残念ながら、それはある一定の数値までだ。
どれだけ対策を練って努力しても、上記の指標数値が高止まりしてしまうことが往々にしてあるのだ。
たとえば反響の返信のスピードをどの会社より早くしても、またテンプレートなどを他社よりも質の良いものにしてみても「返信がない」、「来店を獲得できない」ということが多々ある。
またいっぽうで、それほど対策を打たなくてもかなりの確率で来店を獲得できる会社もある。
こうしたケースはこれまでたくさん見てきた。
おそらくこれは「反響の対応云々」以前に、「反響そのものの質」が問題なのではないだろうか。
そう考えると同じ反響対応をしても「他より返信率が高い反響」、「他より成約率が高い反響」が「質の高い反響」になるだろう。
こうした「質の高い反響」を獲得するための条件とはどのようなものだろうか。
まず、ポータルサイトであればその掲載物件が「自社のみの掲載」であるかどうかが重要だ。
多くの他社も同様に掲載されている物件だと、反響は分散される。
なるべく物件情報がオリジナルであればあるほど、確実に来店率(接客率)を上げることができる。
また「情報のリッチさ」も重要だ。
以前までは「一件あたりの掲載情報のコントロール具合」で接客率を上げていた。
たとえば、物件の情報開示を一部だけに留めて「残りは店頭で説明します」という手法だ。
これは今では全くトレンドではない。
現在は、いかに掲載情報に多くの情報を盛り込めるのか、が重要になる。
また、不動産会社自体のブランディングも重要である。
問い合わせをしたい不動産会社のホームページはしっかり更新されているか、またSNSも定期的に更新されているか。
ユーザーは、物件のみならずその掲載会社の内容もしっかり見るのだ。
当然、更新されているだけではなく、しっかりとそれらのサイトやSNSで、自社の特徴もしっかりアピールもしなければならない。
以上のように「物件自体が他社では掲載されていないもの」、そして「掲載情報がリッチなもの」、そして「自社のホームページなどがしっかり見栄え良く、更新されている」という条件をクリアすれば「反響の質」は大きく向上する。
ユーザー目線で考えれば、「この物件はこの会社のみでしか紹介していない」→「物件情報を見て、明確に住まいのイメージがついた」→「来店する不動産会社も安心できる」というステップを踏むことになる。
逆に、「他社でも掲載されている」→「掲載内容だけだと物件の良し悪しの判断が難しい」→「内見をお願いする不動産会社もよくわからない」という状態だと、なかなか内見や来店をしようという気が起こらないだろう。
ちなみに、最近SNSツールを使った物件掲載施策を多くの不動産会社が取り組んでいるようだが、なかなか内見、来店までには至らないことが多いようだ。
もしかしたら上記の「質の高い反響」を獲得する施策という視点が抜け落ちているかもしれない。
では、こうした「質の高い反響」を獲得するにはどうしたら良いか。
まず、一番ベストなのは、「専任を獲得する」ことだろう。
(専任媒介でも問題はない)反響の質を上げるために、積極的にオーナーに専任獲得の営業をする仲介会社も多く存在している。
またそれが難しい場合は、掲載情報を他社よりも速く、最速で上げるようにしておくことが良いだろう。
「新着物件」をしっかり確認し、その日のうちに掲載する。
掲載のスピードは質の高い反響獲得において、かなり重要な要素になる。
他には、やはり言わずもがなだが物件写真、コメントの充実だろう。
けっして良いカメラや、技術はいらない。
どちらかといえば「しっかりと情報を網羅」することに気をつけたほうがよい。
たとえば、駐輪場や共用廊下などの共有部や、室内全体がわかるアングルなどがそうだ。
「良く見せよう」という視点と同時に、「全体の情報をユーザーに把握してもらうように見せよう」ということを忘れずに掲載することが大事だ。
最後は、自社のサイトやSNSなどの見直しだ。
無理にホームページに物件を掲載する必要はないが、自社の取り組みや社内の雰囲気などはわかるようにしておいたほうが良いだろう。
SNSも更新が止まっているのなら、こちらも運用を見直した方が良さそうだ。
SNSやホームページはそれ自体のインパクトは無いかもしれないが、いろいろな意味で補完的な役割を果たすことができる。
特に反響の質の向上という観点では、とても重要だ。
経営者や事業責任者からすれば、反響が相当数獲得できれば売上も比例する、と考えるのは当然かもしれない。
しかし現在の仲介業務はそんなに甘くはない。
質の高い反響を獲得するという視点を忘れてはいけないのだ。
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