工務店の経営者様やマーケティング担当者、WEB担当者にとってWEB集客の手段の一つに「インスタグラム」を活用したいと思われている人は多いでしょう。
しかし、自分のインスタアカウントは使えても、会社のアカウントをどのように活用したらよいのかわからない。
運用を始めているがこれでいいのかわからない。
などの不安の声をよく聞きます。
この記事では工務店の集客にインスタグラムを運用すべきか、またどのように運用すべきか、運用した結果どのように集客に結びつくのか、を解説します。
【結論】工務店集客にインスタ運用はやるべき
もし、今やろうかどうか悩まれている場合はやるべきです。
また、運用している場合でも継続すべきだと断言します。
理由は、「初期費用がかからずに、ターゲットとなる顧客にダイレクトに情報を届けられる」からです。
一般的に広告(紙媒体・WEB含めて)は費用がかかります。
また、狙いたいターゲットに届く精度が初期段階では低く、費用をかけ続けないと精度が上がってきません。
しかし、SNSの普及で個人が発信できる時代になり、セグメントもされていることで費用をかけずにマーケティングを促進させることが可能になりました。
インスタグラムで集客が成功した場合、来場する前段階でファンになっている状態が多く、契約からお引渡しまでの間、満足度が高い状態をキープすることが可能になります。
工務店のWEB担当者は忙しい
そうは言っても、WEB担当者はさまざまな業務を抱えているのでものすごく忙しくしています。
専任のWEB担当者がいない場合は経営者様か営業が自社WEBサイトの運用を片手間に行なっているケースが多くあります。
・どのように発信したらいいのかわからない(できないまま更新が止まっている)
・続かない(わからないので続かない)
上記のような理由が多く、効果が目に見える前に自然消滅してしまうケースが非常に多いです。
【SNSは必須】工務店の最新の集客事情
施主も工務店もデジタルが主流に
コロナ禍をきっかけにオンライン化が急激に進みました。
これは一般のお客様だけでなく今までIT化が遅れていた工務店もWEB集客への展開が余儀なくされています。
また、家づくりのメインターゲットである30代〜40代がインスタグラムやLINEなどのSNSをフル活用する世代でもあり、接点をつくるにはSNSで対応しないと自然と不利になる市場へとシフトしています。
SNSは情報収集ツール
メインターゲットの30代〜40代の多くがインスタグラムを検索エンジンとして活用する傾向があり、GoogleやYahooなどの検索エンジンを使わずに、ハッシュタグや、ながら見で気になる画像をクリックして情報を集める動きが増えています。
インスタグラムのメインターゲットが家づくり顧客層
このメインターゲットに直接情報を届けることができるのがインスタグラムであり、その他のツールでは代用することができない唯一無二の存在です。
また、初期費用がかからずに、好きなだけ発信ができ、自社の顧客になりうる人をファン化させられるこのツールを使わない手はないでしょう。
工務店のインスタグラム活用10個のメリット
工務店集客にはインスタグラムが欠かすことのできないツールであると理解いただけたかと思います。
それ以外にも様々なメリットがありますのでご紹介いたします。
①自社WEBサイトへの流入ができる
インスタグラムの投稿では、自社の魅力を全て伝えきることは難しいでしょう。
インスタグラムにはプロフィール欄やストーリーズという機能があり、WEBサイトのURLを載せることができます。
うまくWEBサイトへ誘導することができれば、しっかりとWEB閲覧もされて問い合わせがくる確率も高まります。
一方で、WEBサイトの内容が薄いものだったり、インスタグラムの画像とギャップがある状況だと、気持ちが冷めてしまい離脱してしまう原因にもなりますので、並行してWEBサイトの充実化をすることがよいでしょう。
②企業アカウントが閲覧されやすい
企業アカウントのコンテンツは、ユーザーの関心度が非常に高く、ビジネスアカウントをフォローしている割合はなんと80%にもなります。
また、インスタグラム内で広告を見ると、2人に1人はブランドへの関心が高まるといわれています。
このように情報収集ツールとして使われることが一般化しており、さらに投稿や広告をみると関心や興味が湧く人が非常に多いことがわかります。
引用:Instagramの最新情報|Meta
③自社の家づくりの情報を発信
自社のWEBサイトで蓄積したコンテンツ(コラムや施工事例、お役立ち情報など)をインスタグラムで発信することもできます。
家づくり顧客に有益になる情報はWEB上のSEO対策だけでなくSNSでも有効です。
そのためにはアイキャッチとなるサムネイルの工夫が必要で、
・導入の文面のみの投稿内容
・続きを読みたい方はWEBへ
という流れの投稿文で発信すると、自然の流れでWEBサイトへ誘導することができます。
④施工事例で魅力を伝える
いくら魅力的なデザインの家づくりを行なっていても、施工事例のページにきてもらえなければ伝えることができません。
インスタグラムは個別で魅力的な画像で発信しますので、施工事例→自社WEBサイトという流入経路が可能になります。
例えば、施工事例写真で投稿を統一すれば、自然と作品集のようなプロフィール画面になります。
一覧画面でテイストや作風、雰囲気など共感を呼ぶことで問い合わせにつながる導線をつくることもできます。
⑤ユーザとの接点強化
こちらが発信する投稿内容に共感してもらうと「フォロー」や「いいね」をもらえます。
フォローすると、投稿するたびに相手に投稿されたメンション(連絡)が来るので、欠かさずに情報を伝えることが可能となります。
そこからさらに直接連絡(ダイレクトメッセージ)に発展することもできるので、接点強化ができるツールとしても有効です。
⑥採用にも役立つ
共感を得やすい投稿をすると、家づくり検討客だけでなく、その企業で働いてみたいと思う人も集めることができます。
WEBサイトでは会社の外側しか見ることができません。
働いている人や会社の内部の情報発信をしている企業のアカウントには、働きたい人が集まる傾向があるので採用コストが抑えられるメリットがあります。
⑦ブランディングができる
企業のアカウントはインスタグラム上の店舗と言っても過言ではありません。
日本国内でのアクティブユーザー数が2021年12月時点で、3,400万人となっています。
4人に1人がインスタをみていることになり、老若男女問わず利用している状況です。
さらに無料で情報発信できるインスタを活用することで、数千万人にアプローチし、一気にブランドイメージを認識させることができるのです。
⑧WEBでは発信できないオフショット
WEBサイトはコーポレートサイトや採用サイト、ECサイトなどコンセプトが決まっており、写真にも統一感があります。
いわば外向きの見せ方が主流となっていますので、なかなか社内のリアルな状況までを発信できる場ではないことが多いかと思います。
インスタグラムは何気ない日常の一コマや社員の紹介など、人を織り交ぜる投稿でお客様との距離感を縮めることができます。
⑨動画を有効利用
インスタグラムは静止画の画像投稿だけでなく、動画(フィード/ストーリー/リールライブ)の長さによってさまざまな投稿ができます。
リアルタイムで動画を発信し、展示場や見学会会場の雰囲気を共有することで、家にいながら視聴しているユーザーとの接点をつくることが可能です。
⑩インスタグラマーとのコラボ
インスタグラマーとは、多くのフォロワーをもつインスタグラムで活動する人のことをいいます。
ジャンルによってさまざまなインスタグラマーがいますので、住宅系のインスタグラマーとコラボレーションして発信することで、一気に認知度を上げることが可能になり、大きな集客に結びつくことも期待できます。
【これだけをすればOK】工務店インスタ集客の運用ポイント10選
さまざまなメリットがあるインスタグラムですが「どこから手をつけたらいいのかわからない」というのが本音だと思います。
そこで、もれなくダブりのない運用の手順をご紹介いたしますので、是非参考にしてください。
①誰に届けたいか?
まずは自社のお客様となりうる人をできるだけ明確に設定します。
マーケティング業界ではペルソナ設定という作業になり、下記の項目を埋めると自然ターゲットが浮かび上がります。
・仕事(仕事内容、役職)
・最終学歴
・家族構成
・インターネットの利用状況、利用時間
・収入
実際に契約したお客様の多い属性を設定するとよいでしょう。
②インスタ担当者を決める
誰に届けたいか?が決まったら誰が発信するか?を決めていきます。
WEB担当者が兼任で行うのか、インスタ専任の担当者が行うのかを決めます。
運用初期は設定や操作を覚えるのに時間がかかり、慣れてくると投稿内容のブラッシュアップや写真の精度を高めたりと、何かと時間が必要となります。
投稿内容の統一感や投稿のし忘れを防止するためにも専任の担当者を決めておくことが重要です。
③ビジネスアカウントにする
アカウント開設は個人アカウントで行います。
その後必ずビジネスアカウントに変更することを忘れずに行いましょう。
ビジネスアカウントにすることで、投稿の閲覧回数やプロフィールからWEBサイトへの流入数などの分析、また広告も出稿できるようになります。
④投稿の方向性を統一する
プロフィール画面には、最新の投稿順に横3列のタイル上に画像が並べられます。
リアルの場で例えるとショールームと同じ役割になりますので、バラバラな商品や展示品があるとお客様には何も伝わらずに離脱されます。
統一感を出すポイントとして、以下のことを実践するとよいでしょう。
・被写体の構図やアングルを揃える(斜めや整列、垂直など)
・写真によって投稿の順番を決める(2日に1回はテキストあり画像、そのほかは写真のみなど)
⑤プロフィールを充実させる
一目見て「注文住宅」「企業風土」「テイスト」などがわかりやすく表現されているようにしましょう。
プロフィール写真もWEBサイトと連動してロゴやモデルハウスなどその企業を連想させる写真を設定することで統一感もでてきます。
プロフィール文は最大150文字の制限がありますので、伝えたいことはなるべく文の最初の方に書くことをおすすめいたします。
⑥写真のクオリティを上げる
最近のスマートフォンは写真の性能も上がっており、静止画も動画も十分きれいに撮影ができます。
簡単にクオリティは上がるものではありませんが、垂直や平行(建物のラインに合わせるなど)に気をつけるだけでも見栄えは全然変わってきます。
また、撮影後の写真の明るさや明度、彩度などを簡単に補正することができるアプリもたくさんでていますので、まずは構図と明るさに注意して取り組んでいくことから始めてみましょう。
⑦ゴールへの動線を明確に
良いプロフィール、写真、投稿文で発信を行なっても何も反応がない、という状況がある場合はゴールへの導線ができていないことが多いです。
ゴールの設定が不完全な状態の可能性があります。
来場がゴールであれば、投稿文の最後にWEBサイトへ誘導する文面がない場合やモデルハウスの予約ページへの誘導がない場合があります。
また、ファンを増やすことがゴールであれば「営業感」をなくし魅力的な写真やお役立ち情報などの投稿を増やすとフォロワーやいいねが増えやすくなるでしょう。
⑧ハッシュタグを考える
ハッシュタグとは自分のアカウントや投稿がどのワードで検索されたいかを設定する機能になります。
「#注文住宅」など#(ハッシュタグ)の後に自社に関連するワード、検索して欲しいワードを設定します。
最大30個まで付けられますが、多すぎても検索されにくい傾向があるので、目安は10〜15個以内が適切だといわれています。
ポイントは毎回使う基本ハッシュタグを10個ほどつくり、投稿毎に3〜5個くらいのオリジナルハッシュタグを設定すると投稿時の負担を軽減できます。
⑨ジオタグの活用
ジオタグとは画像に位置情報を追加できる機能になります。
撮影場所を登録することで位置情報から検索をしてきた人にヒットする可能性が高まります。
また、モデルハウスや不動産情報を投稿する場合も位置情報をセットで投稿することで、より近いユーザーへの認知や興味を引くことができるので、工務店の活用方法としては有効な手段になります。
⑩フォロワーを集める、いいねをする、キャンペーン告知をする
ここまできたらあとは「継続して投稿をする」ことが鉄則です。
いきなり集客が上がるものではなく、地道に継続したアカウントが成功を収めています。
まずは投稿のいいねを増やし、どのような画像や投稿文の反応がいいのか?トライ&エラーを繰り返していきます。
徐々にいいねが増えてくるとフォロワーの数も徐々に増えていきます。
ときどきキャンペーン投稿をしてみるのも良いでしょう。
目標設定としてはフォロワー100人を目指し、次は300人、500人、1000人とマイルストーンを設定していき、長期にわたる運用をしていくことが成功への道です。
インスタ運用後の分析方法
運用を開始したら、閲覧しているユーザーがどんな属性なのか、どんな投稿が見られているのか、などを分析していくことが重要です。
分析の結果、投稿の中身の精度を高め、より多くのフォロワーやいいね、ひいては問い合わせに繋げる運用をしていきましょう。
分析で見るポイント(どの数字を見るか?傾向を把握する)
ビジネスアカウントでは「インサイト」という分析ツールがあらかじめ備わっています。
そこで見るべき項目として、
リーチ数=投稿リーチ数
投稿が表示されたユーザー数。
1人のユーザーに何回も表示がされた場合もカウントされる。
プロフィール遷移率
投稿を閲覧したユーザーがプロフィールへ遷移した割合
フォロー率
プロフィールを閲覧したユーザーがフォローした割合
基本的に上記の3つの数字を毎週確認していくことで、投稿の質も上がってきます。
分析のコツ
インスタ運用のコツは、投稿後の分析が一番重要と言っても過言ではありません。
分析をすることで、投稿したものがユーザーに受け入れられているのか?どの投稿がユーザーの共感を得やすいのか?など気づきがたくさんあります。
人気のアカウントの真似をしてもフォロワーが同じように伸びていくことは滅多にありません。
基本的に下記2つの軸に沿って、投稿の質を上げていきましょう。
それぞれの投稿のインサイトで、リーチ数・アカウント遷移率・フォロー率を確認し数字が良好であればユーザーに好意的に受け入れられていることになります。
ターゲットと投稿内容がマッチしているか?
自社で設定しているペルソナに刺さっているか?も見るべき指標になります。
インサイト内のオーディエンスという機能を使い、閲覧エリア・年齢層・性別・インスタを利用している時間帯などを見ることができます。
工務店集客にインスタグラム広告を導入すべきか
広告目的を決める
インスタグラムには広告を出稿することができ、効果的にフォロワーの獲得や問い合わせ獲得を行うことができます。
確実にターゲットに届く仕組みをつかって、どの目的で行うかを決めてからスタートするのがよいでしょう。
広告設定の一番最初にキャンペーンの目的を設定します。
全部で11個のキャンペーンの目的がありますが、住宅業界のインスタグラムでは主に2つのキャンペーンを設定することが多いです。
トラフィックを増やす
ユーザーをWEBサイトにアクセスさせることを目的とする場合に利用される。
WEBサイトへの流入を増やし、WEBサイト経由で問い合わせを獲得することが期待できる。
コンバージョン(獲得)を増やす
直接問い合わせ(コンバージョン)の獲得を最大化したい場合に利用される。
インスタグラムの学習機能を使い、過去にコンバージョンに至ったユーザーの属性や傾向などを学習して、同じような属性のユーザーに配信をしていく。
この目的設定と自社のゴール設定が異なると、思うような結果が得られないことがありますので、慎重に決めていきましょう。
まずは小額からスタート
外部のインスタ広告運用の会社に依頼する場合は、最低何十万円〜という価格設定が多いため、限られた予算の中で広告を行わなければならない中小工務店様にはハードルが高いものです。
さらに効果が得られるのか未知数の手段に予算を投入することも加担し、広告導入に踏み切れない工務店様は多いかと思います。
そこでまずは自社で小額からスタートしてみることをおすすめします。
インスタグラムの管理画面も日々進化しており、以前よりも簡単に広告が運用できるようになりました。
月1万円からでも反応や傾向を知ることができますので、まずはスタートのハードルを低くしてみることをおすすめします。
月10万円の広告投資で2件の来場があればOK
問い合わせの中で、資料請求・モデルハウス来場・相談申込などお客様の熱量の違いにより問い合わせの質が変わってきます。
広告の効果を測るための指標の一つとして、月10万円の広告予算の投下で2件の来場を目標に決めてみましょう。
こちらはモデルハウスでも見学会でも店舗でも「来場」をゴールに設定します。
運用初月はインスタグラム内で機械学習をしている状態なので、なかなか結果がでない場合もありますが最適な設定をすることで2〜3ヶ月後には徐々に結果がでてくる場合が多いです。
ここでも分析をしながら広告内容の質を上げていき、効果的な広告運用をしていきましょう。
工務店のインスタ活用参考事例
工務店のインスタ活用に参考となるアカウントを3つご紹介いたします。
2022年現在、工務店インスタグラムでフォロワー数の多いアカウントを見ることで、多くの気づきがあることでしょう。
1位 ネイエ設計
フォロワー数16.3万人(2022年7月現在)
愛知県名古屋市を本拠地に置く、設計事務所様になります。
施工事例をメインに投稿しています。
全体的に画像の明るさやテイストを揃え、統一感のあるアカウントになっています。
自然素材のナチュラルな木の家づくりをしている工務店様は参考になるでしょう。
ネイエ設計のインスタグラムアカウントを開く
2位 エコワークス「木の家専門店」
フォロワー数12.9万人(2022年7月現在)
福岡県福岡市を本拠地に置く、工務店様になります。
施工事例と告知を織り交ぜた投稿となっています。
プロフィール画面上で統一感を崩さないように、画像のみとテキスト入り画像の投稿の間隔を揃えているので、見ていても営業感の少ないアカウントになっています。
地場で木の家づくりをされている工務店様は参考になるでしょう。
エコワークス「木の家専門店」のインスタグラムアカウントを開く
3位 フリーダムアーキテクツ
フォロワー数12.6万人(2022年7月現在)
全国に支店がある設計事務所様になります。
デザイン住宅の外観や内観の施工事例を投稿しています。
特に夜間のライトアップされた住宅の画像はどれも魅了され、構図や画角の参考になります。特にデザイン住宅や設計事務所様は参考になるでしょう。
フリーダムアーキテクツのインスタグラムアカウントを開く
まとめ:工務店集客にインスタ運用を活用しよう!
この記事ではインスタ運用のメリットから導入方法、分析、広告まで一貫してお伝えしました。
集客はインスタ運用だけで完結するものではなく、手段の一つでしかありません。
その他の集客施策とミックスして相乗効果を発揮しますので、効果的に運用していきましょう。