入社して3ケ月程度経過した仲介スタッフが落ちてしまう落とし穴と、その対策について

7月は多くの仲介会社が苦戦を強いられたようだ。

やはり夏枯れと言われるように7月は反響が底をついている時期でもあり、なかなか数字が立てづらい季節である。

ただ、そうした時期にも関わらずしっかりと売上を上げられている仲介会社もあり、そうした仲介会社のポテンシャルは、本当に素晴らしく感じる。

また、この時期よく相談されることとして「新人スタッフの数字が想定以上に伸びない」「新人の数字が下降気味になっている」という内容が多い。

特にこれに関してはこの年限定ということではなく、例年同じような相談をよく受ける。

どうやら多くの新人仲介スタッフが入社後3ケ月程度経過すると、売上数字が足踏みをしてしまうようだ。

こうした現象の原因と対策を今回は紹介してみたい。

キャンセルの増加

入社後しばらくしてから業務にも慣れ始めたにも関わらず、キャンセルが多発するケースが多い。

入社して間もない頃は、申し込み手続きなどはやはり不慣れだし緊張するものだ。

しかし、こうした入社間もない最初の数件はあまり商談自体が崩れないような印象を受ける。

しかし、業務に慣れ始めてくるとなぜかキャンセルが多発してしまう。

こうしたことを経験する新人のかたはかなり多いのではないだろうか。

こうしたことの対策としては「クロージング時の確認」「ユーザーとの案件の細かいやり取り」を徹底していけば予防することができる。

クロージング時に「初期費用の確認」「契約のスケジュールの共有」「他社検討事案がないか」などを細かくヒアリングしなければ、キャンセルになる確率はぐっと上がる。

入社して間もない頃はこのあたりもしっかりと準備し、クロージングも丁寧に行うのだが、やはり件数をこなしていくとあくまで流れ作業的に仕事を進めてしまう。

そうすると細かいクロージングが疎かになり、キャンセルが増加してしまう。

また、上記に述べたように「ユーザーとの案件の細かいやりとり」が疎かになり、キャンセルが増加していくケースも多い。

入社間もないうちは手元の契約案件数は少ない。

しかし数ヶ月もするとそれなりに契約案件を抱えてしまう。

そうするとこれまで実行できていた細かいフォローが疎かになっていき、ユーザーの信頼関係が崩れてしまい、キャンセルが増加していく。

このあたりは、マネージャーのほうから細かいフォローをしていくことを日々伝えていかなければいけない。

簡単なことだが、細かく上長から伝えることである程度予防ができるだろう。

このように入社し数ヶ月経ったメンバーのキャンセルの増加は「クロージングの徹底」と、「細かい案件フォローのマネジメント」で対応していく。

新人のメンバー自身では、なぜキャンセルが増加してしまうのか、を自分自身では理解できないことが多い。

是非、このあたりを気をつけてみてほしい。

モチベーションの低下

入社して間もない頃は、とにかく結果を出す為に一心不乱に目の前の業務に集中する。

しかし数ヶ月もすると業務も理解し、なんとなく自分自身のポテンシャルも理解し始める。

大半のメンバーはそれでもモチベーションが低下することなく業務を行っていくが、なかには入社後、数ヶ月で急激にモチベーションが低下するメンバーもいる。

企業は入社間もない新人には研修や面談などでしっかりとケアをする。

しかし入社から数ヶ月すると、当然こうしたフォローはしなくなることが多い。

こうしたフォローをするために、入社して数ヶ月経過して、面談などのフォローを少ししてみても良いかもしれない。

入社時から少しモチベーションに悪い意味で変化が生まれてしまったメンバーには、少しヒアリングする時間を設ける。

これにより退職リスクも防止することもできるし、現状の状況も理解することができる。

こうしたことを意識的に取り組んでみても良いかもしれない。

「できること」しかやらなくなる。

入社時にまっさらだった知識も、しばらくすると変わってくる。

当然のことながら、入社して数ヶ月も経つと不動産業務知識がつき始める。

身につき始めたスキルを利用していくのはなかなか楽しい作業だ。

しかし問題なのは未だ身についていないものや、まだ未経験なことに対して後ろ向きになるケースがあるということだ。

具体的な例だと「特定(自分自身が過去申し込みをしたことのある)の管理会社に偏って紹介する」「自分の得意なエリアや路線以外は積極的に紹介しない」などがそうである。

まだ入社間もない状態で、自分自身の判断で仕事の幅を決めてしまうのは勿体ない。

やはり新しい領域にどんどんチャレンジしていかなければいけない。

ちなみにこうした偏りのある業務の傾向を掴むために、マネージャーはこれまでの成約データなどを見返してみるのが良いだろう。

そして成約データに偏りがあった際はまず領域を広げることを面談等で伝えてみても良いかもしれない。

以上のように、入社3ヶ月経過したメンバーは気づかないうちにスランプになったり、モチベーションが下がったりするケースが圧倒的に多い。

入社してすぐの新人の育成も重要だが、入社後3ヶ月程度のメンバーのケアも同じぐらい重要かもしれない。

是非参考にしてほしい。

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