住宅生産団体連合会はハウスメーカーなど15社を対象とした「経営者の住宅景況感調査」の結果を公表しました。同調査は令和4年度の2回目になります。
令和4年度第1四半期の総受注実績は予想よりマイナスとなりました。
予想では受注金額が5期連続プラスを、戸数では増減なしと見込んでいましたが、受注金額は-5ポイント、受注戸数は-41ポイントの結果です。
新型コロナウイルスの影響がつづいており、資材価格の高止まりやウクライナ危機による物価上昇も影響し、先行きの不透明感が顧客の慎重姿勢を強くしています。
戸建棟数の減少による売上減には1棟当たりの単価を高水準にする施策や、賃貸住宅やリフォームによる受注確保をあげています。1棟当たりの単価上昇には具体的に「ZEH推進」が考えられます。
第1四半期の部門別実績では戸建注文住宅戸数が-54ポイント、受注金額では-27ポイントと大きく見通しを下回り、物価高、顧客心理の低下、住宅展示場の来場者減がマイナス要因となっていると考えられます。
戸建分譲住宅戸数は-38ポイント、受注金額では-13ポイントとなり連続4期のマイナスです。需要は堅調な半面、優良な宅地の取得が厳しく販売在庫の不足も目立つようです。
来期は受注戸数が5期連続のマイナスとなる見込みですが、受注金額は+13ポイントと5期ぶりのプラス転換になりそうです。
低層賃貸住宅は好調であり、受注戸数は+36ポイント、受注金額が+86ポイントになりました。要因としては、3階建て中心に契約金額が増加したことや「ZEH対応新商品」「高付加価値物件の大型化」などがあげられています。
第2四半期は好調がつづくと予想されますが、ウクライナ情勢などが社会に与える影響を懸念する声もあり意見が分かれています。そのため受注戸数は-9ポイント、受注金額は増減なしを見込んでいます。
リフォームは太陽光発電や蓄電池関係が好調で、大型リフォームも順調に推移しており、受注金額は+19ポイントと3期連続のプラスです。来期も受注金額は好調で+35ポイントとの予想です。
事業者側の営業戦略としては次のようなポイントをあげる声があります。
・環境系商品(太陽光発電や蓄電池)を軸とした改装工事の拡販
・定期診断のルーティン化によりニューノーマルニーズに対応
・長期優良住宅対応リフォームの推進
・リアル見学会とオンライン集客の相乗効果による受注の伸長
元記事は新建ハウジング