住宅営業マンの展示場接客術【玄関の活用法】

どんな住宅展示場であれ、お客さんは玄関から入りますね。

そして、そこで靴を脱いで中に入っていくことになるわけですが、こうした接客の流れ上どうしても玄関ホールの説明はおろそかになってしまいます。

おろそかならまだましで、一般的には全く触れずに終わってしまう空間になるケースが多いのではないでしょうか。

他社営業マンが玄関ホールに触れないのなら、あなたはしっかり触れて説明をしてみましょう。

他社がやらない接客をすれば、お客さんにとっては印象に残るはず。

初回面談が命である住宅展示場の接客に勝つコツの一つです。

玄関の上がり框に腰掛けてもらう

どんな展示場であっても上がり框(かまち)があるでしょう。

お客さんが来場すると、そこで靴を脱いで室内へ入るわけです。

ただ、ここでその上がり框に着座を促してみるのも、他社と差別化する接客手法の一つだと覚えておきましょう。

毎日座る場所なのに展示場見学では絶対に座らない場所

そう思いませんか?

家を買ったらおそらく毎日のように座る場所が上がり框なのです。

靴を履くときに立ちながらの人もいるとは思いますが、座って靴を履く人は多いでしょうし、お年寄りならば座るのが普通ではないでしょうか。

そんな場所にもかかわらず、展示場見学の際に座るお客さんは見たことがありません。

だからこそ着座を勧めるのです。

「家を買ったら必ずここには座るので高さを体感してください」と話せばいいのです。

そして、できれば「この展示場の上がり框は高さが○○cmあります。ごく一般的な高さなのですが、これを低くも出きますし高く上げることもできます。高くすると座りやすくて立ち上がりやすいというメリットがあります」

こんな話もしてみましょう。

何気ないことですし、着座を促しても半分以上のお客さんは座りません。

でも、それでいいのです。

促したことが大事なのですから。

玄関ドアの断熱にはふれたいところ

冬場の接客でよく出てくる会話が「私は寒がりなんです」と奥さんが言うことです。

男性よりは圧倒的に女性の口から出る会話ですが、通常はこの会話を接客がある程度進んだ段階で口にすることが多いようです。

でも、玄関ドア断熱は実際に住み始めたら重要なポイントとなるのが事実。

ですから、奥様に向かって「玄関の断熱性能は大事ですよ。デザイン性を求めると玄関ドアの断熱性能が落ちることもあります。このあたりは頭に入れておいた方がいいですよ」と話してみましょう。

また、ドアに大きなガラスを入れると、それだけ玄関内が明るくなります。

ですから、敷地の制約上どうしても暗くなる玄関を設計する場合には、人情としてはガラスを入れたくなります。

ただ、ガラスを入れる分だけ断熱性能が低下するので、そのあたりをお客さんには説明しましょう。

もちろん、断熱仕様のガラスなどのラインナップもありますので、そのあたりも含めて総合的な話をしてください。

玄関の採光に関して話を振ってみる

玄関接客で話してほしいことの一つが採光問題。

コンサルティングで先日出向いた名古屋市内の住宅展示場は玄関が非常に明るく、誰が見ても良い印象を持つ玄関でした。

この展示場の玄関は電気をつけなくてもこれだけ明るいのですが、この明るさを実現できたのはココの窓の存在が大なのですよね

貴方の会社の展示場がどうなっているか知りませんが、電気をつけなくても明るい玄関であればその根拠をしっかり明示してほしいのです。

電気をつけなくても窓の取り方で明るく清潔感あふれる玄関になるのです。

つまり「弊社はこんなこともしっかり考えることができる住宅会社です」というアピールとなるのです。

玄関の広さについても話をしてみましょう

玄関の説明では広さにも触れてほしいですね。

ハウスメーカーの場合は広めにとることが多いですが、ローコストメーカーの場合はごく一般的な広さで設計されることが多いでしょう。

ただ、お客さんとしては、広い玄関を持つハウスメーカーを見学した後に、狭い玄関を見てしまうと悪い印象を持たれかねません。

だからこそ、しっかりとこうアピールしてほしいのです。

狭く感じられるかもしれませんが、大手ハウスメーカーで建築してもこのくらいの広さが一般的です」
「もちろん弊社でご契約の場合でも、ご希望があればいくらでも玄関を広くすることはできますので」

靴の収納にも言及しよう

玄関には必ず靴箱が設定されているはずです。でも、この扉を開けて中を見る人はまずいません。

この靴箱は何足くらい入ると思いますか?

こう聞いてみましょう。

もちろんドアを開けてです。

ドアを開けてこのような質問をすれば、お客さんも○○足くらいと答えます。

それを確認したうえで「この靴箱は○○足ほどの収納ができます。4人家族であればほぼ十分ですから、この大きさを覚えておかれるといいですよ」

こんな話でいいのです。

とにかく靴箱の話に触れることが大事。

とにかく他社の営業マンはこんな話をしないわけですから、靴箱の話をしたあなたが印象に残るのです。

また、この話を振ることによって、お客さんが靴収納で困っていることを探り出せるかもしれません。

よくある話は、収納不足で靴が玄関タイルの上にあふれ出てしまうこと。

家族4人がそれぞれに靴をたくさん持っていると、通常の収納量では全く足りなくなるものです。

とくに今住んでいる家が賃貸のアパートなどの場合、靴を収納するスペースが圧倒的に不足している可能性は十分に予見できます。

住宅営業マンの接客で重要なことの一つは【お客さんが今の生活で困っていることを自然な会話で引き出せるか】なのです。

靴箱の話をしてお客さんの靴収納不足をヒアリングできれば文句なしといえるでしょう。

玄関タイルのちょっとした話をしてみる

玄関に敷き詰められているタイルをまじまじと観察したことはりますか?

一般的には10cm×10㎝のタイルが使われることが多いのですが、広い玄関で高級感を出すとすれば、30㎝×30㎝の大理石調にするなどの方法があります。

住宅業界の人間にとっては10㎝でも30㎝でも既存の知識ですが、お客さんにこの話をふると「なるほどね~」となるので面白いですよ。

それとメンテナンスの話もここで振ってみましょう。

玄関タイルは経年によって段々と黒ずんでいきます。

日々の変化で気づかないのですが、新築当初と比較すると滅茶苦茶汚れてしまい、しかもなかなか簡単には汚れは落ちません。

こんな話をした後に自分でできる簡単な掃除方法を話してみましょう。

サンポールという洗剤があるのですがそれをタオルにしみこませてタイル一面をさっと拭き、それから100円ショップなどで売っている【激オチくん】でこすれば大丈夫。

実際にやってみるとわかりますが、信じられないほど汚れがきれいに落ちますのでお客さんにアドバイスしてみましょう。

本記事執筆講師が動画にてわかりやすく解説
工務店営業社員の育て方 「24年にわたって現場で営業育成をしてきたノウハウの一部をご紹介」

今すぐ動画を視聴する(無料)

積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。

コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。

今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

無料視聴はこちらから工務店営業社員の育て方 「24年にわたって現場で営業育成をしてきたノウハウの一部をご紹介」

Twitterでフォローしよう

売買
賃貸
工務店
集客・マーケ
業界NEWS