展示場接客・・・雑談はすべての場所でしなくてはならない 雑談力アップを目指そう!

展示場接客をする間、すべての時間を家の話に費やすのはいかがなものかと思います。

やはり、そこは閑話休題で、会話の中でちょっとした脱線があってもいいはず。

もっと言うならば、脱線の時間帯も意図的に設けるべき。

ところがこれがなかなかうまくいかない。

苦手な営業マンが多いような気がしてなりません。

以前のコラムでも雑談や話術の話は書きましたが、今回はまた違った視点から同じテーマを見ていきましょう。

雑談力を磨くには2種類の要素をマスターしよう

雑談力、もしくは話術といってもいいでしょう。

営業マンであるからにはこの術を何とかして会得したいと考えるはずです。

生まれ持った才能のある人は別ですが、そうではないと自認するならば、私が今から書くことを読んでみてください。

①お客さんと共通の話題で盛り上がる

客 「私は〇〇小学校卒業なんですよね」
あなた「えっ、私も〇〇小学校卒業なんですよ」
客 「そうですか。〇〇先生って覚えていますか?」
あなた「いましたね! あの変わった先生(笑)」

このような感じです。

細かい説明は不要だと思いますが、お客さんとの会話の中で何かしらの共通点を見つけて話し込むパターンです。

「小学校が同じ」は実によくあるケース。

とくに土地なし客との会話での出現率が高いと言えます。

これは家の話とは関係なく、ただ個人的な話に共通する点があっただけのこと。

ただ、雑談力の一つは間違いなくこれ。

ですから、展示場でお客さんと話すときに「自分との接点や共通事項はないかな?」と考えながら話すのです。

趣味、出身地、出身校、親の実家、勤務先、学生時代のクラブ活動など、とにかく重なる部分を探って、もし一致点があれば話を盛り上げればよいのです。

②知識を身に付けて活かす

「知識を身に付けるってなんだ?」と言われそうですね。

つい最近ですが実際にあったやり取りを再現してみます。

展示場のキッチン付近で話をしていた営業マンとお客さんですが、キッチンの隣にある大きな掃き出し窓を見ながらこんな会話になりました。

奥さん「この大きな窓は魅力だけど虫がすごくない?」
営業 「たしかにそうですね。少し気になりますね」
奥さん「ところで網戸は標準でついているの?」
営業 「はい、値段に入っています」
奥さん「網戸を付けても虫は入ってくるよね」
営業「う~ん・・・」
奥さん「うちは今高層階に住んでいるので網戸はないし実際に虫もほとんど来ないからいいんだけどね」
営業「そうなんですか。高層階というのは何階ですか?」
奥さん「18階です」
営業「かなり高いですね」

 

要約するとこんな会話をしていました。

私はこのやり取りを見ていて「営業に知識があればもっと会話を円滑に運べて盛り上がるんだけどな」と思って営業マンに後で話をしたのです。

この会話をこう分析する

前述の会話の中を見ていただきたいのですが、会話はこう進んでいます。

虫→網戸→高層マンション

虫の話を最初に奥さんが持ち出し、そして虫から網戸になって最後は高層階だと虫が来ないという流れです。

この営業マンはこの話を何気なく受け流して話をつないだわけですが、この彼が①虫②網戸③高層階マンションについてちょっとした知識や雑学を身に付けて入れば、話はもっと深く広くできたことでしょう。

①虫

家の近くに川や山があれば虫がたくさんいることが予想されます。

この方の場合は親の土地がありそこに家を建てる話だったので

「建築予定の場所は川とか山が近かったりするのですか?」
「〇〇は6月~9月にかけてやぶ蚊が結構出るところですよね」

などの雑談ができたでしょうし、虫の種類によって発生時期などが変わってくることを知ってさえいれば、さらに細かい雑談ができたでしょう。

②網戸

虫の話から網戸になったのですが、網戸の網目より小さな虫であれば室内に侵入してくるわけです。

網戸にも非常に目の細かい網戸もあるのでその径の違いを知っていればなおさら話の深堀ができます。

また、網戸は中途半端に閉めると、窓と網戸の間に虫が閉じ込められる形になりなんとも嫌な思いをすることも。

さらには網戸の補修や掃除の仕方を知っていればさらに雑談が深くできることになります。

③高層階に住んでいる

高層階に住むことによるメリットデメリットも知っておくべき。

実際に住んでいるお客さんに対する話ですのであまり悪口を言うわけにはいきませんが、知識として知っておいてほしいのはこんなところです。

子供が高い場所を怖がらなくなることにより、恐怖心の低下が転落事故を招くと言われています。

お客さんの様子を見ながら切り込んでいってもいいでしょう。

そして意外に知られていないのが気圧の差。

上層階に行けば行くほど気圧は下がることになります。

これも結論が出た話ではないのですが、こうした気圧が健康に影響するのではないか?との研究もあります。

気圧の高いところと低いところを行ったり来たりするわけですから、それに体が対応しきれないという理屈のようです。

このくらいで十分でしょう。

つまり、この事例で営業マンは話を軽く受け流して終わってしまったのですが、虫、網戸、高層階マンションの欠点などを知識として知っていれば、この会話はもっと長く深いものになったはずなのです。

【虫→網戸→高層マンション】は一つの定型文だ

この会話はたまたま耳にしただけですが、これを意図的に仕掛けることが可能になります。

つまりこういうこと。

あなたが勤務する住宅展示場のどこでも構いませんが、窓の近くに接近したらこう切り出すのです。

営業「窓がたくさんあると明るく風通しも良いのですが虫の問題があるのですよね。奥さんは虫・・・いかがですか?」
奥さん「いや~ 虫はダメ! あんなのが家に入ってきたら声出しちゃうわよ(笑)」
営業「でしたら土地を探すときは山の近くとか川の傍は避けたほうが無難ですね。それとこの辺りは8月に入ると〇〇が大量発生して・・・」
・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・・・・・・・
営業「ところで今は網戸をお使いですか?」
奥さん「はい」
営業「網戸と窓の間に虫が閉じ込めらて困ったことありませんか?」
奥さん「あります!」
営業「あれはコツがちゃんとあるんですよ」
・・・・・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・・
営業「戸建てとマンションで悩まれているとのことですが、マンションの場合は高層階に住むかどうかの選択も重要です。はっきりした結論が出ているわけではないのですが、高層階に住むと気圧の関係で・・・」

こんな具合です。

 

前述の営業マンはなんとなく話を合わせるだけで終わってしまったのですが、それぞれにちょっとした知識があれば全く違った会話の進行になってくるのです。

会話の事例データ集作成を

ある住宅会社で取り組んでいることがあります。

このような会話事例をひたすら集めている最中なのですが、集めきったところで今回の①虫②網戸③高層階マンションのような想定問答集を作っています。

リビングであれば①テレビ②テレビからの適距離③目に与える影響という具合に、3段論法が発生する場所を洗い出し、それぞれについてちょっとした知識を教えるマニュアルです。

社内で作成するのは相当大変だと思いますが、是非チャレンジしてみてください。

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