3月4日、5日に三重県に本社を置く工務店で現場見学会を行います。
集客方法はポスティングをせず①管理客へのダイレクトメール②SNS③ホームページでの告知、この3つだけですが、はたしてどれだけの集客があるでしょうか。
この原稿を書いている時点では結果が出ていません。
今週末の話ですから、今回のコラムは「ポスティングをせずに」イベントを開くとどうなるか?との視点で書き進めていきます。
ポスティング“だけ”の時代は終わり
イベントといえば紙媒体のチラシを作成し、新聞に折り込んだり直接ポスティングをしたりするのが一般的でした。
しかし、SNSの普及や新聞購読率の激減などで紙媒体の集客を止める工務店が増えています。
紙媒体といえばダイレクトメールかポスティングのどちらかでしょう。
工務店が現場見学会などを行うときには、ポスティングのみで開催することがつい最近までは当たり前でした。
私は積水ハウス出身ですが、1990年代の現場見学会は、ほぼすべてをポスティングのみで開催していました。
【住まいの見学会】など全国規模のイベントではお金をかけたチラシを作ってダイレクトメールで対応していました。
しかし、その他の小規模な現場見学会などでは、上述したようにポスティングチラシを営業レベルで作成し、それを手分けしてみんなでポスティングしたものです。
このような手法を取っていれば、新規が15組~20組ぐらい来場したものです。
効果が高いのはSNSと紙媒体のハイブリッド
私の考えはあくまでもSNSと紙を使ったハイブリッドですが、少なくともポスティング“だけ”という時代はほぼ終焉したと判断しています。
インスタグラムなどを見て住宅会社にコンタクトをとるお客さんが当たり前になった今の時代では、SNSによる集客を考えないのはあまりに無謀だと私は思います。
しかし、集客のすべてをSNSに頼るのもかなり危険ではないかという気がします。
危険というか機会損失というか、ポスティングや新聞折込などを見て来場するお客さんも必ずいるからです。
その層をわざわざ捨てることはないでしょう。
ですから、SNSと紙媒体のハイブリッドがもっとも効果的だというのがわたくしの結論になるのです。
今回の作戦はこうです
話を今回のイベントに戻しましょう。
写真を見ていただきたいのですが、このチラシが200件ほどの名簿客にダイレクトメールで郵送されています。
そして、別途運営しているインスタグラムなどでの告知も行っています。
さらには、このチラシのQRコードを読むと、会社が開設しているYouTubeチャンネルに飛び、今回のお施主へのインタビュー動画が現れます。
集客手段はこれだけ。
しかも、インスタグラムのフォロワーが5,000も6,000もいるわけではありません。
よくあるケースですが、100人、200人のレベルです。
またYouTubeチャンネルも、つい最近取り組み始めたばかりで、登録者数も事実上0に近く、たくさんの人がコンテンツを見ているとも思えません。
つまり、今回のイベントにおける集客は、新規の人を狙うというより、400軒のリストの中から何件来てくれるだろうかというところに勝負をかけているのです。
このチラシを 現場周辺に1万枚、2万枚と ポスティングすることはしませんが、ダイレクトメールとしてこれが送られていきますので【紙媒体+youtubeチャンネルへの誘導】ということで、ある種のハイブリッド戦略だと言えます。
お金をかけない
私は工務店やハウスメーカーやパワービルダーの営業コンサルティングを生業としていますが、新築の現場見学会はこれまでに23年間に渡って皆さんのフォローをしてきました。
もちろん、集客が大失敗したようなケースもあります。
しかし、概ねほぼほぼ成功、若しくは大成功という結果を残してきました。
今回のこのイベントも、費用対効果を考えれば高い確率で成功すると私は考えています。
QRコードの活用
QRコードは紙媒体に書かれたものをスマホで読み込む流れ
QRコードはみなさんご存知でしょう。
ありとあらゆるところに、この何とも言えないモジャモジャとしたマークが氾濫しています。
SNSの時代で紙なんて不要だ、との意見が席巻するこの時代ですが、QRコードに関してはそうはいきません。
このチラシのように、紙媒体などに印刷されたQRコードを、手元のスマホで読み込む工程を踏むしかないからです。
もし、メールでもSNSでも何でもいいのですが、自分が持つスマホの画面にQRコードが出てきたらどうしますか?
通常は、どこかに書いてあるQRコード読み込むわけですけども、その読み込むスマホの画面上にQRコードが出れば、一般的には手も足も出ないと思います。
ただ厳密に言いますと、スマホの画面に現れたQRコードを読み込むことは可能です。
しかし、よほど詳しい人ならまだしも、普通はお手上げになり、それ以上の努力をしてまでこのQRコードを読み込む気にはならないと思います。
スマホですべてが完結する時代
「世のなかのありとあらゆるものがスマホに集約される」
今から10年以上前だと記憶していますが、あのビルゲイツがこのような発言をしました。
結果的にこの予言当たったことになりますが、住宅会社が集客をする時に考えなくてはいけないのは、一人に一台が当たり前になったスマホの画面にあなたの会社の情報やイベントの情報を、いかに表示させるかなのです。
動画を活用する
動画が最も優れた伝達手段
私はお客さんの取材はもちろんのこと、営業マンのロープレ、分譲地、住宅展示場などを20年前から動画を駆使して撮影してきました。
「私は時代を見越していた」などとビルゲイツに向こうはるきはありません。
ただ、撮影した動画を営業研修で使用すると、非常に伝わりやすいのに加えて、参加営業マンの納得度が極めて高いと思っただけのことです。
でも、考えてみれば当たり前ですよね。
口だけより写真。
動かない写真よりは動く映像。
こんなことは、30年前40年前の時代であっても、無意識のうちに理解していたことだと思います。
今回のイベントの結果は果たして・・・
このイベントの結果は社長から報告があるので、来週にでも別のコラムで報告させていただきます。
もし、集客状況が悪ければ、そのままをご報告させていただき、その敗因を探っていきたいと思います。
その逆に予定どおりの集客があれば、私の仮説とこれまでの経験が正しかったということになります。
いずれにしても、実際に起こったことを報告させていただきますので、その報告コラムもアップされたら是非目を通されてください。
成功、失敗の要因を予想すると
イベントはまだ終わっていませんが、仮に成功したとすればその要因はこのようなことだと私は推測します。
まずは平屋でしょう。
平屋を希望されるお客さんが激増しているのは皆さんもご存知のとおりです。
ところが、平屋の現場見学会というのは、ありそうでないのが実態でしょう。
つまり、この観点だけから考えても、平屋一点突破で成功する可能性が充分に考えられます。
そしてもう一つはQRコードでしょう。
これを読み込むと、お施主さんとの簡単なインタビューが出てきます。
些細なことですが、このインタビューを見ると「ちょっと見てみようかな」という気になると推測できます。
では、その逆に集客に失敗したとすれば、どんな原因が考えられるでしょうか。
これは二つあると思います。
一つは、ダイレクトメールの数が200通ということ。
一般的な現場見学会の来場歩留まりを考えると200通は少ないと思います。
そしてもう一点は、SNSで新規客を呼ぼうという作戦を立ててはいるものの、現状のフォロワー数などが圧倒的に不足しているので、簡単に多くの集客ができるとは私も考えてはいません。
このように、失敗するにしても成功するにしても、それぞれの原因がある程度読めるのですが、これらの要素が複雑に絡み合って、結果的には「10組ぐらいは来場があるのではないか?」と私は推測しています。
あとは当日の天候など不可抗力が考えられますが、これに関してはどうしようもありません。
しかし、経費をかなり押さえてますので、来場が3~4組だけだとしても、ポスティングなどをやっていた時とほぼトントンだと社長も話しています。
本記事執筆講師が動画にてわかりやすく解説
工務店営業社員の育て方 「24年にわたって現場で営業育成をしてきたノウハウの一部をご紹介」
積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。
コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。
今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。