WB工法って実際どうなのか?

世の中には〇〇工法なるものが無数に存在していて、お客さん側としては何が何やらさっぱりわからないというのが現実だと思います。

世の中には様々な工法がありますが、今回はその中の一つを取り上げてみましょう。

このコラムでも以前取り上げたことがありますが、長野に本部があるWB工法は、全国に加盟工務店750社を抱える住宅ボランタリーチェーンです。

フランチャイズとは異なる組織で、簡単にご説明すると自由度が高く、フランチャイズのような縛りがほとんどない組織となります。

いわゆる工法フランチャイズは、本部が開発した工法を建築に使用し、それらに使われる材料を本部経由で購入するというパターンが一般的です。

このルールさえ守れば、後はどんなデザインにしようが加盟している工務店の自由です。

数ある候補フランチャイズの中の一つであるWB工法。

WB工法に加盟すると販売が伸びるのか、WB工法を前面に打ち出すとお客さんは反応してくれるのか、この辺りについて私が解説していきたいと思います。

WB工法を採用すると売れるのか?

このコラムの読者の方は、新築をメインとする工務店、もしくは新築に参入しようと考えている工務店の方と想定して話をしますが、WB工法に加盟したからといって、いきなり契約数が伸び始めるということはないでしょう。

成功する工務店と失敗する工務店がはっきりしている

前回号でも書きましたが、工法ボランタリーチェーンに入って成功するかどうかは、その工法に惚れ込むかどうかが大きなポイントです。

ですから、とりあえず入ったから成功するだろうということはないと書いたわけです。

その逆に、腹に落とし込んでしっかりとアピールすれば、爆発的に売れる可能性もあります。

長野県在住の副社長宅に訪問したことがあります

少し前ですが、WB工法本部の副社長宅におじゃましたことがあります。

その時私が感じたことや思ったことを正直に書きましょう。

①嘘のように暖かい

訪問したのは1月の末でした。

全国的に極寒期ではありますが、副社長宅があるのは長野県の長野市です。

外気温が何度だったかなどは記憶にないのですが、恐ろしく寒いということだけは皆さんも想像できるでしょう。

ご自宅には副社長と奥様が いらっしゃったのですが、自宅内に案内された私に副社長が「あったかいでしょ?使ってる暖房はこれだけなんですよ」とひとつの小さなファンヒーターを指差すのです。

「こんな小さな暖房器具一つなんてありえないよな」

と心で思いつつ、 実に不思議な感覚を持ちましたが、これは紛れもない事実です。

②臭いが残らない

「昨日の夜は焼肉をガンガンやったんですよ」

今度は奥さんが口を開きました。

一般的な家で焼肉をやれば、その翌日は確実に臭いが残るでしょう。

ところが、この時は焼肉の匂いなど全くしないし、よくある話ですがその家独特の匂いというものも感じなかったのです。

WB工法についての構造は私もよく知っていました。

そんな私ですが、実際にお邪魔してこのような現象を体感すると、狐につままれたような気持ちになったのです。

ですから、加盟を検討中の工務店が長野の本部に行くと、理屈では理解できるし、このようなことを体感もするのですが、それでもなんとなく納得できない(笑)社長もいようです。

自宅をWB工法で建てた会員工務店の社長に会いました

愛知県豊橋市に本社がある鈴木工務店。
https://mbp-japan.com/aichi/machino-daikusan/

「街の大工さん」と自ら名乗るように、典型的な家族経営工務店です。

20年前から社長を知っているのですが、WB工法にはかなり前から加盟し、お客さんにも積極的に勧めています。

そんな鈴木社長が昨年ご自宅を建てました。

もちろんWB工法を採用した家です。

「WB工法ってのは本当によくできてんだよね!」と以前からお話をしていた社長ですが、ご自宅を建てたことによって今までの自信が確信に変わったそうです。

「住んでみて思ったけど本当にいい家だよ」

4月に事務所へお邪魔したのですが、お客様に説明する営業ツールも自宅の写真集という凝りよう。

ここまで書くとわかりだと思いますが、こちらの会社は順調に受注を取っています。

WB工法を腹の底から理解して、魂を込めてお客さんに説明をしているので、それがしっかり通じるのです。

WB工法とソーラーサーキット両方に加盟している工務店

こちらは匿名とさせていただきますが、東海地方に本社がある地場工務店のお話をしましょう。

読者の工務店の皆さんの中にも、複数の建築工法を採用してる会社もあると思いますが、こちらの会社はWB工法とソーラーサーキット両方を採用していました。

WB工法とソーラーサーキットは、もちろんその内容は違うものの、室内の空気環境を重視しているという点ではコンセプトは同じとも言えます。

室内の空気環境を重要視する社長は、どちらの工法も素晴らしいということで加盟に至ったのです。

ところが、お客さんからすると「何でも屋」に映る危険性をはらんでいます。

そこで社長は、WB工法を切りました。

そして、ソーラーサーキット一本に絞ったのですが、そこから売上は伸びていったのです。

社長の判断としてはWB工法よりもソーラーサーキット工法の方が内容的に良いという判断に至ったわけですが、これはそれぞれの社長のお考えによるもので、どちらが良いとか悪いとかいう話ではありません。

重要なのは、どんな工法であれ、工務店経営者がその後方に惚れ込んでお客さんにアピールすることなのです。

WB工法加盟店で売れていない工務店を分析すると

売れていない加盟店を分析してみた

750社もの加盟店を誇るWB工法ですが、積極的に仕掛け全施工案件がWB工法である絶好調工務店があります。

ただ、その一方でこの工法を全く扱わずにいる、幽霊会員がいるのもこれまた事実です。

売れていない理由は様々ですが、ここでは二つの理由を解説したいと思います。

①デザイン性が悪い

悪いと書きましたが、加盟工務店の中にはそのデザイン性を疑う会社があるのも事実。

空気環境を全面的に打ち出す工法は、アレルギーに悩む小さなお子さんを抱える若い世代が多いのです。

小さな子供を抱えるような若い世代ですから、住宅は性能だけ担保されてればいい、などと主張する工務店を絶対に選ばない購買層と言えるでしょう。

ところが、腕に自信がありしかもWB工法の素晴らしさに感化された工務店の社長ほど、この重要性に気づいていないケースが散見されるのです。

空気環境とデザイン性のどちらが人間にとって重要か、と問われれば、答えは空気環境となるでしょう。

そんなことはわかってはいますが、実際に家を購入する若い世代には通じないのです。

空気環境も大事ですが、デザイン性の悪い住宅などに数千万円ものお金を払いたいとは思わないのです。

②施工能力に問題がある

WB工法に限りませんが、工法フランチャイズでちょくちょくある問題がこれなんですよね。

北海道のA社であっても、鹿児島のB社であっても、同じ工法を採用すれば、その性能は同じ値が出なくてはいけません。

ところが現実にはそうはならないのです。

マニュアル通りに施工したものの、その技術力の差が出るケースもありますし、ひどいケースでは施工の仕方そのものが間違っていることもあるのです。

これはWB工法に限らず、全ての建築工法で抱える避けられない問題と言っても良いでしょう。

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