自社所有のショールームにお客さんを呼ぶテクニックとその高い効果

積水ハウス、大和ハウスなどの大手ハウスメーカーは、全国の拠点に見どころ満載の大型ショールームを所有しています。

積水ハウスは納得工房などの名称をつけたショールームを複数個所運営し、営業マンがお客さんに声を掛けて行くのですが、お客さんを連れて行くと契約率は急上昇する事実を知っていますか?

大手ハウスメーカーだけではなく地域の有力パワービルダーも含めれば、全国には相当数の施設が存在します。

営業との接点がなく、ホームページを見て直接足を運ぶお客さんも数多くいますが、メインは営業マンによる直接の誘致でしょう。

つまり、自分が勤務する住宅会社が一定規模のショールームを持っている場合、そこに何組を連れて行けるかがそのまま営業成績に直結すると言っても過言ではないのです。

某大企業の実例

某大企業(A社)とさせていただきますが、年間引き渡し数が二千棟レベルの住宅会社の話をしましょう。

A社は全国に一箇所だけですが巨大な自社テーマパークを所有しており、実に様々な展示がしてあります。

私自身も数回見学したことがあり、直近では8月にビデオ片手で最新の状況を見てきました。

連れ出し率抜群のトップ営業マン(Hさん)の話を聞いた

注文住宅や分譲住宅を合わせれば200人を超える営業マンが在籍するA社ですが、彼らには上層部から「折衝客を一人でも多く施設へ連れ出すように努力せよ」と通達がされています。

これだけ多くの営業マンがいれば、全く連れ出すことができない営業がいるのと同時に、群を抜いて高い数字を叩き出す営業マンもいます。

今回の訪問ではこのトップ営業マンに会って、30分ほど話を聞いてきました。

私 「Hさんは〇〇市にあるショールームへお客さんを連れ出す数がダントツのトップだそうですね」
Hさん「おかげさまでこの3年間連続でトップになりました」
私 「3年連続でトップとのことですが、それにははっきりとした理由があると思うんですよ。意識の面でもそうですし、営業トークも何かしっかりと考えてるんではないですか?」
Hさん「確かにそうですね。まず最初に心がけていることですが・・・」

この後は私が要約します。

① 施設の詳細を徹底的に調べている

これは結構大事なポイントで、連れ出しに成功していない営業マンに施設の詳細を尋ねると「そんな場所ありましたっけ?」というそっけない答えが返ってくることさえあるくらいです。

当たり前の話ですが、お客さんに声をかけて引っ張ってくるには、こちらがその施設の詳細を知らないのはナンセンスの一言です。

②腹の底から真剣に呼ぶ

これまた大事な基本ポイント。

「弊社には大型施設があるのですがよかったら来ませんか?」

こんなふわふわした態度ではお客さんは絶対に来ません。

「半日はお時間をいただきますが家を建てるのであれば絶対に見ておいた方が良い施設を弊社は持っています。どこで建てるかは別にして、家づくりの全てが腹にきれいに落ちますので、今度の日曜日に時間を取ってもらえませんか?」

いかがですか。

お客さんへの伝わり方が全く違うことがわかるでしょう。

本当に見せたいのであれば、上辺だけのトークではなくお腹の底から声を出せということです。

③「距離が遠いよね」と言われた時の対応

この悩みは営業マンからよく聞く内容です。

自社の施設が素晴らしいことは分かっているものの、勤務している営業所からこの施設までに時間かかるとしたらどうでしょうか。

勤務場所によっては10分もあれば行けるような近場の展示場に勤務する人もいるでしょう。

心の中では「あいつらはいいけども俺が連れ出そうと思うと片道2時間はかかってしまうんだよ。簡単にOKが取れるはずないじゃないか」と思っているわけです。

片道2時間は確かに遠いでしょう。

しかし取材を受けてくれたHさんはこのように話してくれました。

Hさん「私の営業所から施設までは 片道2時間かかるのですが、私から言わせれば2時間なんて大した距離じゃありません。“たった2時間の距離にこんなに素晴らしい施設があります。だから行きましょう”基本的にはこれで終わりです」

どうでしょうか。

普通であればショールームまで2時間の距離があれば、営業マンは心の中で「片道2時間はきついよな」と思って結論を下しているような気がします。

しかしHさんの発想方法は全く異なっていました。

一生に一回の買い物をするのにとても参考になる施設が、片道たったの2時間の距離で見学することができるわけです。

物は言いようで、Hさんは「このトークは意外に効いているんじゃないか」と自己分析をしていました。

宿泊体験施設も同じこと

家,家族

ショールームとは少し色が違うのですが、宿泊体験をできる施設を所有してる会社もあることでしょう。

住宅展示場兼宿泊棟にしてるケースが多いのですが、ここで宿泊体験してもらうと、契約率が飛躍的に高まるのは皆さんご承知の通りです。

ですから、営業マンに対しては「毎月一組の宿泊体験アポを目標に動け」などという指示が上司から出るわけですね。

ただ、これもなかなかハードルが高いようで、お客さんとアポを取るのが至難の技と考える人が多いようです。

しかし、先ほど登場してもらったHさんは、宿泊体験への誘致実績も抜群なのです。

理屈は同じで、一生に一度の高価な買い物をするのだから、宿泊体験は絶対必要ですと言い切るとのこと。

「よかったら宿泊しませんか」ではなく「これから50年60年と住み続ける家ですので、その性能などについては実際に泊まってみて納得して購入すべきです。ですから宿泊体験をしましょう」と断言してください。

他社のショールームでも同じこと

どこでも構わないのですが、あなたの会社から車で1時間ぐらい走ったところにパナソニックのショールームがあったとしましょうか。

このショールームはたいへんよくできていて、家を建てる人が見れば、間取り決定や住宅設備機器の選定に大きく役立つ施設であると誰しもが感じるものだと仮定しましょう。

自社ショールームではないものの、私が営業マンであればお客さんを何とか説得してこのショールームに連れ出すでしょうね。

理由は簡単です。

①パナソニックショールームに同行することによってお客さんとの繋がりを深めたいから
②このショールームの見学がお客さんにとって本当に役に立つと心の底から思っているから

この2点から私は必死になってショールームへ誘客すると思います。

もちろんのことですが、 このショールームが中身の薄いしょぼいものでは話になりません。

「森さんに勧められてきたけどもこれは大正解だね」

こうした感想を持たれるぐらいのショールームだと自分が認識するならば、万難を排して勧めるのです。

まとめ

大型の自社ショールームを保有してる会社では、毎月の目標を決めてお客さんの誘客が行われます。

しかし、営業マンの力量によってその結果は変わります。

前述したように、営業トークや営業マンの心の持ちようで、数字は大きく変わると思ってください。

九州のある会社も大きな施設を所有しているのですが、そこの会長が「こんな立派な施設を作ったのにどうしてもっと活用しないんだろうか」と嘆いていました。

この話は今から20年前のことなのですが、真面目一徹で県警出身の会長は、私がコンサルティングで会社を訪れるたびに同じ話を何回も何回もしていたのが思い出されます。

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積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。

コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。

今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

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