この数ヶ月、都市部での賃貸市況は変わりつつあるようだ。
コロナ禍とは異なり、単身者、ファミリーのいずれのユーザーとも活況に動いているようだ。
単身者向けのワンルーム、1Kは、それなりに空室があり通常通りの市況感だが、ファミリー賃貸はこれまでとは少し状況が異なっているようだ。
以前からそもそもファミリー向けの賃貸物件の供給数はワンルームほど多くないため、あまり空室が多くなかったが、今年はそれがより顕著になっているようである。
つまり、市場にかなりファミリー賃貸物件が少なくなっているようだ。
特に都心部の人気のある賃貸ファミリー物件は、文字通り「取り合い」の様相である。
これは、そもそもの供給数の問題もあるが、人々の生活スタイルの変化も大きく影響しているかもしれない。
不動産投資の観点から、ファミリー賃貸よりは単身向けのワンルームのほうが効率的に利回りを上げることができる。
こうした理由により、一般的にファミリー向け賃貸物件自体の数が少ないが、それでも現場の感覚だとファミリー賃貸にはかなり潜在的なニーズが眠っているようである。
実際に、「紹介できるファミリー賃貸物件がない」という都心部の不動産会社の声を聞く機会が今年はとても多い印象だ。
ちなみに不動産賃貸仲介会社からすると、ファミリー賃貸希望のユーザーから申込を獲得するのは、単身者のユーザーよりも遥かに難易度が高い。
意思決定者の問題や入居者それぞれの好みの把握、入居時期の確定など、単身者よりもクリアしなければいけない課題が多い。
逆に、ファミリー向け賃貸ユーザーを得意とする賃貸仲介メンバーは、売買仲介業を行ってもかなりの確率で成功することができると感じる。
上手く意見を取りまとめることのできるスキルは、不動産会社では重宝される能力のひとつかもしれない。
今回は、賃貸仲介のなかの難易度の高い「二名以上入居希望のユーザー」の効果的な営業方法をいくつか紹介したいと思う。
意思決定者の把握
これは売買仲介業務では必須のクリアしなければいけないタスクのひとつだが、2名以上の入居希望の賃貸ユーザーでも同様だ。
たとえばカップルで部屋探しをするユーザーだと、どちらの意向が強いのか、そして賃料負担はどうしていくのかなど、こうした内容を事前に把握しなければならない。
また、兄弟入居であれば、親の合意や確認を取れているのか、などもそうだ。
単身者と比べて、こうした意思決定者が誰かをしっかり把握していなければ、なかなか申し込みを獲得することができない。
さらに言えば、契約者の主体も確認しておかなければならない。
特にカップルでの申し込みの場合、連名契約でオーナーにお願いされることも多い。
なるべくヒアリングの段階でこうした内容をしっかりと固めておかなければならない。
街の雰囲気や相場をしっかりと伝える
単身者よりも、ファミリー物件希望の入居者はエリアの雰囲気や利便性をしっかりと検討する。
不動産のプロとして、エリアの説明や周辺環境の説明はしっかりと行わなければならない。
当たり前のことのように聞こえるだろうが、ポイントなのは「単身者よりもよりしっかりと、細く」伝えることである。
エリアや相場の情報をしっかりと伝えることで、はじめて信頼を勝ち得ることができるのである。
逆に、エリアの知識が乏しかったり、周辺の物件相場の答えが曖昧だと申込獲得はかなり難しいだろう。
入居時期を把握し、中長期的な追客を実施
単身者に比べて、複数入居者のユーザーは入居時期を前倒しにすることが難しいユーザーが多い。
当然といえば当然だが、1人で引っ越しをするわけではないので、いきなりすぐに引っ越すというわけにはならない。
勿論、ユーザーが長期的に探し続けて「これ!」という物件をようやく見つけ、不動産会社に問い合わせをしたケースなどは、あっさり申し込みになることもある。
しかし、「探し始めの時期」の2名以上入居のユーザーは、なかなかそういったことは少ない。
こうした場合はしっかりとヒアリングを行い、物件を定期的に複数提案し、紹介していかなければならない。
引っ越し意思の確度が高い場合は、しっかりと追客をしていければかなり成約率は高くなるだろう。
内見時はそれぞれの部屋の用途を話し合う
たとえば、2部屋以上かつ2名以上の入居者の場合は、内見時にそれぞれの部屋の用途を話し合う必要がある。
玄関から手前の部屋は誰が使うのか。
リビングの隣の部屋は誰が使うのか。
それに対してそれぞれの居室の収納は事足りるのか、こうした細かい取り決めをしておくことで、より入居後の生活のイメージが付きやすくなる。
いっぽうでこうした確認を内見時に怠った場合は、キャンセルになる可能性も出てくる。
もしユーザーが内見物件を気に行ってくれたら、このあたりをしっかりと確認しなければいけない。
ファミリー賃貸物件の確認事項
最後に細かいところだが、ファミリー賃貸を紹介するにあたっての細かい注意点をいくつかまとめてみた。
1.エアコンの確認
エアコンの設置数。設備としてか、残置物扱いなのかの確認
2.駐輪場
自転車は、何台駐輪可能なのか
3.駐車場利用希望の確認
駐車場利用希望が否か(将来的にも含めて)
4.子供入居可能か
将来的にお子様が増えても問題ないかどうか
5.契約者変更の可否
契約者変更が可能か否か。またその際の手数料など
以上である。
賃貸仲介のなかでもハードルが高いと言われる複数名入居者の対応がしっかりできると、大きくキャリアとしても道が広がってくる。
是非参考にしてほしい。
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