私はこうして競合に勝った⑤・・・敵会社の情報を丸裸にして勝つ

今回の競合の事例も、私のコンサルティング先である住宅会社の事例をご紹介します。

競合に勝つには、まずその敵が何者であるかを知ることが重要です。

会社の内容やポリシーなどは、ホームページを見ればある程度分かりますので問題ないと思います。

しかし、さらに突っ込んで、相手がどのような営業手法を使ってくるのか、お客さんに対するプレゼンテーションの内容はどのようなものなのかまでは、ホームページではよくわからないのです。

しかし、ちょっとした工夫をすることによって、敵の手の内を完全に把握することができ、攻撃の際にはそれを最大限に活用して競合勝ちに持っていくことができます。

コンサルティング先のT社の事例

東海地方にある会社の話です。

社長10年以上前から知っているのですが、営業専属の社員も5人抱えて地道に頑張っている住宅会社です。

営業個人というよりは会社全体でやっていることなのですが、こちらの会社は他社と比べて競合での勝率が比較的高いと私は感じています。

お客さんの趣味に合わなかったり、価格差が圧倒的であったりすれば、なかなか勝つのは難しいのですが、商談がもつれて競り合う場面になるとT社の戦略が威力を発揮するのです。

会社のコンピューターに入っている〇〇情報

例えば今から1年前に、T社の営業マンがある会社と競合して勝ったとしましょうか。

この場合営業マンはお客さんに、このようなお願いを必ずする取り決めになっているのです。

営業「この度は弊社とご契約いただきありがとうございます。 これからが本当のお付き合いになりますので、営業担当の私も一生懸命やらせていただきます」
主人「こちらこそよろしくお願いしますね。もう一社の営業さんも頑張ってくれたし、外観や間取も魅力だったんだけども、泣く泣く断らせていただきましたよ(笑)」
営業「あちらの営業さんも頑張っていたと思うので、同じ営業として断られた気分を想像すると辛いものがありますが、 私も仕事ですのでそうは言っていられません(笑)」
主人「確かにそうだね」
営業「ところで、もしよろしければですが、お願いが一点あります。〇〇社さんも色々と資料を作ってきたと思うのですが、例えばプレゼンテーションに使用した図面とか資金計画書のコピーを取らせていただけないでしょうか」
主人「えっと・・・そうだね・・・特に問題はないと思うんだけど・・・コピーでいいの?」

会社のパソコンには膨大な情報

私はこのパソコンの中身を見ていますが、実際どのようなものがあるのかお話ししましょう。

この会社と競合を頻繁にするRホーム。

Rホームと競合になれば、もちろん勝ったり負けたりと 色々ありますが、競合に勝った時には9割方の確率でRホームの出した提出資料をお客さんからコピーすることができます。

敷地調査の報告書を例にとりましょう。

敷地調査報告書とはいうまでもなく、お客さんが持っている土地を測量したり、あるいはスウェーデン式貫入法により地耐力を調査したりする作業です。

それらのデータを一冊の報告書にまとめて提出するわけですが、同じ会社の報告書ですから、何十件とコピーを入手すればおそらくは同じ書式になるでしょう

つまり、今後競合するケースがあった場合に、敷地調査報告書を相手が出せば、それも全く同じ書式が出ると推測されます。

この場合の対処方法はこうです。

【相手より中身の濃い敷地調査報告書を提出する】

簡単だと思いませんか。

相手が10ページの報告書をまとめたならば、こちらは15ページで作成するのです。

報告内容も細かくし、土地の写真に関しても相手が5枚ならばこちらは10枚にして作成します。

お客さんからすれば「おたくの会社は、あちらさんよりもしっかりとした内容を作るんだね」となるしか結論はありません。

資金計画書などもその典型例でしょう。

大体は想定内の書式であると推測できますが、敵の資金計画書を入手したら、こちらはそれを上回ればいいのです。

「資金計画書で敵を上回る内容など作れるのか?」

こんな疑問の声が聞こえてきそうですが、答えは簡単明瞭でイエスとなります。

たとえば、地鎮祭で神主さんに包む費用や、そのとき供える鯛の値段なども、資金計画の中に計上するのです。

引っ越し先で周囲に配るタオルの値段など、細かいものでも構いませんし、引っ越し時のトラック手配の値段も複数社比較して書いてあげるのも良いでしょう。

さらに言えば、同じ引っ越しであっても、閑散期と繁忙期である3月では雲泥の差が生じますので、それらの違いも資金計画に織り込んでください。

いかがですか。

ごく一般的な資金計画書と今わたくしがお話をしたものを見比べれば、お客さんが評価するのはどちらでしょうか。

このような形で、全てのものを敵より上回る品質で作るのです。

このようにして対抗すれば競合に勝つ確率は確実に増加します。

簡単だがなかなか皆さんやらない

pc,メガネ,ビジネスマン

今お話をしたT社の事例は私のコンサルティング先なので、この手法とアイディアは私が伝えたものです。

しかし、同じことをオープンセミナーなど、あちらこちらで話すのですが、これを忠実に実行している会社はほぼないといってよいでしょう。

この話はノウハウとして充分に通用する内容ですが、実際にやっている会社が少ないということは、聞くだけで実行するのがいかに難しいかという証左です。

競合負けすることが多い住宅会社の皆さんは、是非とも私が書いたことを真似してみましょう。

ただし時間はかかります。

大きな会社であれば、営業マンがたくさんいるので資料も簡単に手に入るでしょうが、年間に5~6棟という工務店になると、これらの情報を一定数集めるのにはどうしても数年かかります。

しかし、始めるなら今です。

次の案件から早速実行してください。

私がやっていたこんなテクニック

このような形で敵会社のやり口を丸裸にすると、競合勝ちする確率が高くなるのはおわかりになったと思います。

しかし、この確率を更に高めるには、ちょっとしたトーク術が存在しますのでそれを皆さんにお伝えしましょう。

「どの会社もこの程度はやりますよ」

これがキラートークです。

資金計画書を例に解説をしましょう。

先ほどの資金計画書において、地鎮祭で神主さんにいくら包めばいいとか、繁忙期の引っ越しの費用はいくらだとか、他社が言及しないような細かい値段も資金計画書に書くべきだと私は言いました。

営業「こちらが今回の資金計画書になります。内容は今ご説明したとおりですが、何かご不明点はございますか」
主人「特にありませんけども、すごく内容が充実しているというか細かいことまで書いてありますね」
営業「マイホームを建てるとき資金計画書は一番大事なことですからね。引っ越し代とか地鎮祭とか、どこの住宅会社でもこの程度は最低限調べて書くはずです」
主人「でも、昨日会った〇〇ホームさんにもらった資金計画書はやけにあっさりしていましたよ」

私の狙いはご理解いただけたでしょうか。

内心では「ここまで細かく資金計画書を書く営業マンなんていない」と思っているのです。

そのハイレベルな資金計画書を、最低限のラインに据えてしまえばいいのです。

このような会話をすれば、お客さんは敵会社が出した資金計画書を見て、不信感までは懐かないものの、少し物足りない感情を抱くはずです。

これと同じ理屈で、プレゼンテーション図面や外部仕様書内部仕様書などを作成し、キラートークを繰り出せば競合の勝率はさらに高くなっていきます。

まとめ

今日の競合勝ち事例は、相手を丸裸にすることでした。

このやり方であれば、経費はせいぜいコピー代で済みます。

これほど安価な戦略ありません。

100%の回収は無理ですが、数多くあたれば相当数は必ず集まってきますので、本文中でも書きましたが途中であきらめることなく、数年かかっても構いませんので地道に資料収集をしてください。

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積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。

コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。

今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

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