「現地待ち合わせ」での成約率アップ方法とは?

2023年1月が終わり、繁忙期も残すところあと2ケ月となった。

仲介事業にとって、2月初旬の時期は3月に向けた小休止というところだろうか。

それでも当然のことながら、閑散期よりははるかに反響も多く忙しいことは間違いない。

様々な仲介会社さんと話をしていると、今年は多くの企業が昨年よりも売上数字は良いようだ。

コロナ渦が過ぎ、通常の稼働状況に戻ってきている印象を受ける。

しかし、売上数字は多くの会社が前年度を上振れているものの、成約率は各社まちまちのようだ。

よくよく紐解いて見ると、反響は増加しているが成約率が減少している仲介会社もあれば、反響も増加し成約率も伸びている仲介会社が共存している印象である。

前者は反響数の増加が著しいため売上が確保できているが、実のところ成約率が減少傾向にあることが特徴だ。

では、成約率の高い傾向にある仲介会社と低い傾向にある仲介会社の違いはなんだろうか?

実際に何社も話を聞いていると、割と明確な方向性の違いで成約率の可否が別れているようだ。

単純な話かもしれないが、成約率の高い、もしくは成約率が改善傾向にある仲介会社は、「店舗での接客」を誘因していることが共通点としてあげられる。

コロナ渦になり、一時的に仲介店舗での接客はほぼ皆無になった時期があった。

ただ、その時期を経過し、再び「店舗での接客」のフローに戻している仲介会社は軒並み成約率は上昇している。

しかし、オンライン紹介のみ、また「現地待ち合わせ」のみで対応している仲介会社は成約率に関しては苦戦している印象だ。

しかし、いっぽうでユーザーにとって「来店のハードル」というものは、以前より遥かに高くなっている。

「店舗での接客」に納得してくれるユーザーが大半であれば、問題ないが「現地待ち合わせ」を要望しているユーザーが実際はとても多い。

ユーザーからすれば「来店すること」が億劫に感じているのかもしれない。

ただ興味深いのは、それでも「店舗での接客」を実施したほうが、ユーザーの満足度も高いし仲介会社からしても成約率が高い。

このあたりのジレンマに頭を抱えている仲介会社は、とても多いかと思う。

店舗に呼びたいが、無理にそれを強いると他社に行ってしまう。

現地待ち合わせにすると、成約率が落ちてしまう。

しかし、それでも現地待ち合わせを行い、物件案内を行う。

こうした現状に頭を抱えている仲介会社はとても多い印象だ。

いずれにしても、上記のような事情はあれど仲介会社の成約率を高めるためには「店舗での接客」を推進する、ということがひとつの方法であることは間違いない。

では、「現地待ち合わせ」では成約率は低下したままなのだろうか。

数少ないが、「現地待ち合わせ」でも高い成約率を誇る仲介会社は存在している。

今回は、苦戦が予想されるユーザーとの「現地待ち合わせ」の接客でも成約率を高める方法を少し紹介してみたい。

現地待ち合わせ前にヒアリングの時間を設ける

web,会議

メールやチャットでユーザーとやり取りし、内見日程を調整し、現地待ち合わせを行い、現地で物件を紹介する。

これが一般的なフローだが、現地待ち合わせの前に「電話ミーティング」を実施するようにユーザーに提案する。

「現地でのお待ち合わせの前に、担当者からご挨拶、ヒアリングのお時間を10分程度頂けませんでしょうか?」とメッセージを送る。

実際に、現地待ち合わせの前に簡単なコミュニケーションとヒアリングを行うだけでも大きな差が生まれる。

ヒアリング時に複数物件を準備をする旨をユーザーに伝える

希望条件のヒアリング時に、問い合わせの類似物件などの提案を行う旨を伝える。

繁忙期の時期は、物件が終了することも多い。

そのために、しっかりと代替物件を準備する旨を伝えておく。

また、実際に現地待ち合わせで1件のみの紹介よりも複数物件を案内したほうが成約率は遥かに高くなる。

現地待ち合わせの「終了時間」を共通認識する

よく現地で内見対象物件以外の物件を紹介をする機会も多いだろう。

しかし、ユーザーの時間がなくて、接客が中途半端に終了してしまうケースもかなり多い。

こうしたことを防ぐために、現地待ち合わせで接客できる時間をユーザーと共通認識しておくことが効果的だ。

時間を確保することで他の物件の内見もできるし、また現地で物件紹介をすることができる。

さらに店舗のタイムマネジメントも楽になる。

申込に至らなかった場合、再来を取り付ける

これは実施している会社も多いかと思うが、現地待ち合わせで決まらなくても次の再案内の予定調整を実施する。

再案内の場合は、当然成約率は初見の内見よりも向上する。

当たり前の対策かもしれないが、このあたりも店舗で改めて徹底をしたほうが良い。

現地待ち合わせでプラスαのサービス提供を

たとえばカイロを渡したり、ふかふかのスリッパを準備したり、メジャーを提供したり、他社とは違う「ひとひねり」が現地待ち合わせでもかなり重要になってくる。

印象は圧倒的に良くなるので、こうした取り組みを検討してみても良いかもしれない。

「店舗での接客」は成約率は高いものの、今後の流れではやはり「現地待ち合わせ」が増加していくことは間違いなさそうだ。

とても細かいところかもしれないが「現地待ち合わせ」での成約率をどう高めるかが、今後の仲介事業の成約率向上の鍵となる可能性は高い。

是非、各社対策を練ってみてほしい。

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