ライバルより多くの新築受注を私ができた理由をお話しします⑨・・・ 競合対策を万全に行った

契約をたくさんするには、競合の勝率を高めるのが必須事項です。

敵会社と競争したときにその勝率をあげるには、気合いや根性だけは話になりません。

自らの提案内容のレベルを高めるのは当然ですが、それと並行して他社を徹底的に研究するからこそ勝率が上がるのです。

私は現役当時から競合会社の実状を調べるのが大好きで、手を尽くし実態を調べて競合対策に役立てました。

今、コンサル先で競合対策を依頼された時も、考え方はまったく同じです。

あらゆる手法を駆使して競合会社の情報を調べ上げ、競合勝ちできるような方策を営業マンに伝えて実行させるのです。

皆さんも競合対策の重要性を再認識しましょう。

「相手のことなんて関係ないんだよ」に疑問を抱く

私が現役営業マン時代の話ですが、他営業所のある上司が私に対して「競合先なんて気にする必要ないんだよ。お前は自分のことだけじっと見ていればいいんだ。ブレずにまっすぐ行け」と話すのです。

話をされた時私は内心「それはおかしくないか。戦争でもなんでも敵の事を徹底的に調査するのが常道だと思うけどな」と訝しげに聞いていました。

結論としてはこの話を無視して、敵会社の情報をこれでもかというほどに集めたのですが、この上司の指摘をすべて否定する気はありません。

敵のことを意識するあまり自分が本来は提案したいプランを修正して合わせることが、お客さんの本来のニーズからずれたり、あるいは単に迎合しているだけだとみられる危険性は充分にあるからです。

この辺りをしっかり踏まえた上で、前述したように敵会社の情報や手の内をしっかりと調査する癖を付けたのです。

「三井ホームさんの図面は凄く良くできたわよ」

資料

三井ホームに競合勝ちした案件だったのです、奥さんが三井ホームの提案した図面をやたらと褒めるのが気にかかっていました。

折衝中は口にしなかったのですが、決着が着いた後、私と奥さんでこんな会話を交わしたのです。

私 「三井ホームさんのプレゼンテーション図面がすごく素敵だったとよく口にしていましたけども、何がそんなに良かったんですか?」

奥様「おそらくは営業さんが作ったんじゃないと思うんだけども、なんかすごくオシャレな感じなのよね。さすが三井ホームって感じだったわよ」

私 「それ今お手元にありますか?」

奥様「もちろん」

私 「問題なかったら、勉強したいのでコピーさせてもらえませんか?」

奥様「そうね・・・ 別に問題ないか・・・ いいわよ」

こんな流れで三井ホームが提出したプレゼンテーションを手にしたのですが、確かに良く出来ています。

私が出したものに比べると、量も質も圧倒的にレベルが高いのです。

細かいところの仕上げも綺麗にできているので、私とは雲泥の差があったことは間違いありませんでした。

これを真似すればいいんだ

簡単な発想です。

自分よりレベルが高いプレゼンテーションを見たわけですから、それをそのまま模倣すれば、レベルが上がるのは明らかでしょう。

私はこの手法を継続しました。

競合負けしたときはなかなか入手困難だったのですが、その逆に勝った時は、比較的容易に敵会社のプレゼンテーションを手に入れることができたのです。

私は入社一年目でこの簡単なやり方に気づいたのです。

ところが周囲を見渡すと、私の同期であろうが先輩であろうが、ある一定の型にはまったプレゼンテーション手法から抜け出せずにいたのです。

徐々に資料が増えていった

この一件で味をしめた私は、これ以降も競合勝ちするたびに適会社のプレゼンテーションや資金計画書などを、次から次へとコピーさせてもらったのです。

はじめのうちは一人でしたが、同期社員にも声を掛けて同じことを やってもらい、それぞれの資料を共有するようになってからは、資料の数も倍々ゲームで増えてきました。

これを一年も続けると次のような効果が生まれます。

① プレゼンテーション能力が飛躍的に向上する

説明するまでもないでしょう。

自分より優れた プレゼンテーション資料を猿真似するわけですから、日を追うごとにそのレベルが高くなるのは当然のことです。

② 競合に強くなる

絶対的なプレゼンテーションレベルが上がるわけですから、競合に強くなるのは当然のことですが、話はそんな単純な問題ではなく、もっと戦略的に競合に勝つ確率を増やしていきました。

例えば、私が新たにセキスイハイムの営業マンAさんと競合したと仮定しましょうか。

お客さんに対してはセキスイハイムも私も同じようにプレゼンテーションするわけですから、私の手元にある過去のセキスイハイムが提出した資料を参考にして、プレゼンテーションを仕上げていきます。

その結果、最終的な着地点は、セキスイハイムよりも質量ともに上に行くことです。

様々なハウスメーカーと競合するのですが、競合する会社によってその会社が過去に出したプレゼンテーション参考にし、資料を作成する方式をとったのです。

さらにこんな営業トークも

さらにこんな仕掛けも行いました。

どの会社でも構わないのですが、中身の薄い資金計画書を出すメーカーがあったと仮定しましょう。

今競合している会社がこのメーカーであったとすれば、おそらくは高い確率で同じような中身の薄い資金計画書がお客さんに提出されると推測できます。

これを把握できれば、いつも出す資金計画書のレベルを上げてお客さんにお出しすれば、資金計画書では完勝するでしょう。

そしてこう言うのです。

「資金計画は住宅作りにおいて最も重要なものですから、どのハウスメーカーでも、このような形で細かい出費まで含めありとあらゆる観点からお客様に提案すると思います」

こう話しながら、事細かに書かれた資金計画書をお客さんに提出します。

お客さんは私が提出したものともう一社である競合先の営業が提出した資金計画書を比較するでしょう。

敵が出したレベルを把握した上で、それを上回るものを出しているのですから、その部分で負けることは絶対にありません。

それに輪をかけて「このぐらいは最低限やらないとおかしいですよ」 とやれば、お客さんとしては敵が出した資金計画書に不安を覚えることでしょう。

このような積み重ねが、競合に勝つ確率をどんどん高めてくれるのです。

その他の情報もガンガン聞き込んだ

商談,資料

プレゼンテーション図面や資金計画書はハードになりますが、担当の営業がどんなことを話したか、あるいは連れて行かれたショールームでどんな内容のアピールを受けたかなども私は聞きました。

正確に言うと“ガンガン聞き込んだ”となるのですが、とにかく細かいところまでお客さんから情報を得ました。

聞き方はこんな感じです。

私 「Aハウスさんの展示場に行った時に最も印象に残ったものは何ですか?」

主人「いろいろ良かったけども、デザインのことは営業さんがかなり強く話していたね。インテリアコーディネーターがピッチリつくので、お客さんの要望に寸分たがわず答えることができます・・・こんな感じで話したかな」

このように聞き込んでいくと、敵会社が何をお客さんにアピールしているかもなんとなくわかってきます。

あまりしつこくなるとよくありませんが、契約をしてくれたお客さんですから、ざっくばらんに聞いても問題ないでしょう。

まとめ

私が今の時代に営業しているならば、敵会社のホームページはもちろんのこと、Instagram、Twitter、Facebook、lineなど、ありとあらゆる媒体をチェックして調べ上げるでしょう。

このように調査することが好きだからということもありますが、戦をするには敵をまず知らなくては話にならないでしょう。

徹底的に調べて対策を打つのです。

こうした地道な努力を一年も続ければ、あなたの会社は競合に強い体質に生まれ変わることでしょう。

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