この繁忙期は、昨年と比べてかなりユーザーの足は戻りつつある。
多くの管理会社で、稼働率の改善が見られている印象が強い。
少しずつコロナ前に戻りつつあるのは、間違いない。
人気のあるエリアや物件であれば、業者間サイトに出した段階ですぐに申し込みが入ることも多い。
また、これまで決まらなかった長期空室の物件も、ふとした拍子で申し込みが入ることが多くなっているようだ。
全体的な市況は、活況になりつつある印象だ。
しかし、いっぽうで相変わらずなかなか決まらない物件も多い。
同エリア、同条件の物件はどしどし決まっていくのに、不思議となかなか決まらない物件も存在する。
また管理会社でも、相変わらず空室改善ができていない会社もあるようだ。
他の管理会社では稼働率が改善しても、なかなか自社の管理物件の稼働率が改善しないケースも多いようだ。
このあたりの違いはなんであろうか?
一般的な空室対策として思いつくのが「リフォーム」や「リノベーション」だ。
また、宅配ボックスの設置や、無料インターネットの導入なども空室対策のわかりやすい事例としてあげられる。
しかし、現実的にはこうした「設備投資」を実施しても空室が改善されないこともある。
私自身の所感でも、上記の空室対策は「最後の手段」という印象である。
仲介機能を持っていない管理会社は、必然的に客付けを仲介会社に頼らなければならない。
当然のことながら、仲介会社が物件を紹介する機会が多ければ多いほど、申し込みが入る可能性が高くなる。
今回は、管理会社ができる仲介会社のアピール方法についてまとめてみたいと思う。
このアピールが上手くいけばいくほど強力な空室対策となる。
また、この対策がまず最初に手を入れるべき空室対策なのではないかと感じる。
賃料の値下げや設備導入をする前に、やるべき対策のひとつである。
仲介会社へリーチするためのサイト登録
物件掲載をする際、レインズに登録するだけではなくさまざまな業者間サイトに登録する。
予算が許せば、atbbやその他のBtoBサイトにも登録を行い「物件の周知」を徹底して行う。
また、ただ掲載するのではなく、写真の充実やチェック項目も忘れずにチェックしておかなければならない。
図面もダウンロードできるようにする。
レインズや業者間のサイトを見ると、文字面だけの情報や図面が見えずらい物件もある。
この時点で、仲介会社としてはなかなか紹介しようとはしない。
仲介会社のネットワーク構築
対象エリアの仲介会社の店舗メールアドレスなどを収集して、リスト化する。
また仲介会社の訪問時に名刺交換を行いそれもリストに追加する。
そして定期的に情報を発信する。
一番スタンダードな方法は、メルマガだ。
これも継続することで、大きな訴求力になる。
特にキャンペーン企画や賃料値下げなどは、早く周知することができる。
とある管理会社では仲介会社の営業メンバーをLINEグループにして、定期的に情報発信やキャンペーン告知を行っていた。
これにより仲介会社と密なコミニュケーションが可能になり、かなり成果が上がっていた。
内見後のヒアリング後と対策
仲介会社が内見を実施した後、ヒアリングを行い物件の感想を聞く。
なかには、アンケートなどをシステムに組み込んでいる管理会社も存在する。
内見は多く発生するがなかなか申込に至らない場合は、居室内が汚れていたりなど、管理会社が気づかないデメリットが隠れていたりすることも多い。
また、もしこうしたデメリットが把握できたら、それを基に居室内を清掃したりするなどの改善を図ることも忘れてはならない。
申込中のコミュニケーション
物件の申込後、現在は管理会社とチャットシステムを使ってコミニュケーションを取ることが多い。
ここでも返信が遅かったりする管理会社が多い。
特に担当スタッフが不在の際の対応などをチーム内で取り決めておいた方が良い。
コミニュケーションの速さは、仲介会社にとって、管理会社に対する大きな信頼になる。
中長期的な仲介会社スタッフとの関係構築
今ではかなり効率的にリーシングができるようになっているが、それでもよく申し込みを入れる仲介会社、そしてそこで働く店長やスタッフとは定期的にリアルのコミニュケーションを取っておくことも大事だ。
仲介会社からしても、やはり顔の見知った管理会社の物件に申し込んだほうが手続きもスムーズに行きやすく安心ができる。
以上のように、仲介機能を持っていない管理会社は、仲介会社への営業は最善の空室対策になっている。
改めて、自社の仲介会社のアピールを見直してみても良いかもしれない。
どうしても、賃料の値下げや広告料の増加などの対策に目が行きがちになってしまうが、先行してこうした仲介会社の対応対策を行うことがなによりも優先すべき対策である。
そしてこの仲介会社の対策は、中長期的に見て管理物件の全体稼働率の改善に大きく寄与する。
是非、社内で検証してみてほしい。
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