皆さんこんにちは。
本日は、賃貸管理会社の既存顧客(既存オーナー)は不動産投資の有望な見込み顧客である、という話をしたいと思います。
私自身の所属していた会社でもそうですし、不動産会社各社のお話を聞いていても、やはり物件を購入してもらう見込み顧客の獲得というものに皆さんかなり力を使っていらっしゃいます。
それこそ各種WEB広告や一括査定、飛込営業やリストへのテレアポなど涙ぐましい努力をされています。
その一方で過去購入もしくは売却をされたお客様や、賃貸管理で既存オーナーとなっているお客様へのアプローチは思った以上に手薄と感じます。
「いやいや、当社ではそんなことはない。ちゃんと既存オーナーにも案内送ってるし営業マンには購入や売却のニーズがないか聞き取りするように言ってるよ!」と皆さん思われるかもしれないです。
でもそれ、本当にしっかりオーナー様のニーズを聞き取れてますか?
今回は、見込み顧客の獲得に費用を使う前に、既存オーナーからきちんと売却や新規購入を預かるにはどうしたらいいか書いていきます。
既存オーナーから媒介・購入を預かれない4つの原因
既存オーナーが管理会社に売却や新規購入を預けない原因は主に以下の4つです。
- 管理会社を信用していない
- すでに懇意にしている業者がいる
- 管理会社が売買していることを知らない
- 担当者と売買の話をしていない
順番にひとつひとつ検証と対策を考えてみたいと思います。
① 管理会社を信用していない
こちらはヒアリングや提案以前の問題となってしまうため、まずは日々の管理物件のホウレンソウや入居率改善、収益性向上等で信頼を回復するしかありません。
② すでに懇意にしている業者がいる
こちらはすでに現在オーナーなので、十分可能性があります。
とは言え管理会社で提案できない理由もなく、むしろ自分の物件の状況を知っている業者と話したいのが本音のため、基本的に以下の③、④をクリアして他業者と同等程度の信頼を獲得できれば自ずとクリアされます。
③ 管理会社が売買していることを知らない
こちらは売買営業の周知不足が原因と思われます。
売買業務の案内チラシや、既存オーナー様向けのキャンペーン等を定期的に実施するなど周知が必要です。
④ 担当者と売買の話をしていない
こちらも①と近いですが、会社では売買を行っており実績があるのは知っているが、担当者と投資や売買の話にならないため、おそらく詳しくないだろうしわざわざこちらから話す相手ではないと思われているパターンです。
担当者に不動産投資や売買の知見があれば、頻度を決めて定期的に売買や購入の話をヒアリングしてあげるだけで見込み顧客になってくれるはずです。
とは言え管理の担当者で既存オーナーと互角に話せる知見のある担当は稀有だと思いますので、こちらの対策は以下でより詳細に考えていきたいと思います。
以上4つの原因と対策を簡単に記載しましたが、少々対策が難しい④について以下深堀したいと思います。
既存オーナーから売却、購入ニーズを引き出すには?
上記④にて、管理担当社員に売買の知見がないケースの対策を考えてみたいと思います。
対策は主に以下の2つです。
① 社員に不動産投資の教育を施す
時間はかかりますが、スタッフの能力底上げができ既存オーナーの満足度も向上させられます。
手段としては、
- 社内外有識者による研修
- 不動産投資の知見の豊富な担当に同行させる
- 社内制度を活用して自身の不動産投資を奨励する
などでしょうか。
特に3つ目は社内の体制が許せば最も有効かつ早く成長させられる余地があります。
習うより自身で体験することが一番の成長となります。
② 知見の豊富なアセット担当を作って売買は別枠として担当させる
こちらはより現実的かつすぐ実行できる手段かと思われます。
アセット担当の活用方法としても以下2パターンあろうかと思います。
管理担当より売買ニーズヒアリング
こちらはヒアリングの上売買ニーズがある方のみアセット担当が面談を実施します。
アセット担当のスケジュールが限られていたり、空振りを減らすのに有効です。
懸念としては、管理担当が正確にヒアリングできない可能性があるため、ヒアリングシートの準備やヒアリング実施スケジュールと頻度を具体的に定め、全体で統一的に実施して全体の進捗管理をする必要があります。
アセット担当全件同行
こちらはヒアリングでの漏れはなくなりますが、全件同行のためアセット担当の負担が大きいことと、空振りも多くなります。
以上、既存オーナーが不動産投資の有望な見込み顧客であるということ、既存オーナーから媒介を売却・購入を預かれない原因について考察してきました。
まとめ
・新規顧客獲得に莫大な費用を投下する前に、既存オーナーにきちんとアプローチすべし
・既存オーナーが見込み客になっていない原因は4つ
① 管理会社を信用していない
② すでに懇意にしている業者がいる
③ 管理会社が売買していることを知らない
④ 担当者と売買の話をしていない
・既存オーナーと売買の話をするには
1. 管理担当の教育
2. アセット担当を置く
以上を実施すれば、既存オーナーの満足度も向上し、その結果さらなるお客様の紹介にもつながる余地があります。
一朝一夕には参りませんが、ご参考になれば幸いです。