先日とある知り合いのかたと会食をした時の話である。
そのかたは、とある業界の採用活動を支援しており、採用数を増やすためにいろいろな対策を打っていた。
魅力的な仕事内容や報酬形態などを求人サイトに掲載し、いかに求職者から多くの応募を獲得するか考える。
なかなか今のご時世では、大変な仕事である。
そのなかで、とても苦労していることは「応募してきた求職者が面接に来ない」ことだそうだ。
応募を受け面接の日程を組んでも、求職者が当日にドタキャンをし面接に現れない。
こうしたケースが多発しているそうだ。
今はそのかたの様々な対策により、こうしたドタキャンは徐々に減少傾向になっているらしい。
話を聞いていて、こうしたアルバイトの面接のセット率と賃貸仲介業務の反響来店率は、とても共通していると感じた。
ご存知のかたも多いかもしれないが、賃貸仲介業においては反響来店率は重要指標のひとつである。
当然のことながら、いくら反響数を増加させても来店率が低ければ売上をつくる機会はない。
また、いくら接客時の成約率が高くても(接客成約率)、ユーザーに接客する機会がなければ営業することはできない。
反響獲得と接客する際の重要な橋渡しをする数値が「反響来店率」なのである。
ちなみに少し前のコロナ禍の際は、この反響接客率がどの仲介会社も大きく下がった。
外的な要因であることが理由のひとつである。
なにせ直接会うことがあまり推奨されていないので、当然と言えば当然である。
しかし、最近徐々に世の中は正常に戻りつつある。
そうすると、改めてこの「反響来店率」の重要性を再確認した仲介会社のかたも多いのではないだろうか。
今回は、この「反響来店率の向上施策」をいくつか紹介してみたいと思う。
あまり他社よりも反響数が多くはないが、それでも大きな売り上げを作ることができている仲介会社は、この「反響接客率」が他社に比べて非常に高い。
こうした仲介会社の実施していることを紹介していきたい。
(ちなみに、反響来店率には、現地待ち合わせのケースも含んでいる)
即返信の重要性
まずは何よりも反響が来た段階での即時の対応が重要である。
そのために自動返信の機能を入れるケースもあるし手動のケースもあるが、とにかくユーザーに対し即座にメールやチャットを返信することだ。
当たり前の対応かもしれないが、やはり最初の対応のスピード感は圧倒的に重要である。
またポイントとして、全員が接客をしている際の対応や業務時間外での対応をどうするかである。
システムを組んで一次対応するのもひとつの方法だが、とある仲介会社ではローテーションを組んで時間外対応をしていたケースもある。
是非このあたりの対策も含めて、レス時間の向上を考えてみてほしい。
追客方法のルール化
反響を受けて即レスをしたものの、2回程度追客メッセージを送るだけではなかなか効果がでない。
反響接客率の高い仲介会社は、かなりこまめに追客のメッセージを送っている。
またこの追客方法として、システム面と個人面の両側面で追客をしている仲介会社がかなり上手くいっている印象である。
システムで自動メッセージ配信をしつつ、個人の営業メンバーも折に触れて追客メッセージを送ったり、また図面を送ったりすることがポイントだ。
また、少し間を空けてメッセージを送るのも有効な手である。
反響が来てから即レスをし、定期的に追客をしても反応がない場合は1ヶ月程間を置いてメッセージをする。
そうすると、意外とユーザーと連絡が繋がったりするケースもあるようだ。
アポイント前のオンラインミーティングもしくは電話ミーティング
来店日が確定した後で、来店までこちらから何もアクションをしないと、ドタキャンになってしまう可能性が高くなる。
非常に高い接客率を維持している仲介会社では、アポイント前に一度電話かオンラインで簡単なヒアリングを実施するようにしているようだ。
これは、特に現地待ち合わせのユーザーに非常に効果的である。
現地でなかなかヒアリングできない状況も多いので、その際に事前のコミニュケーションによって、補完することができる。
また、ユーザーと一度会話をしておくと、関係性を多少なりとも構築することもできるだろう。
関係性が構築されれば、当然のことながらアポイントが崩れる可能性は低くなる。
アポイント前日の連絡
これは実施している仲介会社も多いと思うが、アポイントの前日の連絡は忘れずに行ってほしい。
「忘れていた」「時間を勘違いしていた」「待ち合わせ場所を勘違いしていた」というユーザは、意外と多いものである。
しっかりと前日に連絡を行い、アポイントを崩さないように対応しておかなければならない。
代替物件の準備とそのお知らせ
問い合わせをした物件以外にも同条件の物件を準備しておくことと、またそれをきちんとユーザーにお知らせすることも忘れてはならない。
実際に問い合わせをした物件が当日までに終了する可能性もある。
その際に代替物件を提案できなければ、アポイントはほぼ崩れてしまうだろう。
ユーザーには、しっかりと問い合わせした物件と同条件の物件を準備していることをお伝えしなければいけない。
以上のように、細かいところだが、実施するのとしないのとでは、大きく反響接客率に差が出てしまう。
逆にしっかりと上記をルール化できれば、他社よりも少ない反響数でも売上を上げることができる可能性が高い。
是非、実践してみてほしい。
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