それなりの数の仲介会社様のご支援をしていると、その店舗の今後の売上の傾向がなんとなく見えてくる。
「この店舗は、伸びていくだろうな」と感じることもあれば、その逆で「この店舗は、売上が下がっていく可能性が高そうだな」と感じることもある。
こうした感覚は、あくまで「感覚」であって、なかなか他のかたには伝えづらいところだと考えていたが、最近この兆候に共通点があることに気付いた。
特に「売上が下がっていく店舗」の兆候は、かなり共通点があるように感じる。
いっぽうで「売上が上がりそうな店舗」は、なかなか共通点は見出しにくい。
あるにはあるが「売上が下がっていく店舗」ほどわかりにくいような気がする。
成功事例を見て、それを真似しても実際は100%上手くいくわけではない。
むしろ、なかなか成功している店舗と同じように上手くいく確率は低いように感じる。
しかし、失敗例を頭に入れてリスクヘッジをしていけば、大きく売上は下がることはない。
危険な兆候が出ても、それを兆候と認識することで、対策を打つことができる。
今回は、私が見てきた仲介会社や店舗の売上が落ちていく「危険な兆候」を紹介してみたいと思う。
広告掲載の数が日次で一定しない
ある日は1件も広告掲載を行わないが、別の日には多数の掲載を行う。
こうした店舗は徐々に売上が下がっていく傾向にある。
ベストは、日次である程度広告掲載の件数を決めておくことだ。
そうすることで、新着の物件情報をリアルタイムに把握でき、しっかりと掲載活動を行うことができる。
逆にこうした掲載活動ではなく、特に掲載件数に取り決めがないまま広告掲載を行うと「情報の鮮度」が段々と落ちていき、反響が減少し始める。
こうした広告掲載のルール化は、店舗運営においてかなり重要だ。
実際に売上を継続的に上げている店舗は、この「掲載のルール」が徹底できている。
いっぽうで、このルールが段々に崩れていくと、売上は落ち始める傾向が強い。
日次でのミーティングを実施しない
毎日、朝出社して朝礼もないままなんとなく業務を始める。
また朝礼があったとしても数字の共有などは行わず、カタチだけの朝礼を行う。
こうした店舗は、共通して売上が下がっていく傾向にある。
この傾向は、売上が下がっていく店舗にほぼ100%共通している項目だ。
日次で店舗の売上を確認し、当日の反響数や接客予定数、そして個人の売上を確認する。
メンバーに直行の業務などがあっても、今はオンラインで参加ができる。
簡単な取組みだが、とても重要な要素である。
以前しっかりとこうしたミーティングを行ない売上を継続的に達成していた仲介店舗が、ミーティングを止めたことがあった。
止めた理由は、単純に「やる必要性がなかったから」だった。
しかしミーティングを止めてから3ヶ月ほどで、売上は半減。
店舗内のスタッフも次々と離職していった。
極端な例に聞こえるかもしれないが、こうした事例は他にいくつもある。
店舗での日次の情報共有や案件の確認は、それほど重要なのである。
スタッフの「今日やるべきこと」を認識し、店舗の方向性を定める。
それにより生産性は大きく向上していく。
キャンセルが増加している
申込後のキャンセルが徐々に増加している場合も売上が下がる傾向のひとつだ。
申込後のキャンセルは不確定要素の部分もあるが、それでも増加傾向になっている場合は注意をしておいたほうが良い。
実際ユーザーからのキャンセル理由について、本来のキャンセル理由を仲介店舗に伝えているかどうかといえば何とも言えないのが実情だ。
「家庭の事情」がキャンセル理由と聞いても、本当は「仲介会社のスタッフ対応」が理由かもしれない。
このあたりは、仲介店舗ではわからないところだ。
キャンセルが増加していく店舗は、接客に問題がある傾向が強い。
ヒアリングができていない。
クロージングを実施していない。
さらに、無理強いで強引な営業を行う。
キャンセル増加は、こうした問題点が顕在化され始めている可能性がある。
また申込後のフォローが弱かったり、契約業務を後回しにしてしまってキャンセルが増加していくケースもある。
キャンセルが増加し始めている店舗は、「営業の見直し」「契約業務の確認」を改めて行なってみても良いかもしれない。
書類、ファイルが整理されていない
最後は、店舗の美化の問題だ。
特に店舗内の清掃が行き届いていない店舗は、ほぼ間違いなく売上が減少する。
おそらくこれは、情緒的な理由ではなく単純に「店舗のルール化」ができていないことが原因だと感じる。
清掃のルールが徹底できていないということは、おそらく業務のルール化もできていないと推測される。
また、表面の店舗の美化だけでなく、共有ファイルなどもきちんと整理されていない店舗は売上が徐々に下がっていく傾向にある。
私自身、ご支援する際にまず共有ファイルを確認させて頂く。
共有ファイルが煩雑としていて、個人のフォルダに無造作に案件が入っている店舗は、その時点で黄色信号だと判断する。
もし店舗が汚れ始めていたりクラウドのファイル内が煩雑になっている場合は、改めて店舗のルールを確認してみたほうが良いだろう。
このように意外と当たり前のことばかりの項目なのかもしれない。
しかし、今回紹介した傾向に陥らないようにしていけば、店舗の数字が継続的に下がり続けることはないだろう。
是非、参考にして頂ければ幸いだ。
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