問い合わせ物件が終了していたユーザーへの営業方法とは?

3月下旬〜4月の上旬のこの時期、賃貸市場では物件情報の動きが年間で一番活発な時期である。

人気のある物件は、あっという間に申し込みが入るのと同時に、退去による新規情報も多くあがる。

この時期の仲介業務でよくあるのが、「問い合わせをもらった物件に既に申し込みが入ってしまっている」という現象だ。

掲載時にしっかりと空室を確認していたのにも関わらず、ユーザーから問い合わせを受けた時には、既に別の不動産会社が、その物件に申し込みを入れている。

この状況は、年間でこの時期が最も発生している。

ユーザーからの反響が増加しているのにも関わらずなかなか売上が上がらない仲介店舗は、このあたりの対応方法が原因なのかもしれない。

ちなみにこの時期にしっかりと売上を立てることができる仲介会社、もしくは仲介店舗は、この「問い合わせをもらった段階で、問い合わせ物件が既に終了していたユーザー」に対してのアプローチが抜群に上手い。

今回は、ユーザーが問い合わせた物件が終了した場合のアプローチ方法を紹介してみたい。

1.ユーザーとのコミュニケーションの方法は?

当然のことながら、問い合わせされた物件が終了した場合、ユーザーに対して、「こちらの物件は終了しました。またのご機会を利用くださいませ」という言葉でコミュニケーションを終了してしまう仲介会社は、さすがに少ないだろう。

大半の仲介会社は、ユーザーに対して物件提案のアプローチを行う。

ここでポイントとなるのが、コミュニケーションの方法だ。

とある仲介会社では、問い合わせした物件の募集が終了していたユーザーに対して、希望条件をメッセージ上でヒアリングする。

「こちらの物件は終了しました。もし可能でしたらご希望条件をご教示頂けますでしょうか?」

またとある仲介会社は、リアルでのコミュニケーションを要望するメッセージを送信する。

「こちらの物件以外にもいくつか物件提案をさせて頂ければと思います。もし可能でしたらお電話番号ご教示頂けますでしょうか?」

さらに別の仲介会社では、別の物件の図面を添付し、提案を行う。

「お問い合わせの物件は終了しましたが、お問い合わせ物件に近い物件の図面を添付します。是非ご検討くださいませ」

各社によって対応方法は様々で、どれが不正解というわけではないが、しっかりとユーザーを取り込めている仲介会社は、上記の対応の「良いとこどり」をしている印象だ。

つまり、ユーザーが問い合わせをした物件が終了していた場合、

 

  • 別の物件の提案を行う
  • 別物件を提案したうえで、一度ユーザーにヒアリングできるように電話MTGやオンラインMTGを打診する
  • 希望条件をヒアリングしたうえで、再度提案する

なるべく電話やオンラインMTGなどでユーザーとのコミュニケーションを図りながら、他の物件も提案し、ヒアリングを行う。

なるべくメッセージ上だけではなく、直接電話コミュニケーションやオンラインでのMTGをしている仲介会社が、成約率が高い印象だ。

ただし、無理に何度も電話をしたり、電話番号を聞き出そうとしても逆効果である。

物件の提案をしながら、リアルのコミュニケーションを提案するのがコツになるだろう。

2.物件提案

家,手

ユーザーとコミュニケーションが取れた場合、次に重要なことは、「物件提案」の方法である。

ユーザー自身が問い合わせした物件ではなく、仲介会社が提案した物件で申し込みを獲得することは、それなりにハードルが高い。

ユーザーによっては、問い合わせをした物件以外は全く興味がない場合もあるだろう。

問い合わせ物件が終了したユーザーに対しての物件提案のポイントは、こちら側の「主観」がかなり重要になってくる。

言い換えれば、ユーザーに納得してもらうためには、しっかりと物件のメリットを伝えなければいけない。

よくある例として、問い合わせ物件に似た物件を提案はするものの、その提案がどれも一辺倒なので、ユーザーも決めかねてしまい、仲介会社、ユーザー双方が迷路に迷い込んでしまうケースがそうだ。

こうなると繰り返し物件提案をしても、なかなか申し込みは獲得できないだろう。

提案物件の「エリア」(問い合わせ物件と異なる場合は、そのエリアのメリット)、「賃料」(問い合わせ物件よりも賃料が高い場合は、その理由とメリット)、「問い合わせ物件よりも良いところ」、このような内容をしっかりとユーザーにプッシュしていくことがとても重要になってくる。

繰り返すが、ただ図面を送るだけでは、なかなかユーザーは納得しないものである。

以上が問い合わせ物件が終了していたユーザーの対応方法だ。

実際に、とある仲介会社では、問い合わせ物件が終了していたユーザーのアプローチ方法を徹底的に見直して、売上を大きく伸ばした事例もある。

その際、その会社は今回紹介した「ユーザーのアプローチ方法」、そして「物件提案力」を再構築していた。

もしこの時期の売上に苦戦している場合は、是非参考にしてほしい。

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