賃貸管理サービスは、少し前まで他社との差別化が難しいと言われてきた。
たしかに空室の部屋を客付して稼働率を上げ、入居中の物件に対してはしっかり入居者対応を行うことが、賃貸管理業務の基本だ。
シンプルに考えると、なかなか差が生まれにくいのかもしれない。
しかしここ近年では他社と異なる管理サービスをオーナーに提供し、それが理由で管理戸数を増やしてきている管理会社も増えてきた。
さらに、よく「管理物件を増やしたい」というご相談を受けることが多いが、最近は、「他社とは異なる管理サービスを展開したいという要望を受けることも増えてきた。
今回は、他社と差をつける管理サービスをいくつか紹介してみたい。
こうした管理サービスができるようになればオーナーからの信頼もより得られるだろうし、さらに管理物件獲得にも上手く繋げることができる。
是非参考にしてみて欲しい。
オーナーアプリの提供
まず最初に紹介するのが、オーナーアプリの提供だ。
最近は、オーナーのリテラシーもかなり上がりスマホを普通に使えるようになってきた。
ひと昔前までは高齢のオーナーが多く、なかなかこうしたオーナーアプリを提供してもオーナーに浸透するのが難しかったが、近年は抵抗感を持つオーナーは少なくなってきた。
業務支援の会社が提供しているオーナーアプリも、最近は自社用にカスタマイズができるようになってきている。
うまく商材を使いこなして自社向けにカスタマイズして提供している管理会社も増えてきた。
また、しっかりと予算を組んで自社開発のオーナーアプリを提供している管理会社もある。
なかなか自社開発はハードルが高いが、自社独自のものを作りそれをうまく運用していけばオーナーへの充分なアピールになるだろう。
オーナーレポートの充実
毎月のオーナーレポートを充実させることも他社との差別化になるだろう。
通常は、賃料明細、入居状況、管理状況を報告することがメインだが、とある管理会社ではそれに加えて、該当の空室物件の反響状況、近隣の物件の賃料推移、現場の写真や動画などの詳細な管理レポートなどをかなり細かく記載し、オーナーに報告をしている。
実際、この管理会社からのオーナーへの評判はとても良い。
既存オーナーから新規のオーナーの紹介も増加している。
現在のオーナーレポートを見直し、情報を充実させてみるのもひとつの方法だろう。
しかしそれなりにレポート作成に時間を要するので、現場での業務タスクの整理がそれなりに必要にはなる。
オーナーへの情報提供
管理物件の管理状況の報告だけではなく、オーナーに対して必要な不動産市場の情報や資産運用の情報などを定期的に提供することもとても効果的だ。
ニュースレターとして毎月のオーナーレポートに添付するのも良いし、またオンラインで税理士のかたを招いてのオンラインセミナーなどを開催することも効果的な方法だろう。
なかにはオーナー限定の動画チャンネルを開設し、資産運用からマーケットレポートまで自由に閲覧できるサービスを提供している管理会社もいる。
また情報提供と共に、相談会などを実施しても効果的だろう。
現実的にはオーナーへは修繕や退去報告などの報告がメインになってしまうが、こうした相談会を設けることで新たな案件の獲得なども期待できる。
全社を挙げて大々的にオーナーとの交流会、相談会などを実施している会社もあるので、検討してみても良いかもしれません。
大規模修繕などの中長期的な提案
物件によっては管理中に大規模修繕が必要な場合があるが、なかなか大規模修繕の提案やリノベーションの提案などに対してハードルが高い場合もある。
オーナーの持ち出し、もしくは借入の増額が必要になるために、言いだしづらいところがあることも事実だ。
そうした場合に対応できるようにオーナーへ積み立てなどを提案することもサービスの一環である。
オーナーにとっては、中長期的な提案をする管理会社は心理的にも信頼が生まれやすい傾向があるように感じる。
ベストは、こうした積み立てなどの中長期的な提案を物件受託時にしっかりと行うほうが良いだろう。
一時的な空室保証
サブリース以外での一般管理の場合は全期間の空室保証はできないが、退去後、数か月の期間だけ空室保証を実施している管理会社がある。
勿論、こうしたサービスを提供するためには強いリーシング力と需要のある物件に限るかもしれないが、それでもオーナーにはかなり受けが良い。
オーナーにとっての一番のリスクは空室リスクである。
特に退去後の数か月は空室になるリスクが高まる。
リーシングに自信がある場合は、こうした提案を行っても良いだろう。
以上が他社と差別化できる管理サービスである。
一番重要なことは、こうしたサービスをしっかりとオーナーに「アピール」することである。
折角、良いサービスを生み出してもオーナーの目に留まらなければ意味をなさない。
是非、現在のサービスを見直しオーナーに積極的に発信してみてほしい。
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