クレームゼロの仲介営業メンバーの5つの共通点とは?

夏のこの時期、よく不動産会社から問い合わせを頂く相談内容のひとつとして「仲介業でのクレームが最近多くなってきた。これを減らす方法はないか?」という相談である。

興味深いもので、初夏からこの夏の時期は、意外と多くの仲介会社でクレームが増加する傾向があるように感じる。

個人的に思うのは、おそらく4月に入社した新卒メンバーや中途入社のメンバーが、徐々に業務に慣れ、申込を獲得することができ始めたことで、それに応じてクレーム等も増加したのではないかと推測する。

申込の増加は大変喜ばしいことだが、それと比例してクレームも増加し続けるというのは、なかなか頭の痛いところだ。

長い間、多くの仲介会社を見てきたなかで、なかには全くクレームを出さない営業メンバーもいる。

とにかく数年間、契約トラブルなどが全くなく、ユーザーからの評判も高い。

こうしたメンバーは、社内で決して目立ちはしないが、しっかりと売上目標も継続して達成している。

今回は、こうしたクレームゼロの営業メンバーが気をつけているポイントをいくつか紹介したい。

実際のところ、こうした各社のクレームゼロの営業メンバーは、所属している会社は違えども、実践しているポイントは共通点が非常に多い。

言葉が「軽くない」

なかなか表現が難しいが、クレームを出さない営業メンバーの共通点のひとつとして、彼らが発するひとつひとつの「言葉に重み」があることがあげられる。

逆に言えば、クレームの発生が多いメンバーは、「言葉が軽い」印象がある。

具体的に言えば、ユーザーの質問に対して曖昧な回答をする。

「おそらくできると思います」、「多分大丈夫だと思います」。

こうした言葉は契約ごとの話だと、後日かなり問題になることが多い。

せめて、「おそらく大丈夫だと思いますが、確認をしてご連絡いたします」というようにしっかりと回答をしたほうが良いだろう。

ユーザーによっては、かなり押しの強いユーザーもいる。

こうしたユーザーの「これってできますよね?」、「これってなんとかなりますか?」という言葉に押されて、つい軽く「大丈夫だと思います」と返答してしまうと、かなり後々のクレーム発生の確率は高まるだろう。

ひとつひとつの言葉に重みを持たせることが、とても重要である。

申込時に確認しなければいけないポイントをおさえている

仲介業でクレームが発生するポイントには共通するポイントがいくつかある。

「駐輪場の有無や台数の制限」、「ゴミ置き場」、「駐車場の空き状況やサイズ制限」、「原状復帰前に内見した場合の原状復帰後の室内状況」、「エアコンなどの残置物」、「初期費用の項目」などがそうだ。

こうしたポイントは、よくユーザーも、そして営業メンバーも見落としてしまいがちなところである。

クレームゼロの営業メンバーは、こうした「おさえなければいけないこと」をしっかりとおさえて業務を進める。

逆にこうした項目を全て無視して契約業務まで進んでしまうと、かなりの高確率でクレームが発生してしまうだろう。

スケジュールのコントロール

申込後は管理会社からの審査待ちのステータスになるが、ここで延々と管理会社からの連絡を待っているだけでは、もし審査が大幅に伸びた場合、ユーザーは不安になってしまう。

かくユーザーに連絡してスケジュールを共有していくことが重要だ。

たとえば審査が長引いた場合でも、ユーザーに一報し、「まだ審査結果のご連絡が来てないです。少々お待ち頂ければ幸いです」という一報を入れるだけでもユーザーの不安を取り除くことができる。

ユーザーの心理状態として、「不安」の度が超えると、「不信」に繋がっていく。

クレームゼロの営業メンバーは、こうした不安を払拭するためにうまくスケジュールをコントロールし、ユーザーに共有していく。契約業務も主体的に動いていくことが重要だ。

宿題を作らない

クロージングでのユーザーの要望に対して、なるべく早く回答していくことも重要だ。

特に新人の場合は、確認しなければわからないことが多いだろう。

その際に、この宿題の回答に時間がかかってしまったり、曖昧に終わらせてしまうとクレームになってしまう。

クレームゼロの営業メンバーは、こうした宿題を極力すぐに失くすように動く。

調べてからの回答は、わかった時点ですぐに回答する。

もっと言えば解決できるところは、その場で解決していく。

このスピード感がとても重要だ。

言った、言わないの世界にさせない

不動産業務を行ううえで一番多いのが、「営業メンバーにこう言われたのに、実際は言っていることと違った」ということだ。

この「言った、言わない」の世界に陥ると、正直、かなりクレームとして大きくなり、泥沼化する印象だ。

重要なことは、メールやチャットに残しておくことである。

商談後に要望や質問をまとめて、メール、チャットでユーザーに送ることでこうした「言った、言わない」の問題は大幅に減少できる。

多くの営業メンバーを見てきたが、クレームの多い営業メンバーはこうした「言った、言わない」で揚げ足を取られてしまうことが多いように感じる。

逆にクレームゼロの営業メンバーは、こうした「言った、言わない」になりそうな問題は徹底的に回避する。

とにかく文字に残しておく。

そして曖昧な回答をしない。

これを徹底しているような印象だ。

以上がクレームゼロの営業メンバーの特徴だ。

現在、ユーザーからのクレームが増加して悩んでいる営業メンバーのかた、そして部下のクレームが原因でマネジメントで苦労している管理職のかたは、是非参考にしてほしい。

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