
不動産売買において「来店率」は成約率に直結する重要な指標です。
しかし、エンドユーザーからポータルサイト経由で問い合わせはあるが「来店につながらない」と悩む不動産会社様も少なくありません。
今回は全国約3万人の不動産業者を対象に実施されたミカタ社独自調査をもとに、最新の不動産売買における来店率の現状と課題、そして対策について詳しく解説いたします。
本調査結果の詳細なデータはこちらよりDLできます
【ミカタ社 独自調査】全国の不動産会社様に不動産ポータルサイト(購入)について聞いてみました!
業界と不動産ポータルサイトの利用について
今回の調査では、回答者の96.2%が「売買仲介」を主に業務しており、業界の中核を担う不動産会社様にご協力いただきました。
まず、利用している不動産ポータルサイトは、「アットホーム」「SUUMO」も大手不動産ポータルサイトが69.8%と最も多く、次に「自社HP」が54.7%、「LIFULL HOME’S」が37.7%という結果でした。
不動産ポータルサイトに掲載されている物件の中心は「中古物件」が90.6%と最も多く、次に「新築物件」が43.4%、「収益物件」が41.5%という結果でした。
しかし、月間の平均反響件数では月10件以下が58.5%と半数以上を占めており、不動産ポータルサイトの広告費に対応する反響件数の少なさがうかがえます。
【来店率の低さは「初回対応の遅れ」が原因?」】
今回、不動産ポータルサイトの反響からの「通電率」と「来店率」も調査いたしました。
※通電率=反響に対して電話が繋がった割合
※来店率=反響に対して来店のアポイントを獲得できた割合
通電率では、10%以下が34%と最も多く、反響が入ってもエンドユーザー様とコンタクトに至っていないことがわかります。
来店率でも、10%以下が35.8%と最も多く、反響が入っても実際に電話が繋がらなかったり、会話に至っても来店まで導けていないという現状が明らかになりました。
さらに、初回対応についても調査したところ、初回対応は「物件の営業担当が行っている」と回答した不動産会社様が94.4%と非常に高く、営業担当のスケジュール次第で初回対応が遅れる、又は案件の取りこぼしが発生している可能性が高いといった属人的な体制のリスクもわかりました。
現場での課題についても、「問い合わせ発生時に即連絡できていない」が47.2%と最も多く、次に「来店率が上がらない」が39.6%でした。
この結果から、多くの不動産会社様が反響からの機会損失について課題を持っていることがうかがえます。
来店率を上げるための有効な4つの施策
では、来店率を向上するためには具体的にどのような取り組みをすると良いのか4つピックアップしました。
①反響発生後、即対応
反響発生直後は、エンドユーザー様の問い合わせ物件に対して興味が高くなっている状況です。
興味が冷めない10分間のうちに初回コンタクトへ繋げることが大事です。
スピード感は、その後の来店率にも大きく左右いたします。
営業担当が不在の場合でも、状況に左右されずに即時連絡ができる体制をと整えましょう。
②電話だけでなく、「メール・SMS」も活用
エンドユーザー様はポータルサイトに掲載されている物件を見て、問い合わせを行います。
中には、「不動産会社から電話でくると思っていなかった」「ポータルサイトから物件資料がメールで送られてくると思っていた」と誤解をされているケースもあります。
誤解をされたままの状態で一方的に電話をし続けてもコンタクトに繋がる可能性が低くなります。
電話だけではなく、メールやSMSのテキストで残るかたちで電話と並行してアプローチをすることが必要です。
また、メールやSMSからも機会損失を防ぐために必ず来店誘導のメッセージを添えましょう。
※来店するメリットを提示すると尚良し
③購入までのフローをセットで説明
通電時に「物件紹介」のみを行うのではなく、購入した場合に必要となるフローやサポート体制などもセットでアプローチをすると、信頼度が高まり来店率の向上にも繋がります。
特に、初めて住宅を購入するエンドユーザー様は、不安感が高い状態です。
エンドユーザー様の心理的不安に寄り添ったトークを行うことも効果的です。
決して忘れてはいけないのが、電話でも来店するメリットをしっかりと提案することです。
実際にミカタ社で使用している営業トークの解説記事もご参考ください
④電話代行サービスなどの外注化
最近では、業務を一部外注するなどの分業化がトレンドとなっています。
外注化をすることで営業担当の状況に左右されずに対応の安定化を図ることができます。
現場の負担や機会損失を防ぐ対策の一つの手段として検討いただくことも推奨しています。
まとめ
不動産売買で来店率を向上したい場合は、今発生している反響を漏れなく対応し、すぐに連絡を取る体制を整えることが非常に重要です。
また、来店率の向上は、成約率の向上に繋げるために改善をしなければなりません。
「うちは問題ない」「営業がしっかりと対応している」のであれば、現状は問題ないと思いますが継続的にベストな状況をキープすることは難しいです。
現状、問題ない場合でも今一度、反響対応の体制を見直し、属人化が解決できる営業フローの構築を検討してみてはいかがでしょうか?
本調査結果の詳細なデータはこちらよりDLできます
【ミカタ社 独自調査】全国の不動産会社様に不動産ポータルサイト(購入)について聞いてみました!